「純、ごめんな… 本当は… 言いたいことがたくさんあったんだ…
 純が俺のそばにいてくれた事は、俺にとって最高にハッピーだった……
 日光に行っても俺の親友は純しかいない……
 また、船橋に帰って来いよ、俺は大人になっても待ってるから、純、大好きだ……
 ごめん……
 純がこんなことになるのなら、あの時にちゃんと伝えればよかった……
 純がまだ元気で笑ってられた頃に、俺の素直な言葉を伝えたかった……
 純… 
 俺があの時に素直になれてたら、病気になった純の支えになれてたかもしれないのに……
 純、俺の事を許して…… 純… 純……」

 直人は小石が広がる川べりにひざまずいて声を上げて泣いた。
 あの日の純の顔が直人の脳裏に焼き付いて離れない。車の中から身を乗りだしてみんなに手を振る純は、笑いながら泣いていた。そして、窓から眺めている直人の顔を見つけると、純は本気で泣いた。
 直人が最後に見た純は、直人の事が歯がゆくて本気で泣いている姿だった。