「はい。死者がいなくて本当によかったと、胸を撫で下ろしました。ですが、火災で住むところを失った人も結構いるようで、鳴様が支援なさるそうですよ」
「ほう。さすが鳴姉さん、取り掛かりが早いな。で、どんな支援をするのだ?」

 由乃は響に先ほどの話を事細かに伝えた。

「なるほどな。確かに食事と住居は最も必要とするところだろう。弁当という案もいい。由乃たちが献立を考えるのなら、旨いと評判になるだろうな」
「それは買い被りです。ですが、家を焼け出された人々を笑顔に出来るような、献立を考えたいとは思います。ね、ヨネさん」
「はい。微力ながら由乃様をお支えいたします」
「ふたりともやる気だな。期待しているよ」

 優しく笑った響は、朝餉に向かって手を合わせる。そして、食事を始めると開口一番、旨い!と言った。