鳴が断言する。どうしてそんなに自信があるのか、と由乃もヨネも首を捻った。だが、雇用主にそこまで言われては、断るわけにはいかない。それに多聞財閥を急成長させている鳴がそこまで言い切るのだから、きっと自信があるのだろう。そう考えて、由乃とヨネは頷いた。
「よかった! じゃあ、まず今日の夕食のお弁当の献立から頼むわね。工場にどんな食材が準備してあるかは、昼までに責任者に連絡させるわ。その他諸々も責任者に聞いておいてね」
「はい。畏まりました」
「あ、それから、ひとつ大事なことを忘れていたわ。お弁当には必ず一種類、糠漬けを入れてね」
「え? で、でも、癖があるので、嫌いな人も多いかもしれませんが」
糠漬けの匂いは、好きな人は好きだが苦手だという人も多い。とても美味しいのだが、万人受けするものではない、と由乃は思った。鳴は大絶賛してくれるが、お弁当に入れて果たして食べてもらえるのか。匂いが移って嫌がられたりしないか。万が一、残されて捨てられたりしているのを見たら、悲しくて立ち直れないかもしれない。
「大丈夫。私を信じなさい。由乃の糠漬けは売れる……いえ、受け入れてもらえるわ、絶対にね」
どこか含みのある言葉に問い返そうとすると、今まで控えめに聞いていたヨネが鳴の言葉を肯定する。
「それは間違いないと思います。由乃様の糠漬けは天下一でございますからね!」
「ヨネさんまで、そんな大袈裟な……では試しに一切れ、入れてみましょうか。先週たくさん作ったところなので数は足りると思います」
「よかった! じゃあ、まず今日の夕食のお弁当の献立から頼むわね。工場にどんな食材が準備してあるかは、昼までに責任者に連絡させるわ。その他諸々も責任者に聞いておいてね」
「はい。畏まりました」
「あ、それから、ひとつ大事なことを忘れていたわ。お弁当には必ず一種類、糠漬けを入れてね」
「え? で、でも、癖があるので、嫌いな人も多いかもしれませんが」
糠漬けの匂いは、好きな人は好きだが苦手だという人も多い。とても美味しいのだが、万人受けするものではない、と由乃は思った。鳴は大絶賛してくれるが、お弁当に入れて果たして食べてもらえるのか。匂いが移って嫌がられたりしないか。万が一、残されて捨てられたりしているのを見たら、悲しくて立ち直れないかもしれない。
「大丈夫。私を信じなさい。由乃の糠漬けは売れる……いえ、受け入れてもらえるわ、絶対にね」
どこか含みのある言葉に問い返そうとすると、今まで控えめに聞いていたヨネが鳴の言葉を肯定する。
「それは間違いないと思います。由乃様の糠漬けは天下一でございますからね!」
「ヨネさんまで、そんな大袈裟な……では試しに一切れ、入れてみましょうか。先週たくさん作ったところなので数は足りると思います」