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「なんでこうなるんだよ。こんなはずじゃなかったのに……」
耳をつんざくようなクラクション。
交差点に散らばった車のバンパーの破片。
車と衝突したバイクの運転手は地面に投げ出され、ぐったりとしたまま動かない。
「お兄ちゃん?」
横断歩道の信号が点滅を始め、妹の莉緒がオレの顔を覗き込む。
「悪い、今行く」
遠くから救急車のサイレンが近づいてきた。
心臓の鼓動が悲鳴を上げ、頭にまで響く。
そうだ。全部オレが悪い。
オレが過去を変えてしまったからこんなことになってしまった。
だったらまたやり直すか?
いや、やり直したとして次助かる保証はどこにもない。
もっと最悪な未来が待っているかもしれない。
「どうしたの。具合でも悪い?」
「いや、大丈夫だ。帰ろうか」
蝉の鳴き声が辺りを包み、コンクリートの熱気が蒸し風呂のように感じられる。
真夏の昼下がり、オレは1人の青年を見殺しにした。
この罪は一生消えることが無いだろう。
「なんでこうなるんだよ。こんなはずじゃなかったのに……」
耳をつんざくようなクラクション。
交差点に散らばった車のバンパーの破片。
車と衝突したバイクの運転手は地面に投げ出され、ぐったりとしたまま動かない。
「お兄ちゃん?」
横断歩道の信号が点滅を始め、妹の莉緒がオレの顔を覗き込む。
「悪い、今行く」
遠くから救急車のサイレンが近づいてきた。
心臓の鼓動が悲鳴を上げ、頭にまで響く。
そうだ。全部オレが悪い。
オレが過去を変えてしまったからこんなことになってしまった。
だったらまたやり直すか?
いや、やり直したとして次助かる保証はどこにもない。
もっと最悪な未来が待っているかもしれない。
「どうしたの。具合でも悪い?」
「いや、大丈夫だ。帰ろうか」
蝉の鳴き声が辺りを包み、コンクリートの熱気が蒸し風呂のように感じられる。
真夏の昼下がり、オレは1人の青年を見殺しにした。
この罪は一生消えることが無いだろう。