写真に映った椿おばあちゃんは、優しく微笑んでいる。
若い頃は、もっと線が細かったか儚げな印象。
それに見た目的には、活発というより、大人しそうで控え目な少女に見えた。
…菖蒲さんに手紙、渡したかっただろうな…。
ふと、日記帳に挟まれていた手紙のことを思い出す。
いつ書いたのかわからないが、日記帳に大切に挟まっていたということは、いつか渡したかったのかもしれない。
私が届けてあげられればいいんだけど…さすがにもう生きてはないだろうしなぁ。
このご時世、100歳超えて生きている人もたくさんいるだろうけれど、ひいおばあちゃんの友達って生きてたとしたらいくつくらいなのだろう…。
えっと、桜子おばあちゃんが85歳で亡くなったでしょ?
さっき、椿おばあちゃんは桜子おばあちゃんが3歳の時に亡くなったって言ってたから、今から82年前の話。
菖蒲さんが当時30歳の椿おばあちゃんと同い年だとして…単純計算で生きてたとしたら112歳…。
…さすがに無理ね。
頭の中でそんな計算をして私は、小さくため息を溢した。