幸枝ちゃんは思い出したように、ハッとした表情を浮かべると、2人にそんな提案をしてくれた。

「葵ちゃん。大丈夫。きっと、次郎さん協力してくれはると思うわ」

「次郎とは昔から仲良くさせてもらっとるし、葵ちゃん、そしたら後でおじさんと一緒に頼みに行ってみようか」

「はい…!よろしくお願いします」

幸枝ちゃんのお父さんも一緒に行ってくれるということで少しだけホッと胸を撫で下ろす。

次郎さんってどんな人なんだろう…。

そんなことを思いつつ、私は昼食後、幸枝ちゃんの家の畑仕事を手伝うことに。

畑仕事なんて幼稚園で芋掘りした時依頼かも…。

ほとんど戦力にならなかったと思うけれど、幸枝ちゃん家族が喜んでくれたことが素直に嬉しかった。

そして、夕方。

「…あの、すみません!」

少し緊張した面持ちの私。

幸枝ちゃんのお父さんと共に次郎さん宅を訪れていた。

「次郎。いるかい?」

「おぉ、久志やないか。何か用か?」

家の奥の襖が開き、出てきたのは幸枝ちゃんのお父さんと同年代くらいの男の人。

「急にすまんな。ちょっと頼みがあってやな」

「ハハッ。久志の頼みなら聞かん理由にはいかんな」