医者に診てもらった所で、元の時代に帰る方法なんて見つかるわけないだろうし…。
もし、これが仮にタイムスリップという名の"神隠し"なのだとしたら、お寺とか神社とかそっち系の人から話を聞くほうが参考になるのだろうか?
なにぶん、こんな経験が初めてで私は途方にくれてしまう。
唯一の手がかりは椿おばあちゃんの日記帳…。
…!!
その時、私はピンときた。
この時代って、もしかして椿おばあちゃんが生きていた時代なんじゃないの?
それなら、おばあちゃんに会えば…助けてくれるかもしれない。
そうと決まれば、まずは椿おばあちゃんを探す必要がある。
私は、持っていた日記帳をパラパラめくり、再度内容を確認してみた。
さっき、幸枝ちゃんは1927年って言ってたよね…。
椿おばあちゃんの日記の日付を見ると、ほぼ同じ時代のようで私はホッと胸をなでおろす。
この時代だと、椿おばあちゃんっていうのは変かな?
椿…さんに会いに行こう!
そしたらなんとかなるかもしれない…!
確信はなかったが、目標ができたことでいささか前向きな気持ちになれた私は、そんな決意を固め、パタンと日記帳を閉じたのだった。