申し訳なさそうに肩をすくめる幸枝に私は
「いやいや、私もジャージなんかで失礼だなって思ったから…」アハハと笑いながらそう言葉を紡ぐ。

すると。

「えっと…じゃーじって?その洋装のこと…??」

少し戸惑ったような彼女に私はまたしても内心首を捻った。

ジャージを知らない…?
しかも、洋装って言い方も何か引っかかるし…いや、でもちょっと待ってよ、もしかして…。

「あ、あのさ…幸枝ちゃん、今って西暦何年…だっけ?」

まさかと思いつつ、おそるおそる私は幸枝に問いかけた。

「…?1927年よ。この前、昭和になったばっかりで盛り上がったやないの」

1927年…?
昭和になったばっかりって…。

混乱する頭をフル回転させ、私は状況を整理しする。

これって所謂、タイムスリップ?
私、過去にきちゃった?

桜子おばあちゃんの家で寝ていたら、過去にきちゃうなんてそんなの…。

「嘘でしょ…」

私はぼう然とその場に立ち尽くすことしかできなかった。