しかし、いくら耳を塞いでも聞こえてくる風鈴の音色は頭の中で直接鳴っているような気さえする。
音の根源がどこにあるかもわからない私はとめるすべもなく、ただただ堪えることしかできなくて。
チリンチリン、チリン。
でも、いくら待っても鳴り止まない音にだんだんイライラしてきた私はついに。
「〜っ!もう!!いい加減にして!」
と口に出して叫んでいた。
すると、突然、目の前がパッと明るくなり。
「…おい、おい!嬢ちゃん」
そう慌てたような人の声と、身体を揺さぶられている感覚を感じ、私はそのままゆっくり起き上がったのだった――。
✼•✼•✼
「おぉ、よかった〜。目が覚めたのかい?」
ど、どういうこと…?
私は目の前で起きている状況に1人困惑していた。
目が覚めた私の視界にまず飛び込んできたのは、数名の人。
え、私…桜子おばあちゃんの家の客間で寝てたよね?