「そうですね!すっごく心配されてたので、それがいいかなって思います」

最後にもうひと言、念押しをしておいた。

「わかったわ。外出できるようになったらお礼を言うわね」

まだ、菊雄さんから外出許可がおりていない椿さんは、目の前に置かれたお茶を啜り笑顔で答える。

熱は下がったみたいだけれど、まだ少し顔色が悪い彼女を見ると私も心配だ。

お昼もまだご飯全部食べれてなかったもんね…。

先ほど朝の約束通り昼食を共にしたのだが、椿さんは半分くらいしか入ってなかった。

「…早く外に出れるといいですね」

椿さんに私がそう声をかけた時。

「葵ちゃん、実は…ちょっとお願いがあるんだけど」

急に真剣な表情で彼女がそう言うものだから私は目をしばたたかせる。

お願い…?急にどうしたんだろう?

「なんですか…??」

「こんなこと頼むのどうかとは思うのだけれど…私の代わりに百合のお墓参りに行ってきてもらえないかしら」

「百合って…双子の妹さんの?それって、菖蒲寺に…ですか?」