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「…たい、会いたいわ…」

誰の声…？？

誰かの泣き声と「会いたい」という悲しそうな言葉が聞こえ、私は目を開けた。

薄暗く何もない空間。

遠くにポツンと佇んでいる人影が見えた。

声の感じから若い女の人だということがわかる。

誰に会いたいのかな？
私で何か力になってあげられればいいんだけど…。

そんなことを考えていると。

「…手紙、渡せなくてごめんなさい…っ」

…手紙？

女の人の口から出たのは"手紙"という言葉。

「お願い…手紙をあの人に届けて。お願いよ」

その言葉と共に私に向かって駆け寄って来た人物を見て目を見開いた。

…私？

色白でほっそりしているが、顔は私ととても良く似ていて…。

もしかして…椿おばあちゃん？

そう思いあたった瞬間、フッと先ほどまで目の前で懇願していた女の人は煙のように消え、残された私は１人暗闇に立ち尽くす。