「聞き込みはしたが、結局それらしい情報は得られんかった」
「私の方もダメでしたね」
「そっか。まぁ、簡単には見つからないよな」
俺とアリスが動けなくなった翌日。俺とアリスは何とか体を動かせるようになったので、また三人で聞き込みをした。
お昼ご飯を食べる都合で集まって、情報交換をしたのだがどうも良い情報を集められていなかった。
この街で冒険者と活躍して過ごして、ギルドや人の温かさに触れた。正直、ここを離れたくはないが、このまま『魔源』を相殺できるスキルが見つからないと俺の命は数年ともたないだろう。
「場所を変えるか」
「アイクよ、どこに向かうつもりだ?」
「西の方に向かおう。あっちの方はまだ人の手が入っていないところもあるし、『魔源』持ちのモンスターもいるかもしれない」
もっと人の多い所で情報を集めてもいいのだが、まだ世間的にアリスが死んでから時間が経っていない。まだ王都とかの都心部で聞き込みをするのは早いだろう。
それに、ここまで『魔源』を相殺できるスキルの手がかりも見つかっていないのだから、王都に行っても結果は変わらないだろう。
それなら、ルーナのような規格外のモンスターを見つけてスキルを全部引き抜いたほうがいい気がする。
「またモンスター頼りになるのか。まぁ、こればかりは仕方がないかもしれんな」
「もちろん、アイクさんの考えに反対なんてしません」
「決まりだな。じゃあ、挨拶だけ済ましてこの街をでるか」
以前いたギルドの別れ方が良くなかったので、あまり気は進まないが仕方がない。
俺は意を決してギルドのカウンターへと向かったのだった。
「案外、簡単に見送ってくれたな」
俺がギルドに少し遠くに行くからこの街を離れると告げると、冒険者ギルドの受付の女性は残念そうにはしていた。しかし、俺たちの意思をくんでくれて快く見送ってくれた。
前のギルドでは異常なくらいに引き留められたので、少し肩透かし感があった。
西に向かう馬車の中でギルドの対応を思い出しので、そんなことを言うとルーナが呆れるように口を開いた。
「どう考えてもあれが普通だろうに。別に、もう二度とあの街に戻らないというわけでもないのだろう?」
「まぁ、ダンがガチ泣きしてたしな」
ちょうどクエストに行くところだったダンに街を出ることを告げると、滅茶苦茶引き留められた。
でも、それはただ友人が遠くに行くことを拒むような引き留め方で、思わずそんなダンの姿を見て俺は笑みが零れてしまった。
「アイクは今まで異常なところにいたからな、ちゃんと外を見て当たり前を学びなおした方がよいぞ」
「冒険者を殺す依頼をするギルドって、普通にアウトじゃないですか?」
「確かに、そう言われると中々ヤバい所にいた気がするな」
そこにいたときはそこまでヤバいと思わなかったが、冷静に考えて人を殺す依頼をするって、裏ギルドとかの依頼だよな。
「今度行く街のギルドは普通だといいんだけどな」
そんなことを話しながら馬車で揺れている道中。突然、馬車の壁に何かがぶち当たった音がした。
その音のした方を見ると、その壁には人差し指サイズの穴が開いていた。何かを激しく叩きつけて開けられたのうな荒々しい穴。
「え?」
突然のこと過ぎて、俺は何が起きたのか分からなかった。
まさか、その穴と同じものが俺の腹にも開けられているなんて思いもしなかった。
その穴から噴き出すように出る血を眺めながら、俺はその場に蹲ってしまった。
二人の驚きと悲鳴のような声を聞きながら、俺は穴の開けられた部分を手のひらでぐっと抑えていた。
「私の方もダメでしたね」
「そっか。まぁ、簡単には見つからないよな」
俺とアリスが動けなくなった翌日。俺とアリスは何とか体を動かせるようになったので、また三人で聞き込みをした。
お昼ご飯を食べる都合で集まって、情報交換をしたのだがどうも良い情報を集められていなかった。
この街で冒険者と活躍して過ごして、ギルドや人の温かさに触れた。正直、ここを離れたくはないが、このまま『魔源』を相殺できるスキルが見つからないと俺の命は数年ともたないだろう。
「場所を変えるか」
「アイクよ、どこに向かうつもりだ?」
「西の方に向かおう。あっちの方はまだ人の手が入っていないところもあるし、『魔源』持ちのモンスターもいるかもしれない」
もっと人の多い所で情報を集めてもいいのだが、まだ世間的にアリスが死んでから時間が経っていない。まだ王都とかの都心部で聞き込みをするのは早いだろう。
それに、ここまで『魔源』を相殺できるスキルの手がかりも見つかっていないのだから、王都に行っても結果は変わらないだろう。
それなら、ルーナのような規格外のモンスターを見つけてスキルを全部引き抜いたほうがいい気がする。
「またモンスター頼りになるのか。まぁ、こればかりは仕方がないかもしれんな」
「もちろん、アイクさんの考えに反対なんてしません」
「決まりだな。じゃあ、挨拶だけ済ましてこの街をでるか」
以前いたギルドの別れ方が良くなかったので、あまり気は進まないが仕方がない。
俺は意を決してギルドのカウンターへと向かったのだった。
「案外、簡単に見送ってくれたな」
俺がギルドに少し遠くに行くからこの街を離れると告げると、冒険者ギルドの受付の女性は残念そうにはしていた。しかし、俺たちの意思をくんでくれて快く見送ってくれた。
前のギルドでは異常なくらいに引き留められたので、少し肩透かし感があった。
西に向かう馬車の中でギルドの対応を思い出しので、そんなことを言うとルーナが呆れるように口を開いた。
「どう考えてもあれが普通だろうに。別に、もう二度とあの街に戻らないというわけでもないのだろう?」
「まぁ、ダンがガチ泣きしてたしな」
ちょうどクエストに行くところだったダンに街を出ることを告げると、滅茶苦茶引き留められた。
でも、それはただ友人が遠くに行くことを拒むような引き留め方で、思わずそんなダンの姿を見て俺は笑みが零れてしまった。
「アイクは今まで異常なところにいたからな、ちゃんと外を見て当たり前を学びなおした方がよいぞ」
「冒険者を殺す依頼をするギルドって、普通にアウトじゃないですか?」
「確かに、そう言われると中々ヤバい所にいた気がするな」
そこにいたときはそこまでヤバいと思わなかったが、冷静に考えて人を殺す依頼をするって、裏ギルドとかの依頼だよな。
「今度行く街のギルドは普通だといいんだけどな」
そんなことを話しながら馬車で揺れている道中。突然、馬車の壁に何かがぶち当たった音がした。
その音のした方を見ると、その壁には人差し指サイズの穴が開いていた。何かを激しく叩きつけて開けられたのうな荒々しい穴。
「え?」
突然のこと過ぎて、俺は何が起きたのか分からなかった。
まさか、その穴と同じものが俺の腹にも開けられているなんて思いもしなかった。
その穴から噴き出すように出る血を眺めながら、俺はその場に蹲ってしまった。
二人の驚きと悲鳴のような声を聞きながら、俺は穴の開けられた部分を手のひらでぐっと抑えていた。