「よかったね。お母さん!」
「ああっ……ありがとう。ふううっ……」
ミントが母親と抱き合って喜んでいる。下民紋が消えてホッとしているんだろう。
そんな中、我路がそっとミントに耳打ちをする。
「そうだ! お母さん。お水だよ! お水があるんだよ!」
我路がさっとバケツいっぱいに入った水を母親とミントの前に置いた。
なんて気がきくイケオジなんだ。
「こっ……こんなバケツいっぱいの水をどうしたんだい?」
ミントの母親が目をまん丸にして驚いている。そりゃそうだろうな。
ミントの話じゃあ、コップ二杯分を手に入れるので精一杯って言ってたからな。
「ふふふっ。これはね? 下民街の井戸が復活したんだよ?」
「ほっほんとかい!? ああ……大召喚士様ありがとうございます」
母親が俺に向かって、再び頭を下げるので慌てて違うと誤解を解く。
「俺じゃなくてな? そこにいるミントが召喚獣を操り、井戸や壁を作ったんだよ!」
「違っ。お兄ちゃ……大召喚士乱道様のおかげだよう! 僕にタイタンを与えてくれたんだ!」
「いやっでもタイタンはもうミントの召喚獣であるわけで……」
そんな中、我路が俺とミントの中に割って入る。
『ンンッ。乱道様、ミント様。目の前にいるご婦人が、お困りですよ?』
我路がそう言って、ミントの母親を見ると、顔面を白黒させ気絶寸前だった。
「みっミントが……召喚? し? あわわっ」
しまった。段取り良く説明するべきだった。
★★★
「ふぅ~っ。美味しい!」
ミントの母親がごくごくっと何回もおかわりして、コップに入った水を飲み干している。
さっきの騒動も、我路がうまく母親に説明してくれた。
さすが万能イケオジ執事。
「色々と驚きましたけど……やはり大賢者様あっての事。私達下民を助けて頂きありがとうございます」
そう言って母親はベッドから立ち上がり、綺麗な姿勢で立つと、深々と俺に向かってお辞儀をした。
その凜とした立ち姿は、さっきまでベッドで横たわっていたとは思えない。
「おっお母さん? 立てるの?」
「うふふ……ミントが作ってくれたお水を飲むとね? 病気が治ったみたいに力が湧いてくるの」
「……ほっ本当!?」
「本当」
「おかぁさぁ~んっ! ふああああっ」
ミントが赤子のように泣きじゃくる。よほど母親のことが心配だったのだろう。
良かったなミント。
『あのう乱道様』
俺が暖かい目で二人の抱擁を見ていると、我路が耳打ちしてきた。
『あのタイタンが作った水には、どうやらポーションレベルの力が有るようです』
「えっ? そうなのか!?」
『はい』
だからか……母親が急に元気になったのは。
この世界で、ポーションがどれくらいの価値があるのかは、まだ俺にはわかんねえが。
下民には高価なものだってのは、なんとなく分かる。
詳しいポーションの価値は、後でキャロに聞いてみよう。
ん? キャロ?
「やべっ!! キャロとの待ち合わせの時間って!?」
『二時間後なので……18時に集合ですね』
我路が涼しい顔で答える。
「………今は?」
『19時ですね』
「じゅっ19時!?」
やっべぇ! 待ち合わせの時間とっくに過ぎてんじゃん!
急いで中央にある広場に戻んないと!
俺達はミント達にすぐに戻るからと伝え、家を後にした。
「ああっ……ありがとう。ふううっ……」
ミントが母親と抱き合って喜んでいる。下民紋が消えてホッとしているんだろう。
そんな中、我路がそっとミントに耳打ちをする。
「そうだ! お母さん。お水だよ! お水があるんだよ!」
我路がさっとバケツいっぱいに入った水を母親とミントの前に置いた。
なんて気がきくイケオジなんだ。
「こっ……こんなバケツいっぱいの水をどうしたんだい?」
ミントの母親が目をまん丸にして驚いている。そりゃそうだろうな。
ミントの話じゃあ、コップ二杯分を手に入れるので精一杯って言ってたからな。
「ふふふっ。これはね? 下民街の井戸が復活したんだよ?」
「ほっほんとかい!? ああ……大召喚士様ありがとうございます」
母親が俺に向かって、再び頭を下げるので慌てて違うと誤解を解く。
「俺じゃなくてな? そこにいるミントが召喚獣を操り、井戸や壁を作ったんだよ!」
「違っ。お兄ちゃ……大召喚士乱道様のおかげだよう! 僕にタイタンを与えてくれたんだ!」
「いやっでもタイタンはもうミントの召喚獣であるわけで……」
そんな中、我路が俺とミントの中に割って入る。
『ンンッ。乱道様、ミント様。目の前にいるご婦人が、お困りですよ?』
我路がそう言って、ミントの母親を見ると、顔面を白黒させ気絶寸前だった。
「みっミントが……召喚? し? あわわっ」
しまった。段取り良く説明するべきだった。
★★★
「ふぅ~っ。美味しい!」
ミントの母親がごくごくっと何回もおかわりして、コップに入った水を飲み干している。
さっきの騒動も、我路がうまく母親に説明してくれた。
さすが万能イケオジ執事。
「色々と驚きましたけど……やはり大賢者様あっての事。私達下民を助けて頂きありがとうございます」
そう言って母親はベッドから立ち上がり、綺麗な姿勢で立つと、深々と俺に向かってお辞儀をした。
その凜とした立ち姿は、さっきまでベッドで横たわっていたとは思えない。
「おっお母さん? 立てるの?」
「うふふ……ミントが作ってくれたお水を飲むとね? 病気が治ったみたいに力が湧いてくるの」
「……ほっ本当!?」
「本当」
「おかぁさぁ~んっ! ふああああっ」
ミントが赤子のように泣きじゃくる。よほど母親のことが心配だったのだろう。
良かったなミント。
『あのう乱道様』
俺が暖かい目で二人の抱擁を見ていると、我路が耳打ちしてきた。
『あのタイタンが作った水には、どうやらポーションレベルの力が有るようです』
「えっ? そうなのか!?」
『はい』
だからか……母親が急に元気になったのは。
この世界で、ポーションがどれくらいの価値があるのかは、まだ俺にはわかんねえが。
下民には高価なものだってのは、なんとなく分かる。
詳しいポーションの価値は、後でキャロに聞いてみよう。
ん? キャロ?
「やべっ!! キャロとの待ち合わせの時間って!?」
『二時間後なので……18時に集合ですね』
我路が涼しい顔で答える。
「………今は?」
『19時ですね』
「じゅっ19時!?」
やっべぇ! 待ち合わせの時間とっくに過ぎてんじゃん!
急いで中央にある広場に戻んないと!
俺達はミント達にすぐに戻るからと伝え、家を後にした。