「あの……お兄ちゃん?」
急に手を引っ張られ、ミントが戸惑っている。
「あっいや……あのさ? 俺を枯れた井戸の場所まで案内してくんねーか?」
「え? お兄ちゃんを?」
ミントが不思議そうに首を傾げる。
枯れた井戸に、何の用があるんだろうと思ってるんだろうな。
「俺がどうにかできるって訳じゃないんだが、ちょっと気になって」
「………良いけど……僕は森に行って宿木の葉を十枚は採って来ないと、明日飲む水が無いんだ。それが終わってからで良いのなら」
なんだ宿木の葉って!? 初めて聞いたが。
『乱道様、僭越ながら……宿木の葉とは、森の奥深くにしか生息していない神木で、一つの樹木に対して葉は二十枚ほどしかつけません。ちなみにその葉は、粉々に砕き水と混ぜますと、ポーションが作れます』
何だろう? と顔に出ていたのか我路が【宿木の葉】について詳しく教えてくれた。
「何だって? そんな葉があるのか?」
『はい。この世界の市場では一枚が銀貨五枚で取引されていますね』
「銀貨五枚だって!?」
『はい。日本円に換算すると約五千円ですね』
「はぁああああ? じゃあ十枚で五万円!? それを水と交換てボッタクリじゃねーか!」
『そうですね』
そんな事しなくても、どうにかならないのか?
『らんどーちゃま! 井戸水なら、ワレに良いアイデアがあるでち』
「琥珀?」
琥珀が胸をぽふんっと叩き、少しドヤ顔で俺を見てくる。
何だろう……あんまり期待できない気がするのは。
「じゃあお兄ちゃん僕は森に行ってくるね」
「おいっミント! 一人で森に行くのか?」
「大丈夫! 僕は森に行き慣れてるし……僕しか知らない宿木の木の場所があるんだ」
ミントは大丈夫だからというが、そんなの放って置けないだろ。
「待ってくれ! 俺たちも手伝うよ!」
「え? でも僕何もお返しが出来ない……」
「ガキがそんな事気にすんなって!」
俺はミントを肩に担いで森に向かって歩き出した。
「今度は右だよ」
「おうっ」
ミントが道なき道を案内してくれるんだが、俺からすると全部同じに見える。
同じような木や草が生い茂っていて。見分けろってのが無理な話。
なのにミントには、道が見えているみたいだ。
「すごいなミント……道を覚えているのか?」
「うん。何となくだけど、僕には宿木までの道が、光っているように見えるんだ」
えへへと照れくさそうにミントは言うが、それってすごい能力なんじゃ。
その力を良いようにあのおっさんに利用されているのかと思うと、むかっ腹が立つ。
「ほら! ここだよ!」
「……なっ」
開けた場所に金色に輝く葉を付けた、高さ二メートルほどの木々が何十本も密集して生い茂っていた。
「これはスゲエな……」
「ふふふ。僕だけが知っている特別な場所なんだ。この場所に連れてきたのはお兄ちゃんが初めてだよ」
ミントがへにゃりと笑う。
「そんな特別な場所に案内してくれてありがとうな」
俺は抱き上げていたミントを下に下ろし頭を撫でた。
「えへへ……ちょっと待っててね。今葉っぱを貰ってくる」
ミントは宿木のところに走っていった。
「ん?」
ミントの周りを、ブンブン飛んでいるヤツは何だ?
キラキラした粉を撒き散らしながら飛んでいる。
じーっと謎の生物を観察するように見ていたら……!?
「うおっ!?」
俺めがけて飛んできた。
『ふうん? 君は誰? ここは僕の特別な場所だよ?』
羽根の生えた手のひら程の大きさの小人が、俺を観察するようにマジマジと見てきた。
……何だコイツ!?
急に手を引っ張られ、ミントが戸惑っている。
「あっいや……あのさ? 俺を枯れた井戸の場所まで案内してくんねーか?」
「え? お兄ちゃんを?」
ミントが不思議そうに首を傾げる。
枯れた井戸に、何の用があるんだろうと思ってるんだろうな。
「俺がどうにかできるって訳じゃないんだが、ちょっと気になって」
「………良いけど……僕は森に行って宿木の葉を十枚は採って来ないと、明日飲む水が無いんだ。それが終わってからで良いのなら」
なんだ宿木の葉って!? 初めて聞いたが。
『乱道様、僭越ながら……宿木の葉とは、森の奥深くにしか生息していない神木で、一つの樹木に対して葉は二十枚ほどしかつけません。ちなみにその葉は、粉々に砕き水と混ぜますと、ポーションが作れます』
何だろう? と顔に出ていたのか我路が【宿木の葉】について詳しく教えてくれた。
「何だって? そんな葉があるのか?」
『はい。この世界の市場では一枚が銀貨五枚で取引されていますね』
「銀貨五枚だって!?」
『はい。日本円に換算すると約五千円ですね』
「はぁああああ? じゃあ十枚で五万円!? それを水と交換てボッタクリじゃねーか!」
『そうですね』
そんな事しなくても、どうにかならないのか?
『らんどーちゃま! 井戸水なら、ワレに良いアイデアがあるでち』
「琥珀?」
琥珀が胸をぽふんっと叩き、少しドヤ顔で俺を見てくる。
何だろう……あんまり期待できない気がするのは。
「じゃあお兄ちゃん僕は森に行ってくるね」
「おいっミント! 一人で森に行くのか?」
「大丈夫! 僕は森に行き慣れてるし……僕しか知らない宿木の木の場所があるんだ」
ミントは大丈夫だからというが、そんなの放って置けないだろ。
「待ってくれ! 俺たちも手伝うよ!」
「え? でも僕何もお返しが出来ない……」
「ガキがそんな事気にすんなって!」
俺はミントを肩に担いで森に向かって歩き出した。
「今度は右だよ」
「おうっ」
ミントが道なき道を案内してくれるんだが、俺からすると全部同じに見える。
同じような木や草が生い茂っていて。見分けろってのが無理な話。
なのにミントには、道が見えているみたいだ。
「すごいなミント……道を覚えているのか?」
「うん。何となくだけど、僕には宿木までの道が、光っているように見えるんだ」
えへへと照れくさそうにミントは言うが、それってすごい能力なんじゃ。
その力を良いようにあのおっさんに利用されているのかと思うと、むかっ腹が立つ。
「ほら! ここだよ!」
「……なっ」
開けた場所に金色に輝く葉を付けた、高さ二メートルほどの木々が何十本も密集して生い茂っていた。
「これはスゲエな……」
「ふふふ。僕だけが知っている特別な場所なんだ。この場所に連れてきたのはお兄ちゃんが初めてだよ」
ミントがへにゃりと笑う。
「そんな特別な場所に案内してくれてありがとうな」
俺は抱き上げていたミントを下に下ろし頭を撫でた。
「えへへ……ちょっと待っててね。今葉っぱを貰ってくる」
ミントは宿木のところに走っていった。
「ん?」
ミントの周りを、ブンブン飛んでいるヤツは何だ?
キラキラした粉を撒き散らしながら飛んでいる。
じーっと謎の生物を観察するように見ていたら……!?
「うおっ!?」
俺めがけて飛んできた。
『ふうん? 君は誰? ここは僕の特別な場所だよ?』
羽根の生えた手のひら程の大きさの小人が、俺を観察するようにマジマジと見てきた。
……何だコイツ!?