「だだっ大召喚士ルミエール様! かかっ体に描かれている紋が消えています!」
「ないっ!? 紋が無い!?」

 爺さん達がルミ野郎に慌てて駆け寄り、聖印が消えた体をペタペタと触っている。その表情があまりにも必死で、見ていると思わずこの緊迫したこの場面で笑っちまいそうになる。

『プププッ間抜けな奴らでちね』

 琥珀はいつものぬいぐるみ姿に戻っており、ニチャァっと小馬鹿にした笑みを浮かべて、爺さん達の間抜けな姿を見ている。相変わらずというか……。

「なぁああああああああああっ!?」

 そんな中ルミ野郎の絶叫が響きわたる。

 どうやらルミ野郎は、やっと紋が消えた事を理解したのか、奇声を発した後、膝からガクリッと崩れ落ちた。
 それを爺さん達が必死に、宥めている。

「おいおい? 勝負の途中に乱入は頂けねーなぁ?」
 
 消えた紋に焦る爺さん達にワザと「何してるんだ?」っと何も気づいてない素振りで話しかけると。

「おっ! お前! お前がその奇妙は魔導具で何かしたんじゃろ!」
「そうじゃ! 急に聖印が消えるなどありえん。お前が何かしたとしか! 考えれん」
 
 焦る爺さん達は、プルプルと震える手で俺を指差し、お前のせいだと言ってくる。

「……仮に俺の所為だとしてもだ? 今は勝負の真っ最中だぜ? そこに爺さん達が途中で乱入するって事は、そのルミ野郎の負けを認めるって事だよな?」

「…………なっ?! あっ?」

 そう言うと、アワアワと困る爺さん達。
 見ていたギャラリー達からは、ブーイングの嵐だ。

 まっそりゃそうなるわな。
 だって俺達はまだ勝負らしい事、何にもしてねーんだから。

「あっそそっ……そうだ! 太ももに描かれていた狼の紋は!?」
「そうだ! それも消えたのか!?」

 爺さん達がそう言うと、戦意喪失していたルミ野郎の顔が、花が咲いたようにパァッっと分かりやすく明るくなる。

「そうだ! 私にはまだ銀狼の紋が!」

 ルミ野郎は大勢の前で恥ずかしげも無く、真っ黒のワイドパンツを脱いだ。
 すると狼の紋が太ももに現れる。

「よかった……これは消えていない」

 まっそりゃそうだよな。俺消してねーし。

 消えてなくて良かったと、安堵するルミ野郎を見て琥珀は『ククク。その紋も奪ってやるでちかね~?』っと短い手でどうにか腕組みをして威張っている。
 琥珀よ? お前可愛い顔して中々の悪だな。

『らんどーちゃま? あの狼も奪うでち?』

 キュルンとあざとく俺を見る琥珀。言ってることは鬼こえ~けど。

「茶番はもう終わりだ! 私の最強である召喚獣、【銀狼(ぎんろう)】を見せてあげましょう」

 ルミ野郎は高らかに笑うと、詠唱を始めた。ふんどしのような黒いパンツを履いただけの姿で……。

 お前……それは……恥ずかしくないのか? それもどうかと思うぞ?