『らんどーちゃま? どうしたんでち?』
幻獣族の事を考えてつい黙り込んでしまった。
膝の上に乗っている琥珀が俺の方に振り向き、心配そうに俺を見上げてきた。
「ちょっと考え事しててな? あの幼子な? 幻獣族っていうめっちゃレアな種族らしいぞ?」
気持ち良さそうに、マントにくるまって寝ている子供を指差す。
『幻獣族……? どんな種族なんでちかねぇ? ワレも興味あるでち』
琥珀が俺の膝から飛び降りると、テチテチと幼子に近づきジーッと顔を近付ける。
『こう見ると、狐の獣人みたいでちね』
「確かにな」
グゥゥゥゥ~!!
琥珀に返事を返した瞬間、腹の音が「腹が減った」と盛大にアピールする。
『らんどーちゃま! 変な音がしたでち! また魔獣が!?』
琥珀がキョロキョロと大袈裟に周りを見渡す。琥珀のやつめ……わざとだろ?
顔がニヤついてるぞ?
「俺の腹の音だよ!」
『ええ~あんな破壊的な音が腹から出せるでち? さすがランドーちゃまでち。プププ』
琥珀が口元に手を当てニヤニヤしながら俺を見てくる。
琥珀さんよ? 人を小馬鹿してる時が一番楽しそうだな?
ぬいぐるみの姿の変な白虎め。
「飯にすっか? さっきは九尾の狐のせいで食べ損ねたからな」
『ワレはケーキが食べたいでち! らんどーちゃま出してほしいでち』
琥珀が両手を前に出し、キュルンと俺を見てくる。
「はいはい……ドウゾ」
俺はアイテムボックスからケーキを取り出してやる。
「やったー! むふふ♪ 食べるでち」
琥珀は小躍りしながらケーキを食べている。あーあこれはまたベッタベタになるな。
俺は肉でも焼くか……とりあえず、石を集めてそれっぽい焼く場所を作るか。
フライパンとか調理道具は食材と一緒に頂いたから火さえ作れば大丈夫だろ。
石を拾い集めて作った場所に木の枝を置いて、頭の中で焚き木をイメージして火魔法を唱えた。
「おおっ!」
ちょうど良い具合に枝が燃えた。よしっ良い感じだ。
「俺って天才じゃね?」
旨そうな肉をフライパンに並べて焼いていく。
味付けは塩と胡椒のみ。
ジュワ~ッと肉の焼ける良い音と、何とも言えない香ばしい匂いが食欲をかき立てる!
良い匂いが辺り一面に広がっていく。
思わずゴクリっと生唾を飲み込んでしまう。
「もう良いだろう」
肉に思いっきりかぶりつくと、口いっぱいに肉汁が溢れる。
「うんまー!」
旨すぎて一瞬で飲み込んじまった。
「んっ?」
背中に衝撃が? 琥珀がぶつかってきたのか?
「琥珀お前も欲しいのか? って……えっ!?」
後ろを振り向くと、琥珀ではなく幼子が俺の背中にしがみつき、ヨダレを垂らしていた。
「何だお前……起きたのか?」
幼子は何も返事を返さず、俺の右手にある肉を凝視している。
「もしかしてこれが欲しいのか?」
俺がそう言いながら幼女の前に肉を出すと、瞳を爛々と輝かせて何度も頷く。
「あははっ! なら食えよ。肉ならたんまりあるからな」
俺は幼女に焼いた肉を渡した。小さく切ってやろうとナイフを出していたら。
幼子は肉を鷲掴みして、美味しそうに食べていた。
おっふ、すげえ豪快だな。
しっかし旨そうに食いやがって。
「旨いか?」
「うっ? うゆ?」
あれっもしかして言葉が喋れない? それか通じない?
俺は肉をかじって食べた後「旨い!」っと言って幼子を見た。
すると「うみゃ! うみゃ!」っと俺の真似をして食べていた。
何だコイツ。可愛いな。
『あれ! 九尾の狐が起きたでちか? 肉を旨そうに食べてるんでちね』
琥珀はケーキを食べ終わったのか、俺の所にやってきた。案の定、口や手はクリームでベッタベタ。
これは食べる練習が必要だな。
琥珀はおかわりが欲しいのか、再びキュルンっとおねだり目線で俺を見る。
「お前まだ食べるのか? もう良いんじゃないか?」
俺がケーキを出さないで渋っていると。
『これで最後でち! ねっ? ねっ? 後生でちからぁ!』
必死に懇願する琥珀。
「あははっ! お前ってヤツは本当にっ」
琥珀にケーキを出してやると、それをじーっと欲しそうに見ている幼子。
その様子に琥珀は気付いたのか、慌ててケーキを持って移動する。
二足歩行で走って逃げる琥珀を四足歩行で追いかける幼子。
何だこれ。走り方逆だろうよ。
「うみゃ! うみゃ!」
『これはワレのでち! 絶対あげないでち!』
「うみゃ! うみゃ!」
『ついてくるなでち! あっちに行くでち! もぐっ』
琥珀は幼女から逃げながら、ケーキを頬張っている。お前ってヤツはどこまで食いしん坊なんだ。
ちょっとくらい分けてやっても……
『あっうわっ!?』
「うゆっうみゃ!?」
琥珀が幼子にタックルされ、ケーキを奪われた。
二匹? の姿はクリームまみれ。
「あはははっ。何やってんだお前ら」
『笑い事じゃないでち! ワレの……ワレのケーキが……』
琥珀の大きな瞳から、ポロポロと涙がこぼれ落ちる。
その横で幸せそうに幼子がケーキを食べていた。
「うみゃ。うみゃ」
幻獣族の事を考えてつい黙り込んでしまった。
膝の上に乗っている琥珀が俺の方に振り向き、心配そうに俺を見上げてきた。
「ちょっと考え事しててな? あの幼子な? 幻獣族っていうめっちゃレアな種族らしいぞ?」
気持ち良さそうに、マントにくるまって寝ている子供を指差す。
『幻獣族……? どんな種族なんでちかねぇ? ワレも興味あるでち』
琥珀が俺の膝から飛び降りると、テチテチと幼子に近づきジーッと顔を近付ける。
『こう見ると、狐の獣人みたいでちね』
「確かにな」
グゥゥゥゥ~!!
琥珀に返事を返した瞬間、腹の音が「腹が減った」と盛大にアピールする。
『らんどーちゃま! 変な音がしたでち! また魔獣が!?』
琥珀がキョロキョロと大袈裟に周りを見渡す。琥珀のやつめ……わざとだろ?
顔がニヤついてるぞ?
「俺の腹の音だよ!」
『ええ~あんな破壊的な音が腹から出せるでち? さすがランドーちゃまでち。プププ』
琥珀が口元に手を当てニヤニヤしながら俺を見てくる。
琥珀さんよ? 人を小馬鹿してる時が一番楽しそうだな?
ぬいぐるみの姿の変な白虎め。
「飯にすっか? さっきは九尾の狐のせいで食べ損ねたからな」
『ワレはケーキが食べたいでち! らんどーちゃま出してほしいでち』
琥珀が両手を前に出し、キュルンと俺を見てくる。
「はいはい……ドウゾ」
俺はアイテムボックスからケーキを取り出してやる。
「やったー! むふふ♪ 食べるでち」
琥珀は小躍りしながらケーキを食べている。あーあこれはまたベッタベタになるな。
俺は肉でも焼くか……とりあえず、石を集めてそれっぽい焼く場所を作るか。
フライパンとか調理道具は食材と一緒に頂いたから火さえ作れば大丈夫だろ。
石を拾い集めて作った場所に木の枝を置いて、頭の中で焚き木をイメージして火魔法を唱えた。
「おおっ!」
ちょうど良い具合に枝が燃えた。よしっ良い感じだ。
「俺って天才じゃね?」
旨そうな肉をフライパンに並べて焼いていく。
味付けは塩と胡椒のみ。
ジュワ~ッと肉の焼ける良い音と、何とも言えない香ばしい匂いが食欲をかき立てる!
良い匂いが辺り一面に広がっていく。
思わずゴクリっと生唾を飲み込んでしまう。
「もう良いだろう」
肉に思いっきりかぶりつくと、口いっぱいに肉汁が溢れる。
「うんまー!」
旨すぎて一瞬で飲み込んじまった。
「んっ?」
背中に衝撃が? 琥珀がぶつかってきたのか?
「琥珀お前も欲しいのか? って……えっ!?」
後ろを振り向くと、琥珀ではなく幼子が俺の背中にしがみつき、ヨダレを垂らしていた。
「何だお前……起きたのか?」
幼子は何も返事を返さず、俺の右手にある肉を凝視している。
「もしかしてこれが欲しいのか?」
俺がそう言いながら幼女の前に肉を出すと、瞳を爛々と輝かせて何度も頷く。
「あははっ! なら食えよ。肉ならたんまりあるからな」
俺は幼女に焼いた肉を渡した。小さく切ってやろうとナイフを出していたら。
幼子は肉を鷲掴みして、美味しそうに食べていた。
おっふ、すげえ豪快だな。
しっかし旨そうに食いやがって。
「旨いか?」
「うっ? うゆ?」
あれっもしかして言葉が喋れない? それか通じない?
俺は肉をかじって食べた後「旨い!」っと言って幼子を見た。
すると「うみゃ! うみゃ!」っと俺の真似をして食べていた。
何だコイツ。可愛いな。
『あれ! 九尾の狐が起きたでちか? 肉を旨そうに食べてるんでちね』
琥珀はケーキを食べ終わったのか、俺の所にやってきた。案の定、口や手はクリームでベッタベタ。
これは食べる練習が必要だな。
琥珀はおかわりが欲しいのか、再びキュルンっとおねだり目線で俺を見る。
「お前まだ食べるのか? もう良いんじゃないか?」
俺がケーキを出さないで渋っていると。
『これで最後でち! ねっ? ねっ? 後生でちからぁ!』
必死に懇願する琥珀。
「あははっ! お前ってヤツは本当にっ」
琥珀にケーキを出してやると、それをじーっと欲しそうに見ている幼子。
その様子に琥珀は気付いたのか、慌ててケーキを持って移動する。
二足歩行で走って逃げる琥珀を四足歩行で追いかける幼子。
何だこれ。走り方逆だろうよ。
「うみゃ! うみゃ!」
『これはワレのでち! 絶対あげないでち!』
「うみゃ! うみゃ!」
『ついてくるなでち! あっちに行くでち! もぐっ』
琥珀は幼女から逃げながら、ケーキを頬張っている。お前ってヤツはどこまで食いしん坊なんだ。
ちょっとくらい分けてやっても……
『あっうわっ!?』
「うゆっうみゃ!?」
琥珀が幼子にタックルされ、ケーキを奪われた。
二匹? の姿はクリームまみれ。
「あはははっ。何やってんだお前ら」
『笑い事じゃないでち! ワレの……ワレのケーキが……』
琥珀の大きな瞳から、ポロポロと涙がこぼれ落ちる。
その横で幸せそうに幼子がケーキを食べていた。
「うみゃ。うみゃ」