「こっ……これは!?」
『ふふふ……ワレの感が当たったでちね?』

 琥珀が流し目でドヤァと俺をみる。

「そうだな! 琥珀お前は天才だよ!」

 俺はドヤる琥珀を抱き上げると、腹のふわ毛に顔を埋める。はぁーっ癒される。

『ちょっ!? らんどーちゃまっくっくすぐっったいでち』

 俺たちの目の前には、海賊映画に出てくるようなお宝か? ってほどの金銀財宝が無造作に置かれていた。 
 何だこれは!? 宝箱みたいなのの中にはこの国の紙幣なのかな? コインが山積みされている。
 武器だってイカついのが転がってるし。

「これはすげえな……」

 全部持っていきたいくらいだが、持ち運べる限界があるからな。これは厳選しないと。

『ね? 凄いでちよね。必要なものは全てアイテムボックスに入れていくでちかね』

 ん? なんだアイテムボックスって?

「琥珀? なんだそれは?」

 俺がそう質問すると、琥珀がちょっと残念そうな目で俺をみる。それはこんなことも知らないでちか? っとでも言っているようだ。 そんな顔されてもだな? 知らねーんだから仕方ねーだろ?

『ったくらんどーちゃまは全く知らないんでちね? もっとゲームしとくべきでちたね』

 琥珀が両手を広げ顔を左右に振った。
 何だそのいらってする仕草は?

『ええとでちね? アイテムボックスっていうのはでちね、無限収納とも言われていて、異次元にある空間に何でも収納出来て、欲しい時にいつでも取り出せる便利な収納なんでちよ!』

 何だそれ! そんな便利なもんがあるのか? もはや夢の世界じゃねーか! まぁそうか……魔法が使える時点で夢の世界だよな。

「それはどうやって使うんだ?」
『アイテムボックスって思うと時空が歪み空間が現れるでち! そうでちね? これを試しに入れてみるでち!』

 琥珀が目の前にある山積みされた金貨を指した。
 琥珀よ? お前なかなか強欲だな。

 こんな量を? 本当か?

 俺はアイテムボックスと唱え、目の前の金貨を収納するイメージをした。
 すると空間が歪み目の前の金貨の山が消えた。

「何だこれ! すげえ!」
 
 脳内に何が収納されたのかもちゃんと分かる。
 何て言うんだろう。金貨千五百枚って目の前に現れた謎の画面に記載されている。

『どうでちか? すごいでちょう?』

 琥珀のドヤりが止まらない。

 とりあえず琥珀の頭をよしよしと撫でて、自分が着れる服を物色することにした。
 ウロウロと俺が服を選んでいると……琥珀が『らんどーちゃま? 服を選ぶ時は鑑定したら良いでちよ?』と教えてくれる。

 俺が服を取っては置いていたのを見ていたのか? なるほどな。その方が理にかなっている。
 デザインで選んでいたのが恥ずかしい。

「もちろん分かってるさ! 鑑定して選んでるぜ?」
『さすがワレの主でち』

 素直に褒められると、カッコつけたのが恥ずかしい。
 
 ウロウロと鑑定して見ていると、一つの服が目に止まる。

 見た目はただの皮のロングコート何だが、鑑定で見る画面は……。

《召喚師のコート》

 着て召喚するだけでレベルが上がる。
 魔法攻撃や直接攻撃のダメージを半減する。
 魔力が20%上がる。

 これすっげえ! デザインもシンプルで俺好みだし。決まりだな。
 この後も何点か物色して、上半身裸の俺の服がいい感じに仕上がった。
 
 どれくらい入るのかな? っとアイテムボックスの機能を試して収納していたら、この部屋にある物ほとんどが収納出来たので、途中でやめた。
 
 多分だが、やめなければ全部収納出来たんじゃ。

 そんな俺を見て琥珀が悪い顔で『らんどーちゃま? どうせなら全部収納したらいいのに!』っと言いやがった。

 さすが琥珀だな。
 ちゃっかりしてるぜ。