◆4話
≪page1≫
〇場所:冒険者ギルド
冒険者ギルドに張り出された依頼書を眺める魔王とアル
魔王「ほう、ずいぶんとたくさん依頼があるのだな」
アル「これだけあれば、すぐにでも冒険者ランクを上げられそうですね」
手に持っているブロンズ級と書かれた冒険者カードを見つめるアル。
アル(先代魔王様の装備回収や監視網の構築)
アル(どちらをするにも、人間領を自由に行き来できる身分が必要になってくる)
≪page2≫
雷が落ちている平原や火山口の背景
アル(立ち入り禁止区域や秘匿領域のことを考えると、高ランク冒険者になるのは必須)
背景が冒険者ギルドに戻る
アル「まずはどれから受けましょうか?」
アルが魔王の方に視線を向けると
魔王「ぬわああ! な、なにをする!?」
魔王を抱き上げているノエルがいる
ノエル「二人とも久しぶり」
≪page3≫
アル「ノエル!?」
ノエル「昨日は本当にありがとね」
魔王「礼を言うのなら私を持ち上げるのをやめるのだ!」
魔王をそっと地面に下ろすノエル
ノエル「ごめんごめん」
ノエル「それで、確認したいことがあるんだけど……」
ノエルが周りを気にするように顔を近づける
≪page4≫
ノエル「二人って魔族だよね?」
魔王&アル「ッ!?」
アルがノエルの手を引いて、ギルド内の個室へダッシュしていく。
魔王もその後に続く
バタン! と扉を閉める
≪page5≫
魔王「なぜ私たちが魔族だと思った?」
ノエル「なぜっていうか昨日魔王様って言ってたしねアルベルスさんが」
3話のアルが魔王様呼びしているシーンを見せる
アル「あ……」
魔王「まったく、さすがにごまかせんか」
ポン! と魔王の頭にツノが生えてくる
魔王「お主の予想通り私たちは魔族だ」
ノエル「わぁすごい! 魔法で隠してたんだぁ!」
≪page6≫
ツノをさわさわと物珍しそうに触るノエル
魔王「ええいうっとうしい!」
魔王のツノから離れるノエル
ノエル「えっとさ、それで実は二人にお願いがあるんだ」
魔王「秘密を守る交換条件か。何が望みだ?」
ノエル「それはね……」
ノエル「私とパーティを組んでください!」
≪page7≫
暗転(時間経過)
冒険者ギルド受付嬢「パーティ申請が完了しました」
ノエル「これでパーティ結成! アルベルスさんにニーニャちゃん! よろしくね」
アル「まさかこんなに早く、魔族バレするなんて」
魔王「悪い事ばかりではないぞ。なんせ現地の協力者を得たのだからな」
アル「それにしても本当によかったの? 僕たちとパーティで」
ノエル「うん、昨日のことで今一人だったしアルベルスさんの強さはこの目で見たからね!」
≪page8≫
ノエル「それで二人はどうして冒険者になったの?」
魔王「それはだな……」
暗転(時間経過)
ノエル「人間領を巡るためか……たしかにそれなら高ランクの冒険者になるのが早そうだね」
魔王「だからノエルにはランク上げに付き合ってもらうことになるぞ」
ノエル「うん任せて! そういうことなら~」
依頼掲示板を見に行くノエル
その中からおもむろに一枚の紙をはがして持ってくる
ノエル「二人にぴったりなのはコレかな」
依頼書には『護衛任務ランク:シルバー等級』の文字
≪page9≫
〇場面転換:移動中の馬車
カルクス「旅商人のカルクスです。護衛の任務よろしくお願いしますね」
アル「任せてください」
ノエル「どんな魔物が出ても私たちが倒しちゃいますよ!」
馬車に乗って流れていく風景に目をやるアル
アル(確かにこの任務は人間領を巡りたい僕たちにぴったりだな)
アル(それに三人パーティになったおかげでシルバー級の依頼を受けられるのもありがたい)
≪page10≫
馬車の荷台の方から声が聞こえてくる
???「これだよニーニャちゃん!」
荷台の方へ場面切り替え
魔王と商人の娘が楽しそうに話をしている
商人の娘から犬のぬいぐるみを受け取る魔王。
魔王「こ、これは!? なんと素晴らしい触り心地!」
ぬいぐるみに顔をうずめる魔王
フィオラ「今王都で人気の人形だよ。中の素材が特別なんだって!」
≪page11≫
御者席に場面移動
カルクス「娘のフィオラです。いつも退屈させてしまうんですが、友達になれたようで今回は楽しい旅になりますね」
アル「友達……」
アル(魔王様にとっても同年代の友達って初めてだな)
その時ノエルが突然声を上げる
ノエル「ストップ!」
≪page12≫
馬車の前に3匹のウルフが現れる
魔王「敵襲か!」
馬車から飛び出す魔王。
フィオラ「ニーニャちゃん! 危ないよ!」
魔王「フィオラはそこで見ておれ」
魔王が髪留めの鎌を大きくして構えを取る
カルクス「お二人ともお願いします!」
アル「任せてください」
アル(魔王様初めての友達に良いところ見せようとしてるのかな。それなら……)
≪page13≫
ウルフが魔王に襲い掛かる
ウルフ「バウッ!」
魔王「さあ来い!」
魔王が鎌を思いっきり振りぬくとき。
アルベルス「時力同調:【スラスト】」
アルベルスの魔法で風の刃を撃ちだした。
ブシャッと風の斬撃で倒れるウルフたち。
≪page14≫
フィオラ「す、すごい! ニーニャちゃんがやっつけてくれた!」
魔王「これくらい造作もないことだ」
大喜びの娘とドヤ顔の魔王。
一方御者席では。
カルクス「ありがとうございます。詠唱もせずにあのような魔法を使えるとは」
アル「二人には内緒にしておいてください」
カルクス「もちろんです」
そして草原を進んでいく馬車。
≪page15≫
夜の焚火シーンとテントで眠る魔王と娘を見せて、日の経過を演出。
ナレ「翌日」
〇場所:街
カルクス「ここが目的地のヴェラントです」
賑やかな街の風景
商人の馬車が行きかう街の門をアルたちの馬車が通り抜けていく
宿屋に入っていくアルたち
〇場所:宿屋
宿屋の冒険者「お、カルクスの旦那にフィオラちゃんじゃねえか」
カルクス「お久しぶりです」
フィオラ「おじさん久しぶり!」
宿屋の女将「今回はどれくらい泊っていくんだい?」
カルクス「七日ほどです。それと」
≪page16≫
後ろにいるアル、魔王、ノエルを紹介するカルクス
カルクス「護衛の冒険者さんたちです。彼らの部屋もお願いします」
宿屋の女将「あいよ。かわいいお嬢ちゃんのために良い部屋を用意するよ」
アル「ありがとうございます」
宿屋の冒険者「チビ、長旅で疲れてんだろゆっくりしろよ」
魔王「チビとはなんじゃ! この程度の旅屁でもないわ!」
宿屋の女将「はっはっは、元気な嬢ちゃんだねえ」
宿屋の女将「お腹空いてるだろ? 何か用意するから座りな」
≪page17≫
ノエル「ありがとうおばちゃん!」
宿屋の女将「お姉さんだよ」
宿屋の冒険者「おいおい、そんな年でもねえだろ」
冒険者の頭にコーン! と料理用のお玉が直撃する。
宿屋の冒険者「痛ってぇー。フィオラちゃんはあんな風になっちゃダメだからな」
フィオラ「今のはおじさんが悪い!」
魔王「うむ。お主が悪いな!」
あははははと笑い声が宿屋の中に響いていく
アル(この感じなんだか久しぶりだな……)
≪page18≫
回想シーン
〇スピラの街の宿屋
魔族や獣人、人間など様々な種族が一同に集まって酒を飲みあっているシーン
サラマンダー「アル坊、こっちに追加の酒頼んだぞ」
アル「はい、すぐ持っていきます!」
回想終わり
アル(こうやっていると、まるであの頃みたいだ……)
≪page19≫
場面転換
〇宿屋の外(ここからシリアス)
こっそりと宿屋を見つめる謎の人物(勇者)
窓から冒険者たちと楽しそうにしている魔王の姿が見える
???「あれが新たな魔王か……」
そしてその場を後にする謎の人物。
暗転(時間経過)
≪page20≫
〇背景は空とか街の風景などなんでもOKです
ナレ「翌日」
ナレ「街でフィオラを含む数十人の行方不明者が発生」
〇宿屋の中
宿屋の中で重苦しい空気の主人公たちとカルクスを見せる
ナレ「アルベルトたちはその事件の渦中にいた」
≪page1≫
〇場所:冒険者ギルド
冒険者ギルドに張り出された依頼書を眺める魔王とアル
魔王「ほう、ずいぶんとたくさん依頼があるのだな」
アル「これだけあれば、すぐにでも冒険者ランクを上げられそうですね」
手に持っているブロンズ級と書かれた冒険者カードを見つめるアル。
アル(先代魔王様の装備回収や監視網の構築)
アル(どちらをするにも、人間領を自由に行き来できる身分が必要になってくる)
≪page2≫
雷が落ちている平原や火山口の背景
アル(立ち入り禁止区域や秘匿領域のことを考えると、高ランク冒険者になるのは必須)
背景が冒険者ギルドに戻る
アル「まずはどれから受けましょうか?」
アルが魔王の方に視線を向けると
魔王「ぬわああ! な、なにをする!?」
魔王を抱き上げているノエルがいる
ノエル「二人とも久しぶり」
≪page3≫
アル「ノエル!?」
ノエル「昨日は本当にありがとね」
魔王「礼を言うのなら私を持ち上げるのをやめるのだ!」
魔王をそっと地面に下ろすノエル
ノエル「ごめんごめん」
ノエル「それで、確認したいことがあるんだけど……」
ノエルが周りを気にするように顔を近づける
≪page4≫
ノエル「二人って魔族だよね?」
魔王&アル「ッ!?」
アルがノエルの手を引いて、ギルド内の個室へダッシュしていく。
魔王もその後に続く
バタン! と扉を閉める
≪page5≫
魔王「なぜ私たちが魔族だと思った?」
ノエル「なぜっていうか昨日魔王様って言ってたしねアルベルスさんが」
3話のアルが魔王様呼びしているシーンを見せる
アル「あ……」
魔王「まったく、さすがにごまかせんか」
ポン! と魔王の頭にツノが生えてくる
魔王「お主の予想通り私たちは魔族だ」
ノエル「わぁすごい! 魔法で隠してたんだぁ!」
≪page6≫
ツノをさわさわと物珍しそうに触るノエル
魔王「ええいうっとうしい!」
魔王のツノから離れるノエル
ノエル「えっとさ、それで実は二人にお願いがあるんだ」
魔王「秘密を守る交換条件か。何が望みだ?」
ノエル「それはね……」
ノエル「私とパーティを組んでください!」
≪page7≫
暗転(時間経過)
冒険者ギルド受付嬢「パーティ申請が完了しました」
ノエル「これでパーティ結成! アルベルスさんにニーニャちゃん! よろしくね」
アル「まさかこんなに早く、魔族バレするなんて」
魔王「悪い事ばかりではないぞ。なんせ現地の協力者を得たのだからな」
アル「それにしても本当によかったの? 僕たちとパーティで」
ノエル「うん、昨日のことで今一人だったしアルベルスさんの強さはこの目で見たからね!」
≪page8≫
ノエル「それで二人はどうして冒険者になったの?」
魔王「それはだな……」
暗転(時間経過)
ノエル「人間領を巡るためか……たしかにそれなら高ランクの冒険者になるのが早そうだね」
魔王「だからノエルにはランク上げに付き合ってもらうことになるぞ」
ノエル「うん任せて! そういうことなら~」
依頼掲示板を見に行くノエル
その中からおもむろに一枚の紙をはがして持ってくる
ノエル「二人にぴったりなのはコレかな」
依頼書には『護衛任務ランク:シルバー等級』の文字
≪page9≫
〇場面転換:移動中の馬車
カルクス「旅商人のカルクスです。護衛の任務よろしくお願いしますね」
アル「任せてください」
ノエル「どんな魔物が出ても私たちが倒しちゃいますよ!」
馬車に乗って流れていく風景に目をやるアル
アル(確かにこの任務は人間領を巡りたい僕たちにぴったりだな)
アル(それに三人パーティになったおかげでシルバー級の依頼を受けられるのもありがたい)
≪page10≫
馬車の荷台の方から声が聞こえてくる
???「これだよニーニャちゃん!」
荷台の方へ場面切り替え
魔王と商人の娘が楽しそうに話をしている
商人の娘から犬のぬいぐるみを受け取る魔王。
魔王「こ、これは!? なんと素晴らしい触り心地!」
ぬいぐるみに顔をうずめる魔王
フィオラ「今王都で人気の人形だよ。中の素材が特別なんだって!」
≪page11≫
御者席に場面移動
カルクス「娘のフィオラです。いつも退屈させてしまうんですが、友達になれたようで今回は楽しい旅になりますね」
アル「友達……」
アル(魔王様にとっても同年代の友達って初めてだな)
その時ノエルが突然声を上げる
ノエル「ストップ!」
≪page12≫
馬車の前に3匹のウルフが現れる
魔王「敵襲か!」
馬車から飛び出す魔王。
フィオラ「ニーニャちゃん! 危ないよ!」
魔王「フィオラはそこで見ておれ」
魔王が髪留めの鎌を大きくして構えを取る
カルクス「お二人ともお願いします!」
アル「任せてください」
アル(魔王様初めての友達に良いところ見せようとしてるのかな。それなら……)
≪page13≫
ウルフが魔王に襲い掛かる
ウルフ「バウッ!」
魔王「さあ来い!」
魔王が鎌を思いっきり振りぬくとき。
アルベルス「時力同調:【スラスト】」
アルベルスの魔法で風の刃を撃ちだした。
ブシャッと風の斬撃で倒れるウルフたち。
≪page14≫
フィオラ「す、すごい! ニーニャちゃんがやっつけてくれた!」
魔王「これくらい造作もないことだ」
大喜びの娘とドヤ顔の魔王。
一方御者席では。
カルクス「ありがとうございます。詠唱もせずにあのような魔法を使えるとは」
アル「二人には内緒にしておいてください」
カルクス「もちろんです」
そして草原を進んでいく馬車。
≪page15≫
夜の焚火シーンとテントで眠る魔王と娘を見せて、日の経過を演出。
ナレ「翌日」
〇場所:街
カルクス「ここが目的地のヴェラントです」
賑やかな街の風景
商人の馬車が行きかう街の門をアルたちの馬車が通り抜けていく
宿屋に入っていくアルたち
〇場所:宿屋
宿屋の冒険者「お、カルクスの旦那にフィオラちゃんじゃねえか」
カルクス「お久しぶりです」
フィオラ「おじさん久しぶり!」
宿屋の女将「今回はどれくらい泊っていくんだい?」
カルクス「七日ほどです。それと」
≪page16≫
後ろにいるアル、魔王、ノエルを紹介するカルクス
カルクス「護衛の冒険者さんたちです。彼らの部屋もお願いします」
宿屋の女将「あいよ。かわいいお嬢ちゃんのために良い部屋を用意するよ」
アル「ありがとうございます」
宿屋の冒険者「チビ、長旅で疲れてんだろゆっくりしろよ」
魔王「チビとはなんじゃ! この程度の旅屁でもないわ!」
宿屋の女将「はっはっは、元気な嬢ちゃんだねえ」
宿屋の女将「お腹空いてるだろ? 何か用意するから座りな」
≪page17≫
ノエル「ありがとうおばちゃん!」
宿屋の女将「お姉さんだよ」
宿屋の冒険者「おいおい、そんな年でもねえだろ」
冒険者の頭にコーン! と料理用のお玉が直撃する。
宿屋の冒険者「痛ってぇー。フィオラちゃんはあんな風になっちゃダメだからな」
フィオラ「今のはおじさんが悪い!」
魔王「うむ。お主が悪いな!」
あははははと笑い声が宿屋の中に響いていく
アル(この感じなんだか久しぶりだな……)
≪page18≫
回想シーン
〇スピラの街の宿屋
魔族や獣人、人間など様々な種族が一同に集まって酒を飲みあっているシーン
サラマンダー「アル坊、こっちに追加の酒頼んだぞ」
アル「はい、すぐ持っていきます!」
回想終わり
アル(こうやっていると、まるであの頃みたいだ……)
≪page19≫
場面転換
〇宿屋の外(ここからシリアス)
こっそりと宿屋を見つめる謎の人物(勇者)
窓から冒険者たちと楽しそうにしている魔王の姿が見える
???「あれが新たな魔王か……」
そしてその場を後にする謎の人物。
暗転(時間経過)
≪page20≫
〇背景は空とか街の風景などなんでもOKです
ナレ「翌日」
ナレ「街でフィオラを含む数十人の行方不明者が発生」
〇宿屋の中
宿屋の中で重苦しい空気の主人公たちとカルクスを見せる
ナレ「アルベルトたちはその事件の渦中にいた」