◆1話
≪page1≫
〇場所:魔王の寝室
大きなベッドで横になる魔王。周りには表情の暗い従者や魔族たち。
医師が魔王の腕を取り、その容体を確認している。
ナレ「人と魔族の世に平穏をもたらした魔王【ルシウド・ベアエル】」
ナレ「強大な力と聡明な頭脳を用い、人と魔族の世界に平和を築き上げた功労者」
ナレ「そんな偉大な魔王が、最後の時を迎えようとしていた」
医者を手で制する魔王
魔王「もうよい」
魔王「アルベルスはおるか?」
アルベルス「はい! ここにいます魔王様」
≪page2≫
従者の中から出てくる青年。周りの従者と比べると弱弱しい見た目
魔王「これを受け取ってくれ」
魔王が胸に手を当てると、光の弾が現れる。
それをアルベルスのほうへと差し出した。
魔族1「そ、それは力の根源!?」
魔族2「なぜアルベルスなんかに? 力なきものが受け入れれば命を落としますぞ!」
ざわざわと驚く周りの魔族たち
魔王「教育係としてわが娘を幼いころから見守ってきたそなたになら、この力を任せられる」
≪page3≫
躊躇して下がろうとするアルベルス。
そんなアルベルスをじっと見つめる魔王が口を開く。
魔王「娘のことを頼む」
その言葉に立ち止まるアルベルス。
そして魔王から光を受け取ると、それを自分の胸へと取り込んでいく。
アルベルス「グッ、ガァッ!」
胸を押さえ苦しむアルベルス。
その様子を心配そうに見守る魔王。
≪page4≫
魔王「任せたぞ。我が娘と魔族の未来を……」
力の根源を渡した腕が力なくベッドに落ちる
〇黒背景
ナレ「長きにわたり魔族を束ね導いてきた最も偉大なる魔王。
ルシウド・ベアエルの生涯は幕を閉じたのだった」
≪page5≫
〇場所:魔王の玉座
いかにも強そうなモンスターたちが集まる玉座。
玉座の右側にはアルベルスの姿も。
全員が頭を垂れる中、玉座から新たな魔王が歩いてくる
(足元だけ見せて、まだキャラは見せない)
雷が落ちる中、ゆっくりと皆の前へと進み出た魔王(ここまでは重苦しい雰囲気)
ババーンと新たな魔王の誕生を宣言する
魔王の全体絵が初めて見える。(コメディー系のイメージで)
≪page6≫
魔王「今日この時より、私が貴様らを導く魔王である!」
幼い見た目で、自身満々に魔族へと宣言する魔王。
ナレ「新たなる魔王 ニーニャ・ベアエル 9歳」
≪page7≫
魔王「わーはっはっは! ――ゲホッゴホッ」
高笑いでせき込む魔王
そんな様子をあきれながら見ているアルベルス。
筋肉が発達し、弱弱しかった見た目から成長している
主人公「魔王様……」
ナレ「魔王の右腕 アルベルス・ヴィータ」
魔族たちに向かい手ぶり羽振りで説明する魔王
≪page8≫
ナレ「人間と魔族が存在する世界」
ナレ「先代魔王の力により、一時の平和を手に入れたこの世界に」
ナレ「新たな魔王が誕生したのである」
≪page9≫
・タイトルロゴの表示
≪page10≫
〇場所:森
ナレ「クヴェレの森」
深い森の中を逃げ回っている女性。
息を切らしながらも、必死で森を駆け抜けていく。
冒険者「もう! なんで私がこんな目に!」
冒険者の後ろからは木をなぎ倒しながら走ってくる魔物の姿が。
≪page11≫
熊の魔物「グワアアアア!」
逃げる冒険者が木の根に足を引っかけ、転んでしまう。
冒険者「キャッ!?」
転んだところに熊の魔物が追い付いてくる。
慌てて起き上がる冒険者。
クマの魔物は目の前まで迫ってきていた。
≪page12≫
冒険者「クッ……一人でだって戦えるんだから!」
逃げることをあきらめて、短剣をもち魔物へと切りかかる。
だが、魔物の攻撃で吹き飛ばされ木に激突する。
ぐったりと地面に倒れた冒険者。
そこへさらに魔物が攻撃を加えようとしたとき。
≪page13≫
魔王「そこまでだ!」
魔王の登場で魔物の動きが止まる。
声の方へ顔を向けた冒険者。
冒険者「お、女の子!? ここは危ないから早く逃げて!」
魔王「逃げるわけなかろう! まあ任せておれ」
≪page14≫
魔王がゆっくりと歩いてきて、魔物と冒険者の間へと入っていく
魔王「魔物よ。無駄な争いは止めて引け! 今ならば見逃してやる!」
熊の魔物「グアアアアアアアア!」
魔物が魔王へと攻撃しようと腕を振り上げる
魔王「愚か者め。しばらくおとなしくしておれ!」
≪page14≫
魔王「魔力同調:根源たる火よ我が手に集え!【ファイアボール】!」
魔王の手から火の玉が飛び出して魔物へと飛んで行く。
小さな火の玉はふにゃふにゃとした軌道でゆっくり魔物へと飛んで行き……
ペシッと魔物にはたかれ消えてしまう(コメディシーン)
魔王「へ?」
≪page15≫
【……】と一瞬場が固まる魔王と魔物。
熊の魔物「グガア!」
そんな魔物の声で我に返り、急いで逃げ始める魔王。
魔王「ぬわあああああああ」
ナレ「ニーニャ・ベアエル またの名を【最弱の魔王】」
≪page16≫
魔物が腕を振り上げると、慌てた魔王がアルベルスの名前を呼ぶ
魔王「あ、アルー!」
魔物の腕が振るわれると、ドンという音と同時に、助けに入ったアルベルスが
ロングソードで魔物の攻撃を食い止めていた。
アルベルス「だから勝手にどこかへ行かないでって言ったんですよ」
魔物の攻撃を受け止めているにもかかわらず、涼しい顔のアルベルス。
≪page17≫
そのまま熊の魔物を蹴り飛ばした。
アルベルス「まったく……ケガはないですか?」
魔王「ああ問題ない。だがまさか、私の魔法が効かないほどの魔物がこんなところにいるとはな」
アルベルス「いや、魔王様が弱いんです……ってそっちの方は?」
冒険者へ目を向けるアルベルス
≪page18≫
冒険者「ノエル・ピオーネ。冒険者です」
魔王「私が助けに来なければ今ごろあいつの腹の中だったがな」
ふふん、と胸をはる魔王
アルベルス「でも、僕が来なかったら危なかったですよね?」
魔王「何を言うか、私ならなんとでもできた!」
怒る魔王、それをやれやれと見守るアル。
魔王「それより、その魔物まだやる気のようだぞ」
≪page19≫
立ち上がりアルベルスをにらむ魔物
魔物「グウウウ……」
アルベルス「二人は下がっててください」
アルベルスが魔物へ手をかざすと、周囲に五つの炎弾が浮かび上がる。
アルベルス「時力同調:【ファイアボール】」
そしてアルベルスが手を振ると炎弾が撃ちだされる。
≪page20≫
魔物「ウガアア…………」
魔王が使ったものとは比べ物にならない威力の攻撃を受け倒れる魔物。
驚くノエル
ノエル「ワイルドベアをあっさり倒すなんてすごい威力!」
ノエル「それに詠唱もしてなかったよね……」
魔王「うむ、上出来だ!」
≪page21≫
そして魔王が魔物の死体へと近づいていく。
じ~っと魔物の死体を観察する魔王。
魔王「この魔物、魔族領にしか生息していない種類だな……」
魔王「やはり、魔族の行動が制御できていないのか」
深刻そうな表情を浮かべる魔王
そんな様子をみているアル。
アルベルス(内心)「やっぱり、魔王様の判断は間違ってなかったんだ……」
≪page1≫
〇場所:魔王の寝室
大きなベッドで横になる魔王。周りには表情の暗い従者や魔族たち。
医師が魔王の腕を取り、その容体を確認している。
ナレ「人と魔族の世に平穏をもたらした魔王【ルシウド・ベアエル】」
ナレ「強大な力と聡明な頭脳を用い、人と魔族の世界に平和を築き上げた功労者」
ナレ「そんな偉大な魔王が、最後の時を迎えようとしていた」
医者を手で制する魔王
魔王「もうよい」
魔王「アルベルスはおるか?」
アルベルス「はい! ここにいます魔王様」
≪page2≫
従者の中から出てくる青年。周りの従者と比べると弱弱しい見た目
魔王「これを受け取ってくれ」
魔王が胸に手を当てると、光の弾が現れる。
それをアルベルスのほうへと差し出した。
魔族1「そ、それは力の根源!?」
魔族2「なぜアルベルスなんかに? 力なきものが受け入れれば命を落としますぞ!」
ざわざわと驚く周りの魔族たち
魔王「教育係としてわが娘を幼いころから見守ってきたそなたになら、この力を任せられる」
≪page3≫
躊躇して下がろうとするアルベルス。
そんなアルベルスをじっと見つめる魔王が口を開く。
魔王「娘のことを頼む」
その言葉に立ち止まるアルベルス。
そして魔王から光を受け取ると、それを自分の胸へと取り込んでいく。
アルベルス「グッ、ガァッ!」
胸を押さえ苦しむアルベルス。
その様子を心配そうに見守る魔王。
≪page4≫
魔王「任せたぞ。我が娘と魔族の未来を……」
力の根源を渡した腕が力なくベッドに落ちる
〇黒背景
ナレ「長きにわたり魔族を束ね導いてきた最も偉大なる魔王。
ルシウド・ベアエルの生涯は幕を閉じたのだった」
≪page5≫
〇場所:魔王の玉座
いかにも強そうなモンスターたちが集まる玉座。
玉座の右側にはアルベルスの姿も。
全員が頭を垂れる中、玉座から新たな魔王が歩いてくる
(足元だけ見せて、まだキャラは見せない)
雷が落ちる中、ゆっくりと皆の前へと進み出た魔王(ここまでは重苦しい雰囲気)
ババーンと新たな魔王の誕生を宣言する
魔王の全体絵が初めて見える。(コメディー系のイメージで)
≪page6≫
魔王「今日この時より、私が貴様らを導く魔王である!」
幼い見た目で、自身満々に魔族へと宣言する魔王。
ナレ「新たなる魔王 ニーニャ・ベアエル 9歳」
≪page7≫
魔王「わーはっはっは! ――ゲホッゴホッ」
高笑いでせき込む魔王
そんな様子をあきれながら見ているアルベルス。
筋肉が発達し、弱弱しかった見た目から成長している
主人公「魔王様……」
ナレ「魔王の右腕 アルベルス・ヴィータ」
魔族たちに向かい手ぶり羽振りで説明する魔王
≪page8≫
ナレ「人間と魔族が存在する世界」
ナレ「先代魔王の力により、一時の平和を手に入れたこの世界に」
ナレ「新たな魔王が誕生したのである」
≪page9≫
・タイトルロゴの表示
≪page10≫
〇場所:森
ナレ「クヴェレの森」
深い森の中を逃げ回っている女性。
息を切らしながらも、必死で森を駆け抜けていく。
冒険者「もう! なんで私がこんな目に!」
冒険者の後ろからは木をなぎ倒しながら走ってくる魔物の姿が。
≪page11≫
熊の魔物「グワアアアア!」
逃げる冒険者が木の根に足を引っかけ、転んでしまう。
冒険者「キャッ!?」
転んだところに熊の魔物が追い付いてくる。
慌てて起き上がる冒険者。
クマの魔物は目の前まで迫ってきていた。
≪page12≫
冒険者「クッ……一人でだって戦えるんだから!」
逃げることをあきらめて、短剣をもち魔物へと切りかかる。
だが、魔物の攻撃で吹き飛ばされ木に激突する。
ぐったりと地面に倒れた冒険者。
そこへさらに魔物が攻撃を加えようとしたとき。
≪page13≫
魔王「そこまでだ!」
魔王の登場で魔物の動きが止まる。
声の方へ顔を向けた冒険者。
冒険者「お、女の子!? ここは危ないから早く逃げて!」
魔王「逃げるわけなかろう! まあ任せておれ」
≪page14≫
魔王がゆっくりと歩いてきて、魔物と冒険者の間へと入っていく
魔王「魔物よ。無駄な争いは止めて引け! 今ならば見逃してやる!」
熊の魔物「グアアアアアアアア!」
魔物が魔王へと攻撃しようと腕を振り上げる
魔王「愚か者め。しばらくおとなしくしておれ!」
≪page14≫
魔王「魔力同調:根源たる火よ我が手に集え!【ファイアボール】!」
魔王の手から火の玉が飛び出して魔物へと飛んで行く。
小さな火の玉はふにゃふにゃとした軌道でゆっくり魔物へと飛んで行き……
ペシッと魔物にはたかれ消えてしまう(コメディシーン)
魔王「へ?」
≪page15≫
【……】と一瞬場が固まる魔王と魔物。
熊の魔物「グガア!」
そんな魔物の声で我に返り、急いで逃げ始める魔王。
魔王「ぬわあああああああ」
ナレ「ニーニャ・ベアエル またの名を【最弱の魔王】」
≪page16≫
魔物が腕を振り上げると、慌てた魔王がアルベルスの名前を呼ぶ
魔王「あ、アルー!」
魔物の腕が振るわれると、ドンという音と同時に、助けに入ったアルベルスが
ロングソードで魔物の攻撃を食い止めていた。
アルベルス「だから勝手にどこかへ行かないでって言ったんですよ」
魔物の攻撃を受け止めているにもかかわらず、涼しい顔のアルベルス。
≪page17≫
そのまま熊の魔物を蹴り飛ばした。
アルベルス「まったく……ケガはないですか?」
魔王「ああ問題ない。だがまさか、私の魔法が効かないほどの魔物がこんなところにいるとはな」
アルベルス「いや、魔王様が弱いんです……ってそっちの方は?」
冒険者へ目を向けるアルベルス
≪page18≫
冒険者「ノエル・ピオーネ。冒険者です」
魔王「私が助けに来なければ今ごろあいつの腹の中だったがな」
ふふん、と胸をはる魔王
アルベルス「でも、僕が来なかったら危なかったですよね?」
魔王「何を言うか、私ならなんとでもできた!」
怒る魔王、それをやれやれと見守るアル。
魔王「それより、その魔物まだやる気のようだぞ」
≪page19≫
立ち上がりアルベルスをにらむ魔物
魔物「グウウウ……」
アルベルス「二人は下がっててください」
アルベルスが魔物へ手をかざすと、周囲に五つの炎弾が浮かび上がる。
アルベルス「時力同調:【ファイアボール】」
そしてアルベルスが手を振ると炎弾が撃ちだされる。
≪page20≫
魔物「ウガアア…………」
魔王が使ったものとは比べ物にならない威力の攻撃を受け倒れる魔物。
驚くノエル
ノエル「ワイルドベアをあっさり倒すなんてすごい威力!」
ノエル「それに詠唱もしてなかったよね……」
魔王「うむ、上出来だ!」
≪page21≫
そして魔王が魔物の死体へと近づいていく。
じ~っと魔物の死体を観察する魔王。
魔王「この魔物、魔族領にしか生息していない種類だな……」
魔王「やはり、魔族の行動が制御できていないのか」
深刻そうな表情を浮かべる魔王
そんな様子をみているアル。
アルベルス(内心)「やっぱり、魔王様の判断は間違ってなかったんだ……」