作品のメインテーマ:
どの登場人物も過去や現在の立場に囚われている。
食事とは毎日必要な行為にもかかわらず、多くの人にとって平凡な日常の一コマにしかすぎない。
そこにダージュ&セリナの斬新な料理によって変化をもたらすことで、他キャラたちが普段気付かなかった視点を得ることができる。

新しい変化をもたらす風となるのが主人公の役目。
同時に主人公自身の成長も描く。
物語の冒頭では『変化は悪いことじゃない』と信じていた。
旅先で人々の生き様や葛藤を自身の目で見届けたことで、『変化は良いことだけではない』と身をもって知ることになる。
そこで初めて、祖父の優しさや苦悩を理解することとなる。
最期には祖父と和解し、次代のハイエルフとなった主人公は新たなエルフの里を作って民を導いていく。



四話以降のプロット:
ダージュは祖父リセルカや世界樹に死期に近付いていることをセリナに打ち明ける。
命を繋ぐためにも、世界のどこかにある万能薬が必要だった。
彼が持つ本によると、その万能薬こそがグルメの種なのだという。
了解したセリナと共にさっそく出発したところで、洞窟の中に封印されていた精霊獣を発見する。

モフモフ兎のヴォーパルバニーを仲間にした二人は、グルメの種を求めて様々な国を巡ることになる。
資金稼ぎのために街で屋台を出したり、エルフを神と崇める宗教国家の女教皇にダージュが拉致されたりと波乱に満ちた冒険を続けていく二人。
女教皇からグルメの種に関する情報を得たダージュたち一行は、魔族が支配する大陸南部の地下世界へと向かう。
そこでは魔王は滅ぼすべきと妄信する勇者や、孤独に悩む心優しき魔王などと出逢うことになる。
食事を通して交流を深め、それぞれの心のわだかまりを解消していく。

旅は順調に進むかと思われたが、戦争商人であるシードマンの登場。
ダージュは帝国と獣王国の戦争に関与することになる。

シードマンの陰謀を止めることに成功したが、結果的にダージュは初めて人を死に追いやることになる。
「自分が里を出なければ、多くの人は死ななかったんじゃないか?」
ここにきて、自分のしてきたことの正当性に疑問を持ち始める。

落ち込んでいてもお腹は空く。
ヒロインに食事を作ってもらい、これまで出逢った人たちのことを思い出し、立ち直る。

グルメの種のヒントがある孤島、ロストギアに向けて海賊の船で出港する。
仲間となった海賊の船長が途中で重傷を負ったりするも、どうにかロストギアへ辿り着く。

ロストギアのワープ装置を使い、仙人のいる空中底辺へと飛ぶ。
そこで世界の真実を知り、旅の答えを仙人に尋ねられる。
ダージュとセリナは意見をぶつけ合い、喧嘩となる。
最終的に互いに一つの答えを導き出したダージュはとうとうグルメの種を生み出した。

あらためて祖父と向き合うことを決意したダージュは、エルフの里へと帰還するのであった。