「おはよーアリス」
「おはよん」
「アリスちゃんおはよう」
「んっおーっす」
学校が近付くと、同じ制服を着た奴らが、男女問わずにアリスに挨拶して行く。
その横に、こんなにも大きな存在の俺が歩いているんだが、みんなの視界には全く入ってない。
たまに視界に入ると、顔を歪めて目を逸らす。
何だその態度は、傷付くぞ。
だがこれがアヴェルの日常だった。
そしてこの後、クラスが別なので「じゃあアベル様また後でね」っとアリスが俺の側を離れて行くと集中攻撃が始まるんだ。
アリスの奴、「学校ではアベル様呼びはやめろ」っとあれ程言ったのに、全然治ってねーじゃねーか。
俺が下を向き教室へと歩いていると。
「おい~白豚? 何無視して行こうとしてんだよ?」
「俺達の前を通る時の挨拶は、土下座だろ?」
「あっそうそう俺さ。昼メシ買う金ねーんだわ。食堂でパン買っといて」
はぁ……早速だな。コイツら三人も葛井達と一緒になって俺をイジメている奴ら。
俺が全裸にされた時、楽しそうに写真を撮ってやがった。
「おいっ白豚! 何無視してんだよっ」
何も反応しなかったのが苛立ったのか、いきなり胸ぐらを掴んで来た。
「地面に頭を擦り付けて謝れ!」
「はぁ……何で? 悪い事してないし」
掴まれていた胸ぐらから手を無理やりどけた。
「イダっ!? えっ?」
まさかそんな態度を取られるなんて、思いもよらなかったんだろう。
三人はポカンっと固まる。
「しっ!? 白豚のくせにっ。そんな態度をとって良いいと思ってるのか」
「別に……どんな態度を取ろうが、お前らの許可はいらないと思うが?」
コイツらに構っている時間が勿体無い。
その場を去ろうとすると。
「今日は別人みたいだな」
「昨日は泣いて豚の出荷だけは許して下さいって、地面に頭擦り付けてたの誰だっけ?」
「そうだえ~。コレコレ!」
ニヤニヤと笑いながら、携帯の画像を見せてくる。
そこには腹に【百円から競りスタート】っと書かれた、真っ裸の姿で横たわる俺が写っていた。
正直見てて良いもんじゃねえ。
このせいで、アヴェルは自殺まで追い込まれたんだ。
「お仕置きが必要だな」
俺は雷魔法を小さな声で詠唱し、三人の携帯電話を暴発させた。
「うわっ!?」
「何だ!? テロ!?」
「買ったばっかなのに?」
携帯が暴発した事で、三人は俺どころじゃなくなったみたいだ。
粉々になった携帯の破片を半泣きで拾い集めている。
ククッ もうその携帯は使い物になんねーよ。中も粉々に粉砕してやったからな。
俺は教室へと歩き出した。
★★★
教室の中に入ると、騒がしかったクラスが一瞬だけ静まり返り
みんなの視線が俺に集まる。
そんなに注目してくんなくても、良いんだが。
奥で葛井達が、俺の様子を静かに見ているのがわかる。
流石に昨日の今日だからな。絡んでこないか。
佐田の足にはギブスが巻いてある。あの後病院に行ったのかもな。
いつもなら真っ先に絡んでくる葛井達が、今日は何も俺にしかけて来ないので、不思議に思ったクラスメイトの一人が「葛井~? 今日はこの豚をどんな風に調理する?」っと話しかける。
「…………今日はそんな気分じゃねぇ」
葛井はそうポツリと言うと、何も喋らなくなった。
横にいる佐田と右崎も同じく喋らない。
「変な葛井」
その様子に不思議そうに首を傾げている。
「まぁ良いか。今日は一限目から体育だからな。白豚も頑張ってくれよ?」
「そうそう! サッカーの試合だよな。コイツと同じチームは嫌だな。負け確じゃん」
「もーそんな事言ったら可哀想だよ? キャハ」
クラスメイト達が楽しそうに話している。
バスケやサッカーの試合の時は、俺の惨めな姿を見て笑うのが、コイツらの定番だからな。
「おいっ! 今日は一組と合同体育らしいぜ」
一人の男が慌てて教室に入ってきた。
「えっ? じゃあ。東雲さんと一緒?!」
「アリスちゃんが一緒とか! ヤベェー良いとこ見せないと」
クラスの奴らが盛り上がっているが……アリスのクラスと合同体育?
何だろう。
嫌な予感しかしないのは。
「おはよん」
「アリスちゃんおはよう」
「んっおーっす」
学校が近付くと、同じ制服を着た奴らが、男女問わずにアリスに挨拶して行く。
その横に、こんなにも大きな存在の俺が歩いているんだが、みんなの視界には全く入ってない。
たまに視界に入ると、顔を歪めて目を逸らす。
何だその態度は、傷付くぞ。
だがこれがアヴェルの日常だった。
そしてこの後、クラスが別なので「じゃあアベル様また後でね」っとアリスが俺の側を離れて行くと集中攻撃が始まるんだ。
アリスの奴、「学校ではアベル様呼びはやめろ」っとあれ程言ったのに、全然治ってねーじゃねーか。
俺が下を向き教室へと歩いていると。
「おい~白豚? 何無視して行こうとしてんだよ?」
「俺達の前を通る時の挨拶は、土下座だろ?」
「あっそうそう俺さ。昼メシ買う金ねーんだわ。食堂でパン買っといて」
はぁ……早速だな。コイツら三人も葛井達と一緒になって俺をイジメている奴ら。
俺が全裸にされた時、楽しそうに写真を撮ってやがった。
「おいっ白豚! 何無視してんだよっ」
何も反応しなかったのが苛立ったのか、いきなり胸ぐらを掴んで来た。
「地面に頭を擦り付けて謝れ!」
「はぁ……何で? 悪い事してないし」
掴まれていた胸ぐらから手を無理やりどけた。
「イダっ!? えっ?」
まさかそんな態度を取られるなんて、思いもよらなかったんだろう。
三人はポカンっと固まる。
「しっ!? 白豚のくせにっ。そんな態度をとって良いいと思ってるのか」
「別に……どんな態度を取ろうが、お前らの許可はいらないと思うが?」
コイツらに構っている時間が勿体無い。
その場を去ろうとすると。
「今日は別人みたいだな」
「昨日は泣いて豚の出荷だけは許して下さいって、地面に頭擦り付けてたの誰だっけ?」
「そうだえ~。コレコレ!」
ニヤニヤと笑いながら、携帯の画像を見せてくる。
そこには腹に【百円から競りスタート】っと書かれた、真っ裸の姿で横たわる俺が写っていた。
正直見てて良いもんじゃねえ。
このせいで、アヴェルは自殺まで追い込まれたんだ。
「お仕置きが必要だな」
俺は雷魔法を小さな声で詠唱し、三人の携帯電話を暴発させた。
「うわっ!?」
「何だ!? テロ!?」
「買ったばっかなのに?」
携帯が暴発した事で、三人は俺どころじゃなくなったみたいだ。
粉々になった携帯の破片を半泣きで拾い集めている。
ククッ もうその携帯は使い物になんねーよ。中も粉々に粉砕してやったからな。
俺は教室へと歩き出した。
★★★
教室の中に入ると、騒がしかったクラスが一瞬だけ静まり返り
みんなの視線が俺に集まる。
そんなに注目してくんなくても、良いんだが。
奥で葛井達が、俺の様子を静かに見ているのがわかる。
流石に昨日の今日だからな。絡んでこないか。
佐田の足にはギブスが巻いてある。あの後病院に行ったのかもな。
いつもなら真っ先に絡んでくる葛井達が、今日は何も俺にしかけて来ないので、不思議に思ったクラスメイトの一人が「葛井~? 今日はこの豚をどんな風に調理する?」っと話しかける。
「…………今日はそんな気分じゃねぇ」
葛井はそうポツリと言うと、何も喋らなくなった。
横にいる佐田と右崎も同じく喋らない。
「変な葛井」
その様子に不思議そうに首を傾げている。
「まぁ良いか。今日は一限目から体育だからな。白豚も頑張ってくれよ?」
「そうそう! サッカーの試合だよな。コイツと同じチームは嫌だな。負け確じゃん」
「もーそんな事言ったら可哀想だよ? キャハ」
クラスメイト達が楽しそうに話している。
バスケやサッカーの試合の時は、俺の惨めな姿を見て笑うのが、コイツらの定番だからな。
「おいっ! 今日は一組と合同体育らしいぜ」
一人の男が慌てて教室に入ってきた。
「えっ? じゃあ。東雲さんと一緒?!」
「アリスちゃんが一緒とか! ヤベェー良いとこ見せないと」
クラスの奴らが盛り上がっているが……アリスのクラスと合同体育?
何だろう。
嫌な予感しかしないのは。