【輪廻転生双魂】とは魂が生まれ変わる時、同じ時と世界に二つの魂が転生できると云われている古代神聖魔法。
使う時に術者が死んでしまうので、禁忌魔法とされている。
アリスティアはその禁忌魔法を使って、俺と同じ世界に転生して来たんだと言う。
伝承で伝えられてはいたが、本当に出来るなんて……。
「私はね? 生まれた時から前世の記憶を持っていて、お隣にアベル様が同い年で誕生していた事に気付いた時は、歓喜の絶叫をしたんだから……ふふ」
アリスティアが遠い目をして、幼き日のことを教えてくれるんだが。
「そ……そうか」
「だって前世ではこの年の差が、どれほど大きな障害としてついて回ったか! それがないなんて! ああっ最高すぎ……っと。ゲフン」
何だろう……聞けば聞くほどに、何とも言えない気持ちになるのは。
「なのに当のアベル様は、前世のことなんて全く覚えてないし、見た目もブクブクと肥え太って行くしで……まぁ正直見た目は、アベル様ならどんな姿でも良いんだけど」
最後に怖いことを言われた気もするが、スルーしておこう。
この世界のアリスが、幼き頃から俺につきまとっていた訳がやっと分かった。
前世の記憶を幼い時から持っていたからなんだ。
なのにアヴェルはそれに振り回されて、もしかして俺のこと好なのかも? とかまで思った時もあったな。
だがアリスと自分のレベルの差に、中学生の時に気づいて愕然とし、自ら離れて行ったんだよな。
だが当のアリスは、そんなアヴェルの気持ちなどさておき。
なりふり構わず関わりを持とうとして来るから、分不相応だと思いながらも、アヴェルはアリスに対する気持ちを、諦めきれずにいたんだよな。
だが今の俺はアヴェルであって、アベルでもある。
……そんなアヴェルの気持ちも分かるし、前世の記憶も入り混じりアリスティアに対して、正直何とも言えない感情になっている。
「とりあえずだ。もう遅いしアリスも部屋に戻れ」
「ええ~。一緒に添い寝しても良いんだよ?」
「ぶっ! なっ何言ってんだよ」
その見た目で変な事を言わないでくれ!
「はい。さっさと部屋に帰る」
俺はアリスをベランダに追いやった。
「む~。おやすみアベル様」
「おっおう」
アリスは渋々部屋に戻っていった。
窓の鍵をちゃんと閉めると。
はぁーーーーーっ。
大きなため息の後、俺はベットにダイブした。
今日は一日が長かったなぁ。
イジメられて、自殺して、前世思い出して、ちょっとだけやり返して、聖女に再会する。
おいおい何だこの濃密な一日は。
そして恐ろしい事を思い出す。
「………そういえば身体強化解いてなかった」
恐る恐る身体強化を解くと。
「あがっ!」
恐ろしい激痛と怠さで俺は意識を失った。
★★★
「…………うん? もう朝か?」
燦々と照りつける朝日が眩しくて目が覚める。
いつの間に寝て?
そうだった意識を失って、そのまま朝まで寝ちゃってたのか。
……?
右肩に違和感があるな。左肩に比べ明らかに重たい。
何となく右肩に触れると、サラッと明らかに自分の髪の毛ではない滑らかな髪の感触が……!?
「へっ?」
目を凝らしてみると、アリスが俺の右肩を枕にし、気持ちよさそうに眠っていた。
「ちょーっ!?」
驚きのあまり、慌ててベットから飛び起きた。
いきなり枕が消えたので、その衝撃でアリスが目を覚ます。
まだ眠そうに目を擦りながら。
「おまっあっ……アリス! なんで俺のベットで寝てるんだよ」
「……? ふあっ……そんな今更。前世でも何回も一緒に寝た仲じゃない。ふふ♡」
アリスが背伸びをしながら、変な言い回しで返してくる。
……前世のお前は、腹を出して横で寝てただけだろ。何かあったみたいに言うな。
ってか寝る前に、俺……窓の鍵閉めたよな?
何でコイツが入って来れるんだ?
「お前どうやってこの部屋に?」
「どうやって? 神聖魔法で?」
アリスが指をピンっと動かすと、鍵が閉まった。
神聖魔法をしょうもない事に使うなよ。
「アベル様を起こしに来たんだけど、気持ち良さそうに眠ってたからつい一緒に寝ちゃった」
そう言った後、ぺろっと舌を出すアリス。
あざといと分かっていても、可愛いので何も言えずに許してしまう。
「じゃっまた後でね? 着替えたら一緒に学校に行こうね」
そう言ってアリスは部屋に帰っていった。
「はぁ~……」
朝からどっと疲れた。
アリスが迎えにくる前に、先に学校行こうかな。
使う時に術者が死んでしまうので、禁忌魔法とされている。
アリスティアはその禁忌魔法を使って、俺と同じ世界に転生して来たんだと言う。
伝承で伝えられてはいたが、本当に出来るなんて……。
「私はね? 生まれた時から前世の記憶を持っていて、お隣にアベル様が同い年で誕生していた事に気付いた時は、歓喜の絶叫をしたんだから……ふふ」
アリスティアが遠い目をして、幼き日のことを教えてくれるんだが。
「そ……そうか」
「だって前世ではこの年の差が、どれほど大きな障害としてついて回ったか! それがないなんて! ああっ最高すぎ……っと。ゲフン」
何だろう……聞けば聞くほどに、何とも言えない気持ちになるのは。
「なのに当のアベル様は、前世のことなんて全く覚えてないし、見た目もブクブクと肥え太って行くしで……まぁ正直見た目は、アベル様ならどんな姿でも良いんだけど」
最後に怖いことを言われた気もするが、スルーしておこう。
この世界のアリスが、幼き頃から俺につきまとっていた訳がやっと分かった。
前世の記憶を幼い時から持っていたからなんだ。
なのにアヴェルはそれに振り回されて、もしかして俺のこと好なのかも? とかまで思った時もあったな。
だがアリスと自分のレベルの差に、中学生の時に気づいて愕然とし、自ら離れて行ったんだよな。
だが当のアリスは、そんなアヴェルの気持ちなどさておき。
なりふり構わず関わりを持とうとして来るから、分不相応だと思いながらも、アヴェルはアリスに対する気持ちを、諦めきれずにいたんだよな。
だが今の俺はアヴェルであって、アベルでもある。
……そんなアヴェルの気持ちも分かるし、前世の記憶も入り混じりアリスティアに対して、正直何とも言えない感情になっている。
「とりあえずだ。もう遅いしアリスも部屋に戻れ」
「ええ~。一緒に添い寝しても良いんだよ?」
「ぶっ! なっ何言ってんだよ」
その見た目で変な事を言わないでくれ!
「はい。さっさと部屋に帰る」
俺はアリスをベランダに追いやった。
「む~。おやすみアベル様」
「おっおう」
アリスは渋々部屋に戻っていった。
窓の鍵をちゃんと閉めると。
はぁーーーーーっ。
大きなため息の後、俺はベットにダイブした。
今日は一日が長かったなぁ。
イジメられて、自殺して、前世思い出して、ちょっとだけやり返して、聖女に再会する。
おいおい何だこの濃密な一日は。
そして恐ろしい事を思い出す。
「………そういえば身体強化解いてなかった」
恐る恐る身体強化を解くと。
「あがっ!」
恐ろしい激痛と怠さで俺は意識を失った。
★★★
「…………うん? もう朝か?」
燦々と照りつける朝日が眩しくて目が覚める。
いつの間に寝て?
そうだった意識を失って、そのまま朝まで寝ちゃってたのか。
……?
右肩に違和感があるな。左肩に比べ明らかに重たい。
何となく右肩に触れると、サラッと明らかに自分の髪の毛ではない滑らかな髪の感触が……!?
「へっ?」
目を凝らしてみると、アリスが俺の右肩を枕にし、気持ちよさそうに眠っていた。
「ちょーっ!?」
驚きのあまり、慌ててベットから飛び起きた。
いきなり枕が消えたので、その衝撃でアリスが目を覚ます。
まだ眠そうに目を擦りながら。
「おまっあっ……アリス! なんで俺のベットで寝てるんだよ」
「……? ふあっ……そんな今更。前世でも何回も一緒に寝た仲じゃない。ふふ♡」
アリスが背伸びをしながら、変な言い回しで返してくる。
……前世のお前は、腹を出して横で寝てただけだろ。何かあったみたいに言うな。
ってか寝る前に、俺……窓の鍵閉めたよな?
何でコイツが入って来れるんだ?
「お前どうやってこの部屋に?」
「どうやって? 神聖魔法で?」
アリスが指をピンっと動かすと、鍵が閉まった。
神聖魔法をしょうもない事に使うなよ。
「アベル様を起こしに来たんだけど、気持ち良さそうに眠ってたからつい一緒に寝ちゃった」
そう言った後、ぺろっと舌を出すアリス。
あざといと分かっていても、可愛いので何も言えずに許してしまう。
「じゃっまた後でね? 着替えたら一緒に学校に行こうね」
そう言ってアリスは部屋に帰っていった。
「はぁ~……」
朝からどっと疲れた。
アリスが迎えにくる前に、先に学校行こうかな。