おっ。早速やって来たな。
ダンジョンに入って初の獲物は、ホーンラビットのようだ。ウサギの姿をした魔獣。
素早い動きで、頭に生えているツノを使って器用に刺してくるFランク魔獣。
俺は紅蓮と雹牙を連れて、邪魔にならないように端に避ける。
———さて。妖狐族のお手並み拝見と行きましょうか。
「ほう……ウサギの魔獣ですか。黄河! あなた一人で大丈夫ですよね?」
爺さんが側近の一人に声をかける。
「ふんっ。余裕だ」
どうやら。ムキムキマッチョの出番のようだな。
どんな力があるのか見せてもらおうか。
「おおーっと! これはウサギの姿をした魔獣が登場ですね! 頭のツノが鋭利に尖り輝いていますね。さてどう闘うのでしょうか」
久留米もえが少し大袈裟に煽る。
そんな様子をアリスが器用にいろんな角度から撮っている。初めてカメラを持つくせに、さすがアリスというか簡単になんでも使いこなすな。
そんな俺の考えてることが分かったのか、アリスは顎を少し上げて、こっちを見まがらドヤって来た。
———ふふふ? アベル様ったら、私の才能に感動しちゃった? そんなぽやっとした顔で見惚れちゃって。
「なっ!?」
誰がぽやっとした顔だ。
頭に中に話しかけてくるな! ったく。
おっとアリスのせいで見逃すところだった。
再びマッチョ男に目を向けると。
ムキムキ男の黄河は数個の小石を拾いおもむろに投げた。
あれは身体強化してるな、特に右腕か。
数個の石は五匹のホーンラビットの頭に命中し、そのままパタリと絶命した。
なかなかの威力と命中率だ。
「おっしゃあああああっ! どうだっ」
黄河が勝利の雄叫びを上げる。
絶命したホーンラビットに走って行くと、みんなを呼ぶように手招きする。
「これが魔石です」
集まったみんなに、魔石を取り出し見せる。
「なるほどなるほど!」
爺さん達がそれを興奮気味にじっと見つめる。そんな爺さん達に分かるように説明を続けていく。
「魔物の心臓は魔石と言われ、この石には色んな効果があるみたいですよ」
「ほう……もしかしたらダイアモンド以上の価値があるかもしれないですね」
爺さんは魔石を手に取り、うっとりと見つめる。
俺は討伐したホーンラビットから、どうやって魔石を取り出すのかを皆に教える。
それを見た爺さん達は、興味津々と言った感じで食い入るように俺の手先に注目する。
そんな姿を、久留米もえがカメラ越しに見てる人達にも分かりやすく伝えていく。
するとすぐにやり方を覚え、二匹目からは側近の青木さんがささっと魔石を取り出していた。「ふふ僕ね、料理が得意なんだ」っと笑いながら魔石を取り出していく。
……猟奇的に見えるのは俺だけなんだろうか?
この後もホーンラビットレベルの魔獣しか現れない。どうやらこの階層はさほど強い魔獣がいないのかも知れない。
そう爺さんに話すと、「この階層にカメラを取り付けても良いかもですね」と言った後。携帯電話で外にいる仲間にカメラを取り付けるように指示していた。
後にこのダンジョンを、一般市民にも開放する予定なんだとか。
もちろん、誰でも入れる訳ではなく。入るためにはある程度の強さ基準を設けると言っていた。
カメラは何かあった時に、すぐに対処できるようにするためなんだとか。
なるほどな。だからあんなに武装した男がいたのか。
★★★
「今日はここまでですかね。如月様の教えのおかげで、大収穫でした」
爺さんと側近が俺に向かってお辞儀をする。
「役に立てたなら、よかったっす」
この日は五階層まで潜って地上に出た。
五階層までは、出る魔獣のレベル全てFランクといった低ランクだったのと、なんと五階層にワープゾーンがあり、地上に出れたのだ。
ワープゾーンの説明などをするために、一度みんなで魔法陣から地上に出ると。
なんと。朝に入ったはずなのに、もう夕方になっていた。
もしかしたらこのダンジョンは、時の経過が地上と違う時間軸なのかも知れない。
だってこの俺がまだ腹が減ってない。
爺さん達はこの後。魔石の研究をするのだと言っていた。
魔石は付与すれば色んな効果を生むのだが、その説明には魔法の事を言わないといけない。なので俺からは何も言わなかった。
これについてはアリスと要相談だ。
次に潜るのは一週間後だと爺さんから頼まれた。次からは強い魔獣もでそうなので気を引き締めて潜らないと。
爺さんは今日撮った映像を編集し、明日にはTV放送もするとも言っていた。
ダンジョン騒動が激しさを増しそうだ。
ダンジョンに入って初の獲物は、ホーンラビットのようだ。ウサギの姿をした魔獣。
素早い動きで、頭に生えているツノを使って器用に刺してくるFランク魔獣。
俺は紅蓮と雹牙を連れて、邪魔にならないように端に避ける。
———さて。妖狐族のお手並み拝見と行きましょうか。
「ほう……ウサギの魔獣ですか。黄河! あなた一人で大丈夫ですよね?」
爺さんが側近の一人に声をかける。
「ふんっ。余裕だ」
どうやら。ムキムキマッチョの出番のようだな。
どんな力があるのか見せてもらおうか。
「おおーっと! これはウサギの姿をした魔獣が登場ですね! 頭のツノが鋭利に尖り輝いていますね。さてどう闘うのでしょうか」
久留米もえが少し大袈裟に煽る。
そんな様子をアリスが器用にいろんな角度から撮っている。初めてカメラを持つくせに、さすがアリスというか簡単になんでも使いこなすな。
そんな俺の考えてることが分かったのか、アリスは顎を少し上げて、こっちを見まがらドヤって来た。
———ふふふ? アベル様ったら、私の才能に感動しちゃった? そんなぽやっとした顔で見惚れちゃって。
「なっ!?」
誰がぽやっとした顔だ。
頭に中に話しかけてくるな! ったく。
おっとアリスのせいで見逃すところだった。
再びマッチョ男に目を向けると。
ムキムキ男の黄河は数個の小石を拾いおもむろに投げた。
あれは身体強化してるな、特に右腕か。
数個の石は五匹のホーンラビットの頭に命中し、そのままパタリと絶命した。
なかなかの威力と命中率だ。
「おっしゃあああああっ! どうだっ」
黄河が勝利の雄叫びを上げる。
絶命したホーンラビットに走って行くと、みんなを呼ぶように手招きする。
「これが魔石です」
集まったみんなに、魔石を取り出し見せる。
「なるほどなるほど!」
爺さん達がそれを興奮気味にじっと見つめる。そんな爺さん達に分かるように説明を続けていく。
「魔物の心臓は魔石と言われ、この石には色んな効果があるみたいですよ」
「ほう……もしかしたらダイアモンド以上の価値があるかもしれないですね」
爺さんは魔石を手に取り、うっとりと見つめる。
俺は討伐したホーンラビットから、どうやって魔石を取り出すのかを皆に教える。
それを見た爺さん達は、興味津々と言った感じで食い入るように俺の手先に注目する。
そんな姿を、久留米もえがカメラ越しに見てる人達にも分かりやすく伝えていく。
するとすぐにやり方を覚え、二匹目からは側近の青木さんがささっと魔石を取り出していた。「ふふ僕ね、料理が得意なんだ」っと笑いながら魔石を取り出していく。
……猟奇的に見えるのは俺だけなんだろうか?
この後もホーンラビットレベルの魔獣しか現れない。どうやらこの階層はさほど強い魔獣がいないのかも知れない。
そう爺さんに話すと、「この階層にカメラを取り付けても良いかもですね」と言った後。携帯電話で外にいる仲間にカメラを取り付けるように指示していた。
後にこのダンジョンを、一般市民にも開放する予定なんだとか。
もちろん、誰でも入れる訳ではなく。入るためにはある程度の強さ基準を設けると言っていた。
カメラは何かあった時に、すぐに対処できるようにするためなんだとか。
なるほどな。だからあんなに武装した男がいたのか。
★★★
「今日はここまでですかね。如月様の教えのおかげで、大収穫でした」
爺さんと側近が俺に向かってお辞儀をする。
「役に立てたなら、よかったっす」
この日は五階層まで潜って地上に出た。
五階層までは、出る魔獣のレベル全てFランクといった低ランクだったのと、なんと五階層にワープゾーンがあり、地上に出れたのだ。
ワープゾーンの説明などをするために、一度みんなで魔法陣から地上に出ると。
なんと。朝に入ったはずなのに、もう夕方になっていた。
もしかしたらこのダンジョンは、時の経過が地上と違う時間軸なのかも知れない。
だってこの俺がまだ腹が減ってない。
爺さん達はこの後。魔石の研究をするのだと言っていた。
魔石は付与すれば色んな効果を生むのだが、その説明には魔法の事を言わないといけない。なので俺からは何も言わなかった。
これについてはアリスと要相談だ。
次に潜るのは一週間後だと爺さんから頼まれた。次からは強い魔獣もでそうなので気を引き締めて潜らないと。
爺さんは今日撮った映像を編集し、明日にはTV放送もするとも言っていた。
ダンジョン騒動が激しさを増しそうだ。