「そんな所に突っ立っていないで、こちらに座ってくれたまえ」
爺さんが手招きして俺とアリスを呼び寄せる。
———アベル様、このお爺さん鑑定して見て! 凄いんだけど。
アリスが心の声で話しかけて来た。なかなか賢いな。
どれどれ確認してみるか。
—————————————
名前 獅子王 仁
種族 妖狐族
獅子王コーポレーション CEO
全国に子会社を持つマンモス企業
日本政界の裏ボス
妖狐族のボス
——————————————
「はあっ!?」
「ンンッ」
「だっ!?」
急に大声出したんで、アリスに足を踏まれる。
———アベル様! 声が大きい。
———すまね。ビックリしちゃってさ。妖狐族って……コイツら人族じゃなかったのかよ。
———だねぇ。妖狐族だなんて、この世界にもいたんだね。
———ああ。だけど俺らが思う、前世の知ったる妖狐とは違うかもだがな?
———だね。
「どうしましたか?」
俺とアリスが立ち止まったままなので、不思議そうに俺たちを見る妖狐ジジイ。そんな人の良さそうな顔で笑ってもな? 俺は騙されねーぞ。お前人じゃないの知ってるからな?
チラリとアリスを見てアイコンタクトをとる。
———座るかアリス
———うん。
俺とアリスは、柳木さんが座っている横に座る。爺さんとは対面に座った。
「改めて、私の大事な孫娘のもえを救って頂きありがとうございます」
爺さんが再び俺とアリスに頭を下げる。
「いやっ、当然のことをしたまでで……」
「いやいや……普通はあんな得体の知れない生き物に平然と立ち向かう事なんて出来ませんよ。《《普通の人なら》》ね」
クソッ。やっぱり俺の事を探ってやがるな。たぬきジジイいやっ妖狐ジジイか。
「そうですかね? 俺には言っている意味がよく分かりません」
「……なるほど」
妖狐ジジイは黒尽くめの男に何やら話しかける、すると黒尽くめの男は頷き柳木さんを連れて部屋を出て行った。
「これで本心を話してくれますか? あなたは日本に突如として現れたダンジョンについて、詳しく知っていますよね」
そう言ってニコリと口角上げ俺に向かって微笑んだ。……目が笑ってねえ。
「お互い腹を割って話しませんか? 私の事はもう分かっているんでしょう? 妖狐族だと」
「えっ!? おっお爺ちゃん!? ナナナっ何を言ってるの!?」
爺さんがそう言うと横に座っていた……ええと。久留米もえの方が動揺して立ち上がる。
「……もえよ。落ち着きなさい。このお方は【鑑定】か【神眼】かどちらかを使って、我らの事など全て調ているよ」
「え!?」
「私はね? 如月様がこの部屋に入った時に、鑑定で見ようとしたんだよ。でも彼の情報は全く見れなかった。その横にいるお嬢さん東雲様もね」
「えっ……お爺ちゃんが!?」
「そうこれが何を意味するのか、もえなら分かるよね?」
「……私達とレベルが桁違いに違う。お爺ちゃんが見れないなんて……そんな」
久留米もえは、俺たちの事を呆然と見つめる。
「もえを助けてくれた画像を見た時は、まさかこれ程の実力者だとは思わなかった。我々はとんでもない人物を招き入れてしまったのですね」
「いやいや。俺もアリスも普通の高校生だ」
「そうですか……正体は簡単に教えてもらえませんか。私どもにはそれを追求することも出来ませんからね。ただお願いがあります。この国……日本を救うためにヒーローになってくれませんか?」
そう言って再び頭を深々と下げた。
「———はあ!?」
ヒーローになってくれって!? 何を言ってるんだ?
そんなの迷うわけない。
断るに決まってる。
爺さんが手招きして俺とアリスを呼び寄せる。
———アベル様、このお爺さん鑑定して見て! 凄いんだけど。
アリスが心の声で話しかけて来た。なかなか賢いな。
どれどれ確認してみるか。
—————————————
名前 獅子王 仁
種族 妖狐族
獅子王コーポレーション CEO
全国に子会社を持つマンモス企業
日本政界の裏ボス
妖狐族のボス
——————————————
「はあっ!?」
「ンンッ」
「だっ!?」
急に大声出したんで、アリスに足を踏まれる。
———アベル様! 声が大きい。
———すまね。ビックリしちゃってさ。妖狐族って……コイツら人族じゃなかったのかよ。
———だねぇ。妖狐族だなんて、この世界にもいたんだね。
———ああ。だけど俺らが思う、前世の知ったる妖狐とは違うかもだがな?
———だね。
「どうしましたか?」
俺とアリスが立ち止まったままなので、不思議そうに俺たちを見る妖狐ジジイ。そんな人の良さそうな顔で笑ってもな? 俺は騙されねーぞ。お前人じゃないの知ってるからな?
チラリとアリスを見てアイコンタクトをとる。
———座るかアリス
———うん。
俺とアリスは、柳木さんが座っている横に座る。爺さんとは対面に座った。
「改めて、私の大事な孫娘のもえを救って頂きありがとうございます」
爺さんが再び俺とアリスに頭を下げる。
「いやっ、当然のことをしたまでで……」
「いやいや……普通はあんな得体の知れない生き物に平然と立ち向かう事なんて出来ませんよ。《《普通の人なら》》ね」
クソッ。やっぱり俺の事を探ってやがるな。たぬきジジイいやっ妖狐ジジイか。
「そうですかね? 俺には言っている意味がよく分かりません」
「……なるほど」
妖狐ジジイは黒尽くめの男に何やら話しかける、すると黒尽くめの男は頷き柳木さんを連れて部屋を出て行った。
「これで本心を話してくれますか? あなたは日本に突如として現れたダンジョンについて、詳しく知っていますよね」
そう言ってニコリと口角上げ俺に向かって微笑んだ。……目が笑ってねえ。
「お互い腹を割って話しませんか? 私の事はもう分かっているんでしょう? 妖狐族だと」
「えっ!? おっお爺ちゃん!? ナナナっ何を言ってるの!?」
爺さんがそう言うと横に座っていた……ええと。久留米もえの方が動揺して立ち上がる。
「……もえよ。落ち着きなさい。このお方は【鑑定】か【神眼】かどちらかを使って、我らの事など全て調ているよ」
「え!?」
「私はね? 如月様がこの部屋に入った時に、鑑定で見ようとしたんだよ。でも彼の情報は全く見れなかった。その横にいるお嬢さん東雲様もね」
「えっ……お爺ちゃんが!?」
「そうこれが何を意味するのか、もえなら分かるよね?」
「……私達とレベルが桁違いに違う。お爺ちゃんが見れないなんて……そんな」
久留米もえは、俺たちの事を呆然と見つめる。
「もえを助けてくれた画像を見た時は、まさかこれ程の実力者だとは思わなかった。我々はとんでもない人物を招き入れてしまったのですね」
「いやいや。俺もアリスも普通の高校生だ」
「そうですか……正体は簡単に教えてもらえませんか。私どもにはそれを追求することも出来ませんからね。ただお願いがあります。この国……日本を救うためにヒーローになってくれませんか?」
そう言って再び頭を深々と下げた。
「———はあ!?」
ヒーローになってくれって!? 何を言ってるんだ?
そんなの迷うわけない。
断るに決まってる。