「お前……アベル様ってその言葉は……わっぷ」質問しようとしたら、俺の言葉を遮る様にアリスが抱きついてきた。
「やぁーっと前世の記憶を思い出してくれた! ずっと待ってたんだよ」
俺の首に両手を回し、上目遣いで見てくる美少女。
これはどう考えてもヤバイだろ! 前世の記憶が戻る前の俺アヴェルは、コイツの事を密かに好きだったんだ。中学に上がってからコミュ症が酷くなったせいで、あまり話はしてないが。
これはアヴェルの感情に引きずられているのか、心臓がドキドキしてうるさい。
「ちょっ!? 離してくれ!」
ドキドキした状況に耐えられなくなった俺は、首に回した両腕を無理やり引き剥がすと、ソファーに再び座らせた。
「アリス、とりあえず説明が先だろ?」
「むぅ~……せっかく再会の喜びを噛み締めてたのにぃ」
アリスが口を尖らせ、ぶつぶつと文句を言っている。そんな姿まで可愛い。
頼むから急に抱きつくのはやめてくれ。
「それで? お前は何者だ? アリスじゃないのか?」
「んん~? アリスだよ? 今世ではね?」
「……今世?」
「そう。アベル様と同じで、異世界転生したんだよ」
えへへっと、アリスが小首を傾げて可愛く笑うが、俺は全く笑えねぇ。
コイツは何で、俺が異世界転生した事を知ってるんだ?
俺はさっき前世の記憶を、思い出したばかりだぞ?
「……………………お前は誰だ?」
「ええ~わかって貰えないか。悲しいなぁ」
ソファーの背もたれにボスッともたれかかると。
「アリスティアだよ。一緒に魔王討伐の旅に出ていた聖女のアリスティア」
…………え。
「アリスティア? …………だと」
「うふふ。思い出してくれた?」
アリスが意味深に俺を見つめる。
アリスティアは希代の聖女と言われ、歴代最高聖女として名を馳せていた。
魔王討伐の時もアリスティアの神聖魔法にどれだけ助けられた事か。
ただチョット……コイツには残念な所があって。
やたらと俺の着替えをのぞいたり、気が付いたら俺のベットに潜り込んで来たりと……変わった趣味があり……。それにどれだけ困らされた事か。
それだけ聞くと何が困るんだ? 羨ましいじゃねーか! なんて思われそうだが、前世の俺は二十八歳。アリスティアは十三歳と俺の半分以下。
さらにコイツはハーフエルフと言う人種なのもあり、見た目は五~六歳児くらいの幼女にしか見えない。それのどこにトキメキを感じろと? どう考えても無理がある。
そんなアリスティアが、何故俺と同じように日本に転生していて、さらには俺がアベルだと気付いてるんだ?
意味が分からない。
「なぁ……アリスティア? お前はどうやって、俺がアベルの生まれ変わりだと分かったんだ?」
俺がそう質問すると、アリスティアの目が輝きを増し
「そんな事、私からすれば造作もない事! アベル様の頭ポンの感触を、間違うわけが無いでしょう!
頭に触れた指や掌のタイミング、重力など全てがアベル様のソレだったもの」
熱く語ってくれるのだが。
ええと……頭ポンってのはなんだ?
俺には何が言いたいのか、全く伝わってこないぞ?
「……ゲフンッ。ではアベル様の記憶も戻った事だし、アベル様が知らないお話をしよっか」
アリスティアは少し頬を赤らめると、俺が死んでから前世で何が起こったのかを話し出した。
「まず、アベル様が毒殺されたと分かったのは、アベル様が亡くなった翌日。エメラメ皇女様の寝室で惨たらしい姿で発見されました」
「ああ……俺はエメラメ達に殺されたからな」
俺がそう言うと、アリスティアは唇をギュッと噛み締める。
「やっぱりね。でも相手が国の第一皇女だったから、その事について問える者などいる訳もなくて、うやむやに終わった。その一週間後に、エメラメ皇女とギールが結婚式を挙げた時は、流石にあの二人を神聖魔法で殺してやろうとも思ったけど………再びブラッドムーンが現れたの。だから殺すのはやめた」
「血の月ブラッドムーンだと!?」
「うん」
【血の月ブラッドムーン】とは魔界と人間界が近付く時に現れる大きな赤い月の事。
だが俺が魔王を討伐した事により、ブラッドムーンは現れなくなったはず。
「まさか!? 魔王は死んでいなかったのか!?」
「そうなの。魔王はかろうじて生き延びていたの。それを側近の魔族四天王が蘇らせた。そしてブラッドムーンの日に大勢の死霊を引き連れ魔王がやって来た。なぜなら魔王は、アベル様が死んでいる事を知っていたから」
「そんな!? じゃあ王国はどうなったんだ!?」
「う~ん? 滅びたんじゃない?」
そんな事どうでも良いって感じでアリスティアが話す。
「まさか……!?」
「うふふ。そう。アベル様の居ない世界なんて、生きている意味が無いもの。だから禁忌の神聖魔法《《輪廻転生リンネテンセイ双魂ソウルツイン》を唱えて死んじゃった。てへ♡」
「おっおまっ! てへ♡じゃねーよっ」
そんな事に禁忌の神聖魔法を使ってどーするんだよ。
「だって~アベル様と同じ世界に転生するためにはこの方法しかなくって」
と言ってアリスティアはぺろっと舌を出した。
「やぁーっと前世の記憶を思い出してくれた! ずっと待ってたんだよ」
俺の首に両手を回し、上目遣いで見てくる美少女。
これはどう考えてもヤバイだろ! 前世の記憶が戻る前の俺アヴェルは、コイツの事を密かに好きだったんだ。中学に上がってからコミュ症が酷くなったせいで、あまり話はしてないが。
これはアヴェルの感情に引きずられているのか、心臓がドキドキしてうるさい。
「ちょっ!? 離してくれ!」
ドキドキした状況に耐えられなくなった俺は、首に回した両腕を無理やり引き剥がすと、ソファーに再び座らせた。
「アリス、とりあえず説明が先だろ?」
「むぅ~……せっかく再会の喜びを噛み締めてたのにぃ」
アリスが口を尖らせ、ぶつぶつと文句を言っている。そんな姿まで可愛い。
頼むから急に抱きつくのはやめてくれ。
「それで? お前は何者だ? アリスじゃないのか?」
「んん~? アリスだよ? 今世ではね?」
「……今世?」
「そう。アベル様と同じで、異世界転生したんだよ」
えへへっと、アリスが小首を傾げて可愛く笑うが、俺は全く笑えねぇ。
コイツは何で、俺が異世界転生した事を知ってるんだ?
俺はさっき前世の記憶を、思い出したばかりだぞ?
「……………………お前は誰だ?」
「ええ~わかって貰えないか。悲しいなぁ」
ソファーの背もたれにボスッともたれかかると。
「アリスティアだよ。一緒に魔王討伐の旅に出ていた聖女のアリスティア」
…………え。
「アリスティア? …………だと」
「うふふ。思い出してくれた?」
アリスが意味深に俺を見つめる。
アリスティアは希代の聖女と言われ、歴代最高聖女として名を馳せていた。
魔王討伐の時もアリスティアの神聖魔法にどれだけ助けられた事か。
ただチョット……コイツには残念な所があって。
やたらと俺の着替えをのぞいたり、気が付いたら俺のベットに潜り込んで来たりと……変わった趣味があり……。それにどれだけ困らされた事か。
それだけ聞くと何が困るんだ? 羨ましいじゃねーか! なんて思われそうだが、前世の俺は二十八歳。アリスティアは十三歳と俺の半分以下。
さらにコイツはハーフエルフと言う人種なのもあり、見た目は五~六歳児くらいの幼女にしか見えない。それのどこにトキメキを感じろと? どう考えても無理がある。
そんなアリスティアが、何故俺と同じように日本に転生していて、さらには俺がアベルだと気付いてるんだ?
意味が分からない。
「なぁ……アリスティア? お前はどうやって、俺がアベルの生まれ変わりだと分かったんだ?」
俺がそう質問すると、アリスティアの目が輝きを増し
「そんな事、私からすれば造作もない事! アベル様の頭ポンの感触を、間違うわけが無いでしょう!
頭に触れた指や掌のタイミング、重力など全てがアベル様のソレだったもの」
熱く語ってくれるのだが。
ええと……頭ポンってのはなんだ?
俺には何が言いたいのか、全く伝わってこないぞ?
「……ゲフンッ。ではアベル様の記憶も戻った事だし、アベル様が知らないお話をしよっか」
アリスティアは少し頬を赤らめると、俺が死んでから前世で何が起こったのかを話し出した。
「まず、アベル様が毒殺されたと分かったのは、アベル様が亡くなった翌日。エメラメ皇女様の寝室で惨たらしい姿で発見されました」
「ああ……俺はエメラメ達に殺されたからな」
俺がそう言うと、アリスティアは唇をギュッと噛み締める。
「やっぱりね。でも相手が国の第一皇女だったから、その事について問える者などいる訳もなくて、うやむやに終わった。その一週間後に、エメラメ皇女とギールが結婚式を挙げた時は、流石にあの二人を神聖魔法で殺してやろうとも思ったけど………再びブラッドムーンが現れたの。だから殺すのはやめた」
「血の月ブラッドムーンだと!?」
「うん」
【血の月ブラッドムーン】とは魔界と人間界が近付く時に現れる大きな赤い月の事。
だが俺が魔王を討伐した事により、ブラッドムーンは現れなくなったはず。
「まさか!? 魔王は死んでいなかったのか!?」
「そうなの。魔王はかろうじて生き延びていたの。それを側近の魔族四天王が蘇らせた。そしてブラッドムーンの日に大勢の死霊を引き連れ魔王がやって来た。なぜなら魔王は、アベル様が死んでいる事を知っていたから」
「そんな!? じゃあ王国はどうなったんだ!?」
「う~ん? 滅びたんじゃない?」
そんな事どうでも良いって感じでアリスティアが話す。
「まさか……!?」
「うふふ。そう。アベル様の居ない世界なんて、生きている意味が無いもの。だから禁忌の神聖魔法《《輪廻転生リンネテンセイ双魂ソウルツイン》を唱えて死んじゃった。てへ♡」
「おっおまっ! てへ♡じゃねーよっ」
そんな事に禁忌の神聖魔法を使ってどーするんだよ。
「だって~アベル様と同じ世界に転生するためにはこの方法しかなくって」
と言ってアリスティアはぺろっと舌を出した。