ダンジョン騒動からあっと言う間に時が立ち、はや一週間が経とうとしていた。
渋谷に突如として現れたダンジョンは【SHIBUYA✖️✖️✖️】などど命名され連日ニュースやネットを賑わせている。
渋谷区の一部は今も閉鎖され、誰も入る事ができない。
ダンジョンの入り口には、厳重な囲いが作られ。
簡単に出入り出来ないようになっている。この前気配を消してこっそり除いてみたら、武装した奴らがダンジョンに入っていた。国からの指令なのかもな。秘密裏に調べているんだろう。
俺の知っている知識を教えてやりたいが、なぜお前が未知なるダンジョンついて、そんなに詳しいんだ? などど質問攻めにあっても嫌なので、申し訳ないがアドバイスは出来ない。
まだ情報は一般人には、なにも解禁されていない。だからネットで様々な噂が飛び交っている。
なんせ一瞬で約三千人もの命が奪われたのだ。初めは特撮だとか映画の宣伝だろ? などどほざいていた奴らも、この死者の数を聞いて慄き騒然となった。
今は早く情報を解禁しろと、連日デモがどこかしらで発生している。
俺はと言うと、この騒動で当分の間学校が休みになったので、家で何をするでもなく、ダラダラと過ごしていた。
———今日までは。
そう。今日はある話題でネットが大荒れ。
ネットにとある映像が上がると、ものすごい勢いで拡散され出したのだ。
その映像というのが大問題。何故ならその映像は……俺が偶然女の子をオークから救った映像。
それがなぜか拡散され出したのだ。
#ヒーローを探せ!
などどハッシュタグを付けて。
どうみてもこの映像は、道路などに取り付けられた、防犯カメラの映像。普通に出回る筈はないと思うんだが……。
……すぐに。
#ヒーローを探せ!
#ヒーロー発見!
#謎のモデルA
#アレクサンダー専属モデル
#イケメンヒーローとか神!
このせいで、モデル事務所とアレクサンダーの事務所は、俺に関する問い合わせの電話が鳴り止まない。仕事に支障が出るほどに。
一番の原因は助けた女にあった。
俺は知らなかったが、ネットアイドルとしてかなり有名な女の子だったらしい。
その女【久留米もえ】が私を助けてくれたヒーローを探して! などとネットで言いやがったから。
俺は一躍有名人となってしまったのだ。
こんな事になるのなら、助けなかったら良かったとか、少しだけ思ってしまった。
さっき柳木さんから連絡があり、しばらく外出は控えるようにと言われたし。
もちろんアリスも。
俺よりもアリスの方がヤバイかもしれない。アリスの情報はある程度解禁されている。学校だってバレているからな。
学校が当分休みになってくれて良かったぜ。
「あははっ! 今日も琥珀は可愛いなぁ♡ ワレに任せるでちだって!」
「ったく。そのアニメほんっと好きだな? そんなに面白いか?」
「この良さが分からないなんてアベル様はまだまだ子供だね?」
「なんでだよっ!」
ったく俺の心配をよそに、呑気にアニメ見て寛いでくれちゃって。
ここは俺の部屋ですよ?
リリリリッ♪
「あれ? また柳木さんだ? どうしたんだろ? もうっ今いい所なのになぁ。琥珀ぅちょっと待っててね」
アリスは一時停止ボタンを押してから、電話に出る。そんなにそのアニメ見たい?
「はいアリスです。お世話になってます。……え? 今からですか? そんな急にっ。は? 家の外?」
アリスは電話で話をしながら、ベランダの方まで歩き窓から外を覗く。
「本当にいる!! …………分かりました。アベル様と一緒に乗ればいいんですね」
アリスは電話を切るとベットに向かってボフンっとダイブした。
「はぁ……アベル様の匂い……癒される」
何を言ってるんデスカネ?
「アリス? 柳木さんから何言われたんだ?」
そう聞くと。アリスは俺の布団に顔を埋めながら、ベランダを指差す。
俺もベランダから外を見ろと?
立ち上がり外を見ると、高そうな黒塗りのベンツが二台アリスの家の前に停っていた。
なんだあれ?
「おいっアリスの家の前にベンツが……」
「……………その車に乗って、今からバークベイホテルに来てくれって。事務所はテレビカメラや取材陣でいっぱいみたいだから」
「はっ? だって俺さっき外出は控えるようにって柳木さんから言われたばっかだぞ?」
「うん。そうなんだけど……電話越しでも分かるくらい柳木さん困ってて……そんなの分かってて、今から行くって。最悪案件なの分かるじゃん! はぁ……行きたくないなぁ」
アリスはそう言うと、再び俺の布団にもぐり「アベル様の匂いで癒されるんだ!」などどほざいている。
何をしてるんだ。
だがその意見に関しては、俺も同意だな。面倒ごとにワザワザ巻き込まれに行くなんて誰がしたい? そんな奴がいたら教えてくれ。
だがお迎えの車は来ているわけで、これはもう避けようがないな。
こう言うのは後回しにした方がより最悪な事になるってのが常だからな。
すっごく嫌だが……用意するか。
「アリス。お前も着替えてこい。その服装でホテルに行く気か」
「……………むぅ! 分かってるも」
アリスは口を膨らませ渋々部屋へと戻った。
「何着ようかな。とりあえず貰った服でいいか」
デザイナーのマーティンが服を沢山くれたからな。これも俺が着てウロウロするだけで、宣伝になるからとか言ってたんだが。ダンジョン騒動でウロウロ出来なくなっちまったな。
渋谷に突如として現れたダンジョンは【SHIBUYA✖️✖️✖️】などど命名され連日ニュースやネットを賑わせている。
渋谷区の一部は今も閉鎖され、誰も入る事ができない。
ダンジョンの入り口には、厳重な囲いが作られ。
簡単に出入り出来ないようになっている。この前気配を消してこっそり除いてみたら、武装した奴らがダンジョンに入っていた。国からの指令なのかもな。秘密裏に調べているんだろう。
俺の知っている知識を教えてやりたいが、なぜお前が未知なるダンジョンついて、そんなに詳しいんだ? などど質問攻めにあっても嫌なので、申し訳ないがアドバイスは出来ない。
まだ情報は一般人には、なにも解禁されていない。だからネットで様々な噂が飛び交っている。
なんせ一瞬で約三千人もの命が奪われたのだ。初めは特撮だとか映画の宣伝だろ? などどほざいていた奴らも、この死者の数を聞いて慄き騒然となった。
今は早く情報を解禁しろと、連日デモがどこかしらで発生している。
俺はと言うと、この騒動で当分の間学校が休みになったので、家で何をするでもなく、ダラダラと過ごしていた。
———今日までは。
そう。今日はある話題でネットが大荒れ。
ネットにとある映像が上がると、ものすごい勢いで拡散され出したのだ。
その映像というのが大問題。何故ならその映像は……俺が偶然女の子をオークから救った映像。
それがなぜか拡散され出したのだ。
#ヒーローを探せ!
などどハッシュタグを付けて。
どうみてもこの映像は、道路などに取り付けられた、防犯カメラの映像。普通に出回る筈はないと思うんだが……。
……すぐに。
#ヒーローを探せ!
#ヒーロー発見!
#謎のモデルA
#アレクサンダー専属モデル
#イケメンヒーローとか神!
このせいで、モデル事務所とアレクサンダーの事務所は、俺に関する問い合わせの電話が鳴り止まない。仕事に支障が出るほどに。
一番の原因は助けた女にあった。
俺は知らなかったが、ネットアイドルとしてかなり有名な女の子だったらしい。
その女【久留米もえ】が私を助けてくれたヒーローを探して! などとネットで言いやがったから。
俺は一躍有名人となってしまったのだ。
こんな事になるのなら、助けなかったら良かったとか、少しだけ思ってしまった。
さっき柳木さんから連絡があり、しばらく外出は控えるようにと言われたし。
もちろんアリスも。
俺よりもアリスの方がヤバイかもしれない。アリスの情報はある程度解禁されている。学校だってバレているからな。
学校が当分休みになってくれて良かったぜ。
「あははっ! 今日も琥珀は可愛いなぁ♡ ワレに任せるでちだって!」
「ったく。そのアニメほんっと好きだな? そんなに面白いか?」
「この良さが分からないなんてアベル様はまだまだ子供だね?」
「なんでだよっ!」
ったく俺の心配をよそに、呑気にアニメ見て寛いでくれちゃって。
ここは俺の部屋ですよ?
リリリリッ♪
「あれ? また柳木さんだ? どうしたんだろ? もうっ今いい所なのになぁ。琥珀ぅちょっと待っててね」
アリスは一時停止ボタンを押してから、電話に出る。そんなにそのアニメ見たい?
「はいアリスです。お世話になってます。……え? 今からですか? そんな急にっ。は? 家の外?」
アリスは電話で話をしながら、ベランダの方まで歩き窓から外を覗く。
「本当にいる!! …………分かりました。アベル様と一緒に乗ればいいんですね」
アリスは電話を切るとベットに向かってボフンっとダイブした。
「はぁ……アベル様の匂い……癒される」
何を言ってるんデスカネ?
「アリス? 柳木さんから何言われたんだ?」
そう聞くと。アリスは俺の布団に顔を埋めながら、ベランダを指差す。
俺もベランダから外を見ろと?
立ち上がり外を見ると、高そうな黒塗りのベンツが二台アリスの家の前に停っていた。
なんだあれ?
「おいっアリスの家の前にベンツが……」
「……………その車に乗って、今からバークベイホテルに来てくれって。事務所はテレビカメラや取材陣でいっぱいみたいだから」
「はっ? だって俺さっき外出は控えるようにって柳木さんから言われたばっかだぞ?」
「うん。そうなんだけど……電話越しでも分かるくらい柳木さん困ってて……そんなの分かってて、今から行くって。最悪案件なの分かるじゃん! はぁ……行きたくないなぁ」
アリスはそう言うと、再び俺の布団にもぐり「アベル様の匂いで癒されるんだ!」などどほざいている。
何をしてるんだ。
だがその意見に関しては、俺も同意だな。面倒ごとにワザワザ巻き込まれに行くなんて誰がしたい? そんな奴がいたら教えてくれ。
だがお迎えの車は来ているわけで、これはもう避けようがないな。
こう言うのは後回しにした方がより最悪な事になるってのが常だからな。
すっごく嫌だが……用意するか。
「アリス。お前も着替えてこい。その服装でホテルに行く気か」
「……………むぅ! 分かってるも」
アリスは口を膨らませ渋々部屋へと戻った。
「何着ようかな。とりあえず貰った服でいいか」
デザイナーのマーティンが服を沢山くれたからな。これも俺が着てウロウロするだけで、宣伝になるからとか言ってたんだが。ダンジョン騒動でウロウロ出来なくなっちまったな。