渋谷に再び戻ると、アリスがダンジョンの前に一人立っていた。
周りには何も無いというか、紅蓮達が蹴散らした魔物の残骸も無い。
どういうことだ? 急いでアリスの元に走っていく。
「アリス! 大丈夫か?」
「アベル様。なんで新宿辺りにいたの?」
「えっ? なんでって……どうしてそれを知ってるんだ?」
「それはアベル様追跡システムのおかげで、いつでもどこに居るかわかるから。えっへん」
得意げにそう話すアリス。
いやアリスよ? 前世の時からそのシステム使っていたけどな? 怖えよ。
「で? 何してたの?」
「いやっオークに襲われていた子を助けて、その後新宿にまで送って行ってたんだ」
「……ふぅん。そうなんだ」
「ん? なんだ?」
「あっううん。|《はぁ……また無自覚にその子をタラシたに違いない。前世の時だって、男女問わずに無自覚にタラしまくるから、邪魔するのどれだけ苦労したと思ってるのよ。太ったままで良かったのに。これじゃまた前世の繰り返しだわ》」
アリスが自分の世界に入り、ブツブツと何か独り言を言っている。こんな時は触れずにそっとしとくに限る。
俺が新宿から渋谷に戻ろうとした時。
渋谷周辺には入れないように封鎖され、誰も近付けないようになっていた。
まぁそうしないと危険だしな。なので転移してきたんだが。
テレビを見た人達が興味本位に渋谷に入ろうと集まり、人だかりが出来ていて、それを機動隊が入れないように必死で抑えていた。
危険だから近付くなと言われているのに、野次馬ってのは集まって来るんだよな。
本当に死ぬかもしれないのに、危機感が全くない。まぁ実際に起こった事だとみんな理解できないんだろう。
だがこれからは否が応でも理解しないとダメになるだろうが。
これから日本……はどうなるんだ?
もし……前世の世界みたいになったら?
平和ボケした奴らばっかりだ。日本は滅びてしまうんじゃ。
「アベル様? どうしたの? 急に考え込んで」
いつのまにか冷静になったアリスが俺の顔を覗き込んでいた。
「いやっ。この世界は今後どうなるのかな……と考えてしまって」
「……確かにね。もう今まで見たいな平穏な生活は出来ないかもだね」
「「……………」」
ついこの先の事を考えて、二人して黙り込んでしまった。
「あっそうだ。ここにあった、沢山の魔物の死骸はどうしたんだ?」
「それなら神聖魔法を使って全て浄化したよ。魔石はもちろん頂きましたわよ」
アリスがぺろっと舌を出し。魔石をジャラッと見せる。
「はは。さすがですな」
「それと、ダンジョンからこれ以上魔物が出てこないように、入り口に結界を張っていたの。もう溢れ出てくる事はこれでないよ。安心してね。でも中に入るといっぱい魔物がいるけどね」
そうか。だからさっき、ダンジョン前で立ってたのか。
その時に結界を張ってくれていたんだな。
この短期間にそんな事までやってたなんて……ほんと尊敬する!
「さすがだよアリス」
「ひゃわっ……!」
アリスの頭に手を置いたまま、思わず自分の方に引き寄せてしまった。
「あっごめっ。興奮してっ」
「いっいいよ。…………もっとしてくれてもいいし」
「さてと、警察が集まってきそうだし人が集まる前に帰るか……ん? どうしたアリス?」
ふとアリスを見ると目を閉じていた。
「なっなんでもないよう! アベル様のバカ」
「なんで俺が馬鹿なんだよ?」
「バカはバカなの!」
「なに急に怒ってんだよ? さっきの事を怒ってるのか?」
「はぁ……もう知らないよ!」
そのままアリスはムクれて何も話さなくなった。女心ってのは良くわからん。
周りには何も無いというか、紅蓮達が蹴散らした魔物の残骸も無い。
どういうことだ? 急いでアリスの元に走っていく。
「アリス! 大丈夫か?」
「アベル様。なんで新宿辺りにいたの?」
「えっ? なんでって……どうしてそれを知ってるんだ?」
「それはアベル様追跡システムのおかげで、いつでもどこに居るかわかるから。えっへん」
得意げにそう話すアリス。
いやアリスよ? 前世の時からそのシステム使っていたけどな? 怖えよ。
「で? 何してたの?」
「いやっオークに襲われていた子を助けて、その後新宿にまで送って行ってたんだ」
「……ふぅん。そうなんだ」
「ん? なんだ?」
「あっううん。|《はぁ……また無自覚にその子をタラシたに違いない。前世の時だって、男女問わずに無自覚にタラしまくるから、邪魔するのどれだけ苦労したと思ってるのよ。太ったままで良かったのに。これじゃまた前世の繰り返しだわ》」
アリスが自分の世界に入り、ブツブツと何か独り言を言っている。こんな時は触れずにそっとしとくに限る。
俺が新宿から渋谷に戻ろうとした時。
渋谷周辺には入れないように封鎖され、誰も近付けないようになっていた。
まぁそうしないと危険だしな。なので転移してきたんだが。
テレビを見た人達が興味本位に渋谷に入ろうと集まり、人だかりが出来ていて、それを機動隊が入れないように必死で抑えていた。
危険だから近付くなと言われているのに、野次馬ってのは集まって来るんだよな。
本当に死ぬかもしれないのに、危機感が全くない。まぁ実際に起こった事だとみんな理解できないんだろう。
だがこれからは否が応でも理解しないとダメになるだろうが。
これから日本……はどうなるんだ?
もし……前世の世界みたいになったら?
平和ボケした奴らばっかりだ。日本は滅びてしまうんじゃ。
「アベル様? どうしたの? 急に考え込んで」
いつのまにか冷静になったアリスが俺の顔を覗き込んでいた。
「いやっ。この世界は今後どうなるのかな……と考えてしまって」
「……確かにね。もう今まで見たいな平穏な生活は出来ないかもだね」
「「……………」」
ついこの先の事を考えて、二人して黙り込んでしまった。
「あっそうだ。ここにあった、沢山の魔物の死骸はどうしたんだ?」
「それなら神聖魔法を使って全て浄化したよ。魔石はもちろん頂きましたわよ」
アリスがぺろっと舌を出し。魔石をジャラッと見せる。
「はは。さすがですな」
「それと、ダンジョンからこれ以上魔物が出てこないように、入り口に結界を張っていたの。もう溢れ出てくる事はこれでないよ。安心してね。でも中に入るといっぱい魔物がいるけどね」
そうか。だからさっき、ダンジョン前で立ってたのか。
その時に結界を張ってくれていたんだな。
この短期間にそんな事までやってたなんて……ほんと尊敬する!
「さすがだよアリス」
「ひゃわっ……!」
アリスの頭に手を置いたまま、思わず自分の方に引き寄せてしまった。
「あっごめっ。興奮してっ」
「いっいいよ。…………もっとしてくれてもいいし」
「さてと、警察が集まってきそうだし人が集まる前に帰るか……ん? どうしたアリス?」
ふとアリスを見ると目を閉じていた。
「なっなんでもないよう! アベル様のバカ」
「なんで俺が馬鹿なんだよ?」
「バカはバカなの!」
「なに急に怒ってんだよ? さっきの事を怒ってるのか?」
「はぁ……もう知らないよ!」
そのままアリスはムクれて何も話さなくなった。女心ってのは良くわからん。