「ふふっ見て! ワレは天才でちからぁっだって! 琥珀ってば可愛いよね」
「はいはい。アリスはこのアニメが本当好きだな。ってかなんで俺の部屋で見てるんだ?」
「ええ〜? 一緒に見た方が楽しいじゃん。あっほら! あははっ」
アリスは、クッションを前に抱き、足をバタバタさせながら、楽しそうにアニメを見ている。時折、自分の耳を触ってはヘニャリっと可愛い顔を破顔させながら。
もちろん俺の横にちゃっかり座って。
「なぁアリス。本当にそんなので良かったのか?」
「ええ? 良いに決まってる。最高に幸せだよぅ」
そう言って嬉しそうに手鏡で自分の耳を見る。
「だってアベル様と……初めての体験だよ? 思ってたより痛くなかったね。アベル様は初めてなのに上手だね。えへへ」
「ブッッ!! 変な言い方をするな。一緒にピアスを開けただけだろ?」
口に入れてたコーヒーを、ちょっと吹いちゃったじゃねーか。
「ええ? だってそうじゃん。アベル様が穴を開けてくれたでしょ? それにお揃いのピアスだよ? アベル様が私と同じのを付けてるって思うと、すっごく嬉しいんだ」
「……っ。そうか」
そんな顔で言われたら何だか照れる。
柳木さんからバイト料をもらった後。
アリスに何か買ってりやると約束していたんで「何がいい?」 って聞いたらずっと身につけれるものが良いって言う。しかもオソロで。
二人で話し合った結果、ピアスにした。お互いピアスの穴は開けてなかったんで、魔法で穴を開け。色んな付与を付けた魔石をピアスに加工した。
魔石はダンジョンで沢山手に入れたからな。役に立ったぜ。
色はアリスが青と金が良いと言うので、石の色は深い青と金の色が混ざり合い斑になっている。
変わった配色を選ぶよな……!?
——っ!! それって前世の俺の目の色じゃん。
うわぁぁぁっ。何かわからないが、すっごく恥ずかしくなってきた。
「んん? アベル様どうしたの? 耳まで真っ赤だよ? 暑いの?」
アリスが俺の顔を覗き込んできた。これ以上近寄らないでくれ、余計に顔が熱い。
「なっ何でもないよっ。ほらっアニメ見ないのか?」
アリスの肩を持ち体をテレビに向ける。
顔の火照りが収まらないので、必死に別の事を考える。アヴェルの好きが溢れてるんだこれは。俺の感情じゃない。うんそうだ!
柳木さんからもらったモデル料は結局使わなかった。封筒が分厚いなと思ったら、中に三十万円も入っていた。
アリスが言うには、これは異例の事らしい。普通は一回の撮影でそんなに貰えないと言っていた。あのブランドに関わったからだろうな。
変な外人に気に入られてモデルに抜擢されたが、これは運が相当良かったんだと思う。
これがずっとコレが続くわけ無いので、この先入るモデル料は堅実に貯金しとこう。
「……ベル様!!」
それでたまにご褒美で、美味いもんを食べに行くのも良いな。何が良いかな。
「アベル様ってば!!」
———アベル様を食うかって……え?
目の前にアリスが座り、俺の体を必死に揺らせていた。
「へっあっ? アリス?」
「アベル様! テレビ見て!」
「テレビ?」
言われるがまま、テレビに目を向けると。
「こちら渋谷109前です。突如として現れた巨大な洞窟。109周辺の建物は全て消え去り、巨大な洞窟と化しています。安否不明者、死者は不明っ!? 緑色のっなっなんだあれはぁぁぁぁぁぁぁっ」
ここで映像が途絶えた。
———これはダンジョン!?
「アベル様……あれってダンジョンだよね?」
「だろうな。この前俺が飛ばされたダンジョンとは形が違うけど、前世の《《ソレ》》と相違無い」
「やばいよコレ……現実なんだよね? 映画の映像みたい」
他にも情報は無いのかと、チャンネルを回すと。
「こちら特殊災害対策本部です。渋谷周辺に異常事態発生中。渋谷にいる方は至急避難して下さい。いますぐです。時を争います。こちら特殊災害対策本部です。渋谷を封鎖しまっ……ブッ!」
再びテレビが真っ暗になり、何も映さなくなった。映像を映していた人達が魔物にやられたんだろうか? 逃げ切っていて欲しいと願う。
テレビに映っていた映像は、ダンジョンからゴブリンやオークといった魔物が溢れ出て、好き勝手に人を襲っている。それを機動隊が銃で迎え撃っているんだが、そこで映像が途絶えてしまったので、この後どうなったのか分からない。
コレは……今の映像なんだよな?
「なぁアリス? 俺がダンジョンに潜っていた間ってこんな事あったのか?」
「ううん! 平和だったよ。アベル様がダンジョンに飛ばされたのが嘘なんじゃって思えるほどに」
じゃあコレが二つ目のダンジョンってことか。俺がダンジョンをクリアしたから、新たなダンジョンが登場したんだろうか?
それとは関係なく、コレからどんどんダンジョンが出現するとか?
う〜ん分からん。
家でウダウダ考えている時間があるなら、現地に行った方が早い。
「アリス。渋谷に行くか」
「うん。アベル様なら絶対にそう言うと思った」
——よし渋谷に転移するぞ。
「はいはい。アリスはこのアニメが本当好きだな。ってかなんで俺の部屋で見てるんだ?」
「ええ〜? 一緒に見た方が楽しいじゃん。あっほら! あははっ」
アリスは、クッションを前に抱き、足をバタバタさせながら、楽しそうにアニメを見ている。時折、自分の耳を触ってはヘニャリっと可愛い顔を破顔させながら。
もちろん俺の横にちゃっかり座って。
「なぁアリス。本当にそんなので良かったのか?」
「ええ? 良いに決まってる。最高に幸せだよぅ」
そう言って嬉しそうに手鏡で自分の耳を見る。
「だってアベル様と……初めての体験だよ? 思ってたより痛くなかったね。アベル様は初めてなのに上手だね。えへへ」
「ブッッ!! 変な言い方をするな。一緒にピアスを開けただけだろ?」
口に入れてたコーヒーを、ちょっと吹いちゃったじゃねーか。
「ええ? だってそうじゃん。アベル様が穴を開けてくれたでしょ? それにお揃いのピアスだよ? アベル様が私と同じのを付けてるって思うと、すっごく嬉しいんだ」
「……っ。そうか」
そんな顔で言われたら何だか照れる。
柳木さんからバイト料をもらった後。
アリスに何か買ってりやると約束していたんで「何がいい?」 って聞いたらずっと身につけれるものが良いって言う。しかもオソロで。
二人で話し合った結果、ピアスにした。お互いピアスの穴は開けてなかったんで、魔法で穴を開け。色んな付与を付けた魔石をピアスに加工した。
魔石はダンジョンで沢山手に入れたからな。役に立ったぜ。
色はアリスが青と金が良いと言うので、石の色は深い青と金の色が混ざり合い斑になっている。
変わった配色を選ぶよな……!?
——っ!! それって前世の俺の目の色じゃん。
うわぁぁぁっ。何かわからないが、すっごく恥ずかしくなってきた。
「んん? アベル様どうしたの? 耳まで真っ赤だよ? 暑いの?」
アリスが俺の顔を覗き込んできた。これ以上近寄らないでくれ、余計に顔が熱い。
「なっ何でもないよっ。ほらっアニメ見ないのか?」
アリスの肩を持ち体をテレビに向ける。
顔の火照りが収まらないので、必死に別の事を考える。アヴェルの好きが溢れてるんだこれは。俺の感情じゃない。うんそうだ!
柳木さんからもらったモデル料は結局使わなかった。封筒が分厚いなと思ったら、中に三十万円も入っていた。
アリスが言うには、これは異例の事らしい。普通は一回の撮影でそんなに貰えないと言っていた。あのブランドに関わったからだろうな。
変な外人に気に入られてモデルに抜擢されたが、これは運が相当良かったんだと思う。
これがずっとコレが続くわけ無いので、この先入るモデル料は堅実に貯金しとこう。
「……ベル様!!」
それでたまにご褒美で、美味いもんを食べに行くのも良いな。何が良いかな。
「アベル様ってば!!」
———アベル様を食うかって……え?
目の前にアリスが座り、俺の体を必死に揺らせていた。
「へっあっ? アリス?」
「アベル様! テレビ見て!」
「テレビ?」
言われるがまま、テレビに目を向けると。
「こちら渋谷109前です。突如として現れた巨大な洞窟。109周辺の建物は全て消え去り、巨大な洞窟と化しています。安否不明者、死者は不明っ!? 緑色のっなっなんだあれはぁぁぁぁぁぁぁっ」
ここで映像が途絶えた。
———これはダンジョン!?
「アベル様……あれってダンジョンだよね?」
「だろうな。この前俺が飛ばされたダンジョンとは形が違うけど、前世の《《ソレ》》と相違無い」
「やばいよコレ……現実なんだよね? 映画の映像みたい」
他にも情報は無いのかと、チャンネルを回すと。
「こちら特殊災害対策本部です。渋谷周辺に異常事態発生中。渋谷にいる方は至急避難して下さい。いますぐです。時を争います。こちら特殊災害対策本部です。渋谷を封鎖しまっ……ブッ!」
再びテレビが真っ暗になり、何も映さなくなった。映像を映していた人達が魔物にやられたんだろうか? 逃げ切っていて欲しいと願う。
テレビに映っていた映像は、ダンジョンからゴブリンやオークといった魔物が溢れ出て、好き勝手に人を襲っている。それを機動隊が銃で迎え撃っているんだが、そこで映像が途絶えてしまったので、この後どうなったのか分からない。
コレは……今の映像なんだよな?
「なぁアリス? 俺がダンジョンに潜っていた間ってこんな事あったのか?」
「ううん! 平和だったよ。アベル様がダンジョンに飛ばされたのが嘘なんじゃって思えるほどに」
じゃあコレが二つ目のダンジョンってことか。俺がダンジョンをクリアしたから、新たなダンジョンが登場したんだろうか?
それとは関係なく、コレからどんどんダンジョンが出現するとか?
う〜ん分からん。
家でウダウダ考えている時間があるなら、現地に行った方が早い。
「アリス。渋谷に行くか」
「うん。アベル様なら絶対にそう言うと思った」
——よし渋谷に転移するぞ。