「アヴェルはいつ見ても、オーラがスゲエデスねぇ。ゴクッ。へいへいカンパーイ」

 デザイナーのマーティンが、シャンパンのグラスを上に掲げながら、ユラユラ体を揺らせ俺に向かって歩いてくる。なんだその変な動きは、前世のゴブリンが発情してるみたいだぞ?

「アヴェル様もあっし達と一緒に飲みやしょうぜ?」
「うふふ♡ 乾杯乾杯♪」

 カメラマンのディーンと、イライザがボトル掲げて俺を呼ぶ。
 いや……この世界じゃ十六歳はまだ酒飲んじゃダメなんだよ。前世なら大丈夫なんだが。
 そんな事全く無視で、俺を囲む酔っぱらい外人達。まるで餌に飢えたゴリラの檻に入れられた気分だ。

「あのっ。アヴェル君はまだ高校生の十六歳なので、お酒は飲めないんです」

 柳木さんが慌てて俺とパリピ外人達の間に入って、必死に助けてくれている。
 アイスアシストだ柳木さん。

「オウ? マジですか? この見た目で十六歳!? 二十歳超えてるとおもてましたデス」
「まぁ! ボーイったらまだチェリーなのね? うふふ」

 イライザよ? チェリーとはどんな意味で使ってるんだ? 変な意味じゃないよな?

「アヴェル君、アリスちゃん本当ゴメンね。二人が来るって知ったらこの三人が事務所に押しかけてきて」

 柳木さんが俺とアリスに頭を下げながら、額の汗を拭う。

「さすがにこの三人は特別で……」
 この個性強強な外人達を、一人で相手にしないといけないんだから、柳木さんも大変なのが分かるので何も文句はない。

「さぁさぁみなさん、立って飲んでないで席に戻りましょう」

 柳木さんがパリピ外人達をソファーに促す。

「私はアヴェルと話がしたいんデス。今日はアヴェルに会いに来たんデスよ?」

 デザイナーのマーティンが、自身が座ってるソファーの横をポンポンと叩く。
 そこに座れと?
 これがごく普通の十六歳なら、得体の知れない外人にウザ絡みされて、勘弁してくれ案件だが、俺も前世はオッサン。
 冒険者達と飲む時は、もっとメンドくせえ奴が有象無象にいたからな。こんなのどって事ない。

「アヴェル。この前の撮影はお疲れ様でしたデス。おかげでいい写真がイ〜ッパイ撮れたデス。それでデス。Alexanderの専属モデルになりませんデスかい?」
「専属モデル?」
「そうです! 契約料は月二百万でどうデスかい?」
「へっ二百万!?」

 聞き間違いじゃねーよな? 二百万って言ったよな? モデルってそんなにも給料高いのか?

「ふむ? 足りないデス? むむむ……では二百五十万でどうデスカイ? 後は実力によって値段を上げるです。これでどうデスかい?」

 マジか! なんだか知らねーが、さらに五十万増えたんだが。
 ふとアリスと柳さんを見ると口をあんぐりと開けている。やはりこの二百五十万ってのは、モデルからしたらスゲエ金額なんだよな。

 二百五十万✖️十二ヶ月。年収三千万越えか。ふふふっとりあえずの将来安泰だ。