俺……勇者の力使えるんじゃ!?
心の中でステータスオープンと唱えてみる。
【名前】 如月 アヴェル
【職業】 勇者
【レベル】 1
【体力】 15
【魔力】 50
【攻撃力】15
【素早さ】10
【スキル】 全属性魔法 Lv 1 神眼 Lv1 アイテムボックス Lv 1 状態異常耐性 Lv1 身体強化 Lv1
やっぱり……! 使える!
おっ職業ジョブも勇者のままだ。
———ただ、レベルは初期値に戻っている……ってか、ひどい数値だ。
前世じゃレベル1の時でも、ステータス値全て100を超えていた。それがこれはなんだ?
その辺の街民以下レベル……とてもじゃないが、勇者のステータスとは思えない。
それはこの肥太った白豚の姿が、影響しているのだろうか?
俺は改めて自分の体に目を向ける。
なんの努力もしていない、肥太った醜い身体。
両親と一緒に住んで居た時は、もう少しマシなポッチャリ体型をしていたのに、二年前に父親が海外転勤となってからが最悪だ。
一人暮らしとなり、自堕落な生活をするようになると、あっと言う間にこの巨デブ体型に。
まずは食事を改善し、痩せることが先だな。
それから本格的に鍛錬か。
もう今までの俺じゃねぇ。
自ら死ぬなんて選択……二度と……絶対にしねえ。
前世の俺と比べたら、遥かに恵まれた環境なのに。
今世の俺はなんて贅沢言ってるんだよ!
……確かにイジメられて辛い気持ちは分かる。
でもな、常にいつ死んでもおかしくない状況下にいた前世と比べたら……。
どれほど幸せか……。
「よし! 新如月アベルとして、イチから頑張るか」
俺は川辺から立ち上がり、土手へと歩いていく。
濡れた服に風が当たると、流石にこの巨漢でも身震いする寒さ。
はぁ……めっちゃ冷たい。さすが十一月。
早く家に帰ってゆっくり風呂に浸かりたい。
「ん?」
右目にヌルリっと血が垂れてきて、目が開け辛い。
「いてて……」
頭打った所……裂けてるのか? 結構な血が流れてるよな……。
この巨漢だからなのか、血は有り余っているようで、そこまでのダメージはない。
だが医者に行った方が良さそうなレベルで、頭が裂けているのがなんとなく分かる。
「でも医者に行った所で、なんて説明する? 橋から飛び降りましたって?」
いやいやいやいや!
それは絶対にだめだ。
ややこしい案件決定だ。
自殺しましたって、言ってるようなもんだ。
でも血が止まりそうにないしなぁ。いくら俺が血の気たっぷりのデブって言ってもな。
このまま垂れ流れているのはまずい。
う~ん。どうする?
ステータスを見る限り、少ないが魔力50はあるんだ、低ランク回復魔法くらい使えるんじゃ?
スキル全属性魔法も持ってたし。
試しに使ってみるか?
俺は体の中心にある魔力マナを探る
……コレだな。
マナは前世と同じ感じだな。
後は精神を集中し回復魔法を詠唱すれば……
《ヒール》
「うぉ!?」
頭の怪我や細かな擦り傷が、治っていくのが分かる。
よし! 成功だ。
ってことは風魔法で……濡れた服も乾かせるな!
《ウインド》
俺の周りを、柔らかな風がフワリと包み込む。
「よしっ風魔法も成功だ!」
これで低ランク魔法なら、前世同様に使える事が分かった。
「これならどうになりそうだな」
傷も治り、服も乾いた事でテンションも上がり、意気揚々と鼻歌混じりに帰り道を歩いていると。
———今一番あいたくない奴に遭ってしまった。
「アレェ? 白豚じゃん?」
「本当だ? こんな時間に何してんだ?」
「汚ねえカッコして」
俺を自殺に追いやった奴ら。
リーダーの【葛野くずの一平】率いる性格悪い集団。
なんでこのタイミングで出会すかなぁ。
心の中でステータスオープンと唱えてみる。
【名前】 如月 アヴェル
【職業】 勇者
【レベル】 1
【体力】 15
【魔力】 50
【攻撃力】15
【素早さ】10
【スキル】 全属性魔法 Lv 1 神眼 Lv1 アイテムボックス Lv 1 状態異常耐性 Lv1 身体強化 Lv1
やっぱり……! 使える!
おっ職業ジョブも勇者のままだ。
———ただ、レベルは初期値に戻っている……ってか、ひどい数値だ。
前世じゃレベル1の時でも、ステータス値全て100を超えていた。それがこれはなんだ?
その辺の街民以下レベル……とてもじゃないが、勇者のステータスとは思えない。
それはこの肥太った白豚の姿が、影響しているのだろうか?
俺は改めて自分の体に目を向ける。
なんの努力もしていない、肥太った醜い身体。
両親と一緒に住んで居た時は、もう少しマシなポッチャリ体型をしていたのに、二年前に父親が海外転勤となってからが最悪だ。
一人暮らしとなり、自堕落な生活をするようになると、あっと言う間にこの巨デブ体型に。
まずは食事を改善し、痩せることが先だな。
それから本格的に鍛錬か。
もう今までの俺じゃねぇ。
自ら死ぬなんて選択……二度と……絶対にしねえ。
前世の俺と比べたら、遥かに恵まれた環境なのに。
今世の俺はなんて贅沢言ってるんだよ!
……確かにイジメられて辛い気持ちは分かる。
でもな、常にいつ死んでもおかしくない状況下にいた前世と比べたら……。
どれほど幸せか……。
「よし! 新如月アベルとして、イチから頑張るか」
俺は川辺から立ち上がり、土手へと歩いていく。
濡れた服に風が当たると、流石にこの巨漢でも身震いする寒さ。
はぁ……めっちゃ冷たい。さすが十一月。
早く家に帰ってゆっくり風呂に浸かりたい。
「ん?」
右目にヌルリっと血が垂れてきて、目が開け辛い。
「いてて……」
頭打った所……裂けてるのか? 結構な血が流れてるよな……。
この巨漢だからなのか、血は有り余っているようで、そこまでのダメージはない。
だが医者に行った方が良さそうなレベルで、頭が裂けているのがなんとなく分かる。
「でも医者に行った所で、なんて説明する? 橋から飛び降りましたって?」
いやいやいやいや!
それは絶対にだめだ。
ややこしい案件決定だ。
自殺しましたって、言ってるようなもんだ。
でも血が止まりそうにないしなぁ。いくら俺が血の気たっぷりのデブって言ってもな。
このまま垂れ流れているのはまずい。
う~ん。どうする?
ステータスを見る限り、少ないが魔力50はあるんだ、低ランク回復魔法くらい使えるんじゃ?
スキル全属性魔法も持ってたし。
試しに使ってみるか?
俺は体の中心にある魔力マナを探る
……コレだな。
マナは前世と同じ感じだな。
後は精神を集中し回復魔法を詠唱すれば……
《ヒール》
「うぉ!?」
頭の怪我や細かな擦り傷が、治っていくのが分かる。
よし! 成功だ。
ってことは風魔法で……濡れた服も乾かせるな!
《ウインド》
俺の周りを、柔らかな風がフワリと包み込む。
「よしっ風魔法も成功だ!」
これで低ランク魔法なら、前世同様に使える事が分かった。
「これならどうになりそうだな」
傷も治り、服も乾いた事でテンションも上がり、意気揚々と鼻歌混じりに帰り道を歩いていると。
———今一番あいたくない奴に遭ってしまった。
「アレェ? 白豚じゃん?」
「本当だ? こんな時間に何してんだ?」
「汚ねえカッコして」
俺を自殺に追いやった奴ら。
リーダーの【葛野くずの一平】率いる性格悪い集団。
なんでこのタイミングで出会すかなぁ。