『だいぶ慣れてきたね! もう怖いもの無しだね』
「おうっ! もうウサギとスラちゃんは余裕だぜ?」
腹ごしらえをした後、再び奥に向かって歩きだしたんだが、どうやらこの階層にはスライムとホーンラビット以外いないみたいだな。
奥にいる三体のBランクと得体の知れねー奴らを除いてだが。
『アベル様! またウサギちゃんが来たよ』
「あいよー!」
俺は鉄バットを構え、飛んで来たホーンラビットを真芯でとらえそのままぶっ放していく。
「ホームラン。一本、二本、さ~んぼんってか! おお。よく飛んだな」
《チャララチャッチャ~♪》
またレベルが上がったか? もう何度この軽快なレベルアップ音を聞いたのか分かんねーな。
ちょっと確認してみるか。
【名前】 如月 アヴェル
【職業】 勇者
【レベル】 15
【体力】 150/150
【魔力】 200/200
【攻撃力】100/100
【素早さ】60/60
【スキル】 全属性魔法 Lv 1 神眼 Lv1 アイテムボックス Lv 1 状態異常耐性 Lv1 身体強化 Lv3
マジか! すげえじゃん! めっちゃ上がってるよ。
『アベル様、かなり上がって良かったね~。この調子だよ。この調子』
やったね~っと、アリスが俺の周りをクルクルと飛んでいる。
まだステータス値がどうとか、言ってないぞ?
さてはアリスのやつ……勝手に俺のステータスを覗き見たな?
いつのまにかレベルが15まで上がり、レベル2の時は体力30しかなかったのに今は150になってる!
魔力や攻撃力も三桁になっているし! 唯一素早さだけが上がりにくいな……デブだからか?
いや、んなワケナイと思いたい。
『アベル様。そろそろ気を引き締めないとだね』
「……おう」
アリスの顔から笑顔が消える。
ウサギとスライムを倒しながら進んでいたら、いつのまにか最奥にまで進み、Bランク魔獣の近くに辿り着いてしまった。
まだ姿が見える距離では無いのに、異様な圧を感じる。
特に得体の知れねー方の奴らがヤベエ。
「とりあえず。気配遮断しといた方がいいよな」
『そうだね。慎重にね?』
いくら気配遮断したとはいえ、俺よりレベルが上の魔獣なら、勘づかれる可能性も有る。
ゆっくりと慎重に歩みを進めた。
緊張のあまり、何度も唾をゴクッと飲み込んでしまう。
さっきから脂汗も止まらない。
クソッ。腐っても元勇者だろ! しっかりしろ俺。
どうにか近付くと、岩場の隙間から魔獣の全容がやっと見れた。
「オークジェネラル一体とあれは……魔狼? か。魔狼なら同じBランク程度のはず、なんで数値が見えなかったんだ?」
『う〜ん。それは分からないけど、でもさ魔狼で良かったね』
「だな」
アリスが良かったねと俺を見て笑う。その笑顔からホッと安堵しているのが分かる。
得体の知れねー奴から俺を守ろうと、必死に色々と考えてくれていたんだろう。ありがとうな。
『オークジェネラルは力が強いだけで、どうにかなりそうだけど、問題は二体の魔狼だね。動きが早いし、連携攻撃を使われたら中々手こずりそうだね』
「ああ……そうだよな」
オークジェネラルとは、豚の魔獣オークの進化した姿。
ジェネラルになると、三メートル以上ある巨漢姿に、その自分と同じ大きさのトゲトゲ棍棒をブンブン振り回して攻撃してくる。
魔狼は賢い魔獣で、仲間との連携攻撃が上手く、中々戦いずらい相手なんだよな。
「ん?」
なんだろう?
よく見たらあのオークジェネラルと魔狼、睨み合ってないか?
「なぁアリス? アイツらちょっと変じゃないか?」
『アベル様もそう思う? ダンジョン内の魔獣同士が歪み合うなんて、聞いたことがない。まぁそれも前世での知識なので、この世界での常識とは違うのかも知れないし……どっちにしろ、勝手にやり合ってくれるのは大歓迎だよね』
「ああっそうだよな」
とりあえずこのまま様子をする事にするか。
いきなり前に出るのは悪手でしか無いからな。
「おうっ! もうウサギとスラちゃんは余裕だぜ?」
腹ごしらえをした後、再び奥に向かって歩きだしたんだが、どうやらこの階層にはスライムとホーンラビット以外いないみたいだな。
奥にいる三体のBランクと得体の知れねー奴らを除いてだが。
『アベル様! またウサギちゃんが来たよ』
「あいよー!」
俺は鉄バットを構え、飛んで来たホーンラビットを真芯でとらえそのままぶっ放していく。
「ホームラン。一本、二本、さ~んぼんってか! おお。よく飛んだな」
《チャララチャッチャ~♪》
またレベルが上がったか? もう何度この軽快なレベルアップ音を聞いたのか分かんねーな。
ちょっと確認してみるか。
【名前】 如月 アヴェル
【職業】 勇者
【レベル】 15
【体力】 150/150
【魔力】 200/200
【攻撃力】100/100
【素早さ】60/60
【スキル】 全属性魔法 Lv 1 神眼 Lv1 アイテムボックス Lv 1 状態異常耐性 Lv1 身体強化 Lv3
マジか! すげえじゃん! めっちゃ上がってるよ。
『アベル様、かなり上がって良かったね~。この調子だよ。この調子』
やったね~っと、アリスが俺の周りをクルクルと飛んでいる。
まだステータス値がどうとか、言ってないぞ?
さてはアリスのやつ……勝手に俺のステータスを覗き見たな?
いつのまにかレベルが15まで上がり、レベル2の時は体力30しかなかったのに今は150になってる!
魔力や攻撃力も三桁になっているし! 唯一素早さだけが上がりにくいな……デブだからか?
いや、んなワケナイと思いたい。
『アベル様。そろそろ気を引き締めないとだね』
「……おう」
アリスの顔から笑顔が消える。
ウサギとスライムを倒しながら進んでいたら、いつのまにか最奥にまで進み、Bランク魔獣の近くに辿り着いてしまった。
まだ姿が見える距離では無いのに、異様な圧を感じる。
特に得体の知れねー方の奴らがヤベエ。
「とりあえず。気配遮断しといた方がいいよな」
『そうだね。慎重にね?』
いくら気配遮断したとはいえ、俺よりレベルが上の魔獣なら、勘づかれる可能性も有る。
ゆっくりと慎重に歩みを進めた。
緊張のあまり、何度も唾をゴクッと飲み込んでしまう。
さっきから脂汗も止まらない。
クソッ。腐っても元勇者だろ! しっかりしろ俺。
どうにか近付くと、岩場の隙間から魔獣の全容がやっと見れた。
「オークジェネラル一体とあれは……魔狼? か。魔狼なら同じBランク程度のはず、なんで数値が見えなかったんだ?」
『う〜ん。それは分からないけど、でもさ魔狼で良かったね』
「だな」
アリスが良かったねと俺を見て笑う。その笑顔からホッと安堵しているのが分かる。
得体の知れねー奴から俺を守ろうと、必死に色々と考えてくれていたんだろう。ありがとうな。
『オークジェネラルは力が強いだけで、どうにかなりそうだけど、問題は二体の魔狼だね。動きが早いし、連携攻撃を使われたら中々手こずりそうだね』
「ああ……そうだよな」
オークジェネラルとは、豚の魔獣オークの進化した姿。
ジェネラルになると、三メートル以上ある巨漢姿に、その自分と同じ大きさのトゲトゲ棍棒をブンブン振り回して攻撃してくる。
魔狼は賢い魔獣で、仲間との連携攻撃が上手く、中々戦いずらい相手なんだよな。
「ん?」
なんだろう?
よく見たらあのオークジェネラルと魔狼、睨み合ってないか?
「なぁアリス? アイツらちょっと変じゃないか?」
『アベル様もそう思う? ダンジョン内の魔獣同士が歪み合うなんて、聞いたことがない。まぁそれも前世での知識なので、この世界での常識とは違うのかも知れないし……どっちにしろ、勝手にやり合ってくれるのは大歓迎だよね』
「ああっそうだよな」
とりあえずこのまま様子をする事にするか。
いきなり前に出るのは悪手でしか無いからな。