「んん…………」
眩しいな……朝か。
……って事はまた、身体強化を解いた後。気絶したまま寝ちゃったんだな。
はぁ。情けない。もっと体力つけないとだな。
ん……? あれ?
俺いつカーテン開けた……っけ?
この右肩に感じる重みは…………まさか!?
首筋にふわりと触れる柔らかい髪の毛、スヤスヤと気持ち良さそうに寝息を立てる、小さな唇。
横で気持ちよさそうに寝ている奴は……。
「アアアッアリス! おっおまっ……また勝手に入ってきて!」
俺は慌ててベッドから飛びりた。
「……んん~? ふぁ……朝から何騒いでぇ?」
まだ眠そうなアリスが、背伸びをしながら目を擦っている。
もう11月だというのに、Tシャツに短パン姿という無防備な姿で。
目のやり場に困るから、もう少し服を着てくれ。
ってかベットに忍び込まないでくれ!
「はぁ……昨日言っただろ? 勝手にベッドに入るなって」
「……ええ? だって起こしに来たら……アベル様が気持ちよさそうに寝てるから。えへへ」
アリスが悪びれる事なくペロッと舌を出す。
「じゃあ制服に着替えてくるねー♪」
窓を開けパタパタっと自分の部屋に帰って行った。
……はぁ。ったく。毎回とかやめてくれよ。
★★★
「あっ! アリスおっはよ♪」
「おはようございます」
「おはよーアリス」
「おはよん」
恒例行事の如く、すれ違いざまにみんなアリスに挨拶して行く。
横にいる俺の存在は幽霊の如く見えないようで。
こんなに大きくアピールしてるんだけど。
「ねえアベル様、校門の所に立ってるのって葛井くん達じゃ?」
「ん……本当だ」
いつも遅刻してくんのに、こんな早い時間から居るとか珍しいな。
「誰かを待ってるのかな? キョロキョロ探してるね」
「……だな」
何だろう嫌な予感がするのは。
気のせいだと思いたい。
「あっ! 如月~!」
「待ってたんだよ~」
「おはよう」
葛井達三人が俺を見るなり黄色い声を出し、一目散に走ってきた。
初めての朝の挨拶がイカツイ男達……はぁ。
アリスと大違いだな。
「おはよう……なんだよ朝っぱらから」
俺が鬱陶しそうに葛井たちを見ると。
「俺たちの仲じゃないか! そんな顔して見るなよ」
右崎が俺の背中をバンバンと叩き、訳のわからん事を言い出す。
お前達とそんな仲になった覚えはない。
「アリスちゃん。ちょっと如月借りて良い? 大事な話があって」
佐田が気安く俺を貸してとアリスに言うが、人を借り物競走のアイテムのように言うな。
「えっ? なんで貸さないといけないの? アベル様は物じゃないしっだめだよ!」
アリスが俺の腕にしがみつき「行こうアベル様」っと言って引っ張っていく。
「あっちょ!? ちょっと待って!」
「なに?」
葛井が俺たちを必死に引き止めるが、アリスが口を尖らせ睨む。
「いやっ……アリスちゃん。あのっそんな顔で睨まないで」
「俺たち相談があって……」
「本当にどうしたら良いのか悩んでて……」
葛井達が言いたいことは何となくだが想像はつく。
昨日の男が今日の放課後、学校まで来ると言っていたからな。
どうせのその相談だろう。
そこまで助けてやる義理はないんだが。
「葛井くんは昨日の男から助けて貰いたいだけでしょ?」
黙っているとアリスが先に俺の言いたい事を言ってくれた。
その通りだ。
「そっそれは……」
「「……」」
アリスにズバリ言い当てられ、黙りこむ三人。
「さっ行こうアベル様」
「……おっおう」
アリスが俺を引っ張り連れて行こうとすると。
「調子が良いことは分かってる! 俺たちは如月に対して酷いイジメをしてたのに……」
「えっ? イジメ? 葛井くん達はアベル様を虐めていたの!?」
アリスが大きな目をさらに大きく見開き、驚いている。
……そうだ、アリスはアヴェルがイジメられていた事、知らないんだった。
学校の奴らはみんな、アリスがいない時しかアヴェルを虐めなかったから。
その事をアヴェルは言わなかったし。まぁ男のちっぽけなプライドだよな。だけどそれで自殺したら何してるんだって感じだが。
「えっ! あっやっ!?」
葛井達も自分達の失言に戸惑う。
「ヘェ~……アベル様を? 虐めて?」
アリスが氷のように冷え切った目で、葛井達を睨む。
「すすっすまねえ!」
「すみません!」
「もうしません!」
アリスに嫌われたくない葛井達が、一斉に土下座する。
おいおい……何やってんだ。ここは校門だぞ? みんなの注目が半端ない。
なんだなんだ? と人が立ち止まり集まりだした。
「おいっ葛井わかったから! 土下座をやめろ! 目立ってしょうがない」
「えっじゃあ助けて……」
「それはまた後で要相談だ。じゃあな!」
こんな注目される場所にずっといられるか!
俺は猛ダッシュでその場を走り去った。
「あっ! アベル様!? ちょっと待って!?」
「如月! 頼んだからな?」
この後。もちろん俺は巻き込まれる訳で……
眩しいな……朝か。
……って事はまた、身体強化を解いた後。気絶したまま寝ちゃったんだな。
はぁ。情けない。もっと体力つけないとだな。
ん……? あれ?
俺いつカーテン開けた……っけ?
この右肩に感じる重みは…………まさか!?
首筋にふわりと触れる柔らかい髪の毛、スヤスヤと気持ち良さそうに寝息を立てる、小さな唇。
横で気持ちよさそうに寝ている奴は……。
「アアアッアリス! おっおまっ……また勝手に入ってきて!」
俺は慌ててベッドから飛びりた。
「……んん~? ふぁ……朝から何騒いでぇ?」
まだ眠そうなアリスが、背伸びをしながら目を擦っている。
もう11月だというのに、Tシャツに短パン姿という無防備な姿で。
目のやり場に困るから、もう少し服を着てくれ。
ってかベットに忍び込まないでくれ!
「はぁ……昨日言っただろ? 勝手にベッドに入るなって」
「……ええ? だって起こしに来たら……アベル様が気持ちよさそうに寝てるから。えへへ」
アリスが悪びれる事なくペロッと舌を出す。
「じゃあ制服に着替えてくるねー♪」
窓を開けパタパタっと自分の部屋に帰って行った。
……はぁ。ったく。毎回とかやめてくれよ。
★★★
「あっ! アリスおっはよ♪」
「おはようございます」
「おはよーアリス」
「おはよん」
恒例行事の如く、すれ違いざまにみんなアリスに挨拶して行く。
横にいる俺の存在は幽霊の如く見えないようで。
こんなに大きくアピールしてるんだけど。
「ねえアベル様、校門の所に立ってるのって葛井くん達じゃ?」
「ん……本当だ」
いつも遅刻してくんのに、こんな早い時間から居るとか珍しいな。
「誰かを待ってるのかな? キョロキョロ探してるね」
「……だな」
何だろう嫌な予感がするのは。
気のせいだと思いたい。
「あっ! 如月~!」
「待ってたんだよ~」
「おはよう」
葛井達三人が俺を見るなり黄色い声を出し、一目散に走ってきた。
初めての朝の挨拶がイカツイ男達……はぁ。
アリスと大違いだな。
「おはよう……なんだよ朝っぱらから」
俺が鬱陶しそうに葛井たちを見ると。
「俺たちの仲じゃないか! そんな顔して見るなよ」
右崎が俺の背中をバンバンと叩き、訳のわからん事を言い出す。
お前達とそんな仲になった覚えはない。
「アリスちゃん。ちょっと如月借りて良い? 大事な話があって」
佐田が気安く俺を貸してとアリスに言うが、人を借り物競走のアイテムのように言うな。
「えっ? なんで貸さないといけないの? アベル様は物じゃないしっだめだよ!」
アリスが俺の腕にしがみつき「行こうアベル様」っと言って引っ張っていく。
「あっちょ!? ちょっと待って!」
「なに?」
葛井が俺たちを必死に引き止めるが、アリスが口を尖らせ睨む。
「いやっ……アリスちゃん。あのっそんな顔で睨まないで」
「俺たち相談があって……」
「本当にどうしたら良いのか悩んでて……」
葛井達が言いたいことは何となくだが想像はつく。
昨日の男が今日の放課後、学校まで来ると言っていたからな。
どうせのその相談だろう。
そこまで助けてやる義理はないんだが。
「葛井くんは昨日の男から助けて貰いたいだけでしょ?」
黙っているとアリスが先に俺の言いたい事を言ってくれた。
その通りだ。
「そっそれは……」
「「……」」
アリスにズバリ言い当てられ、黙りこむ三人。
「さっ行こうアベル様」
「……おっおう」
アリスが俺を引っ張り連れて行こうとすると。
「調子が良いことは分かってる! 俺たちは如月に対して酷いイジメをしてたのに……」
「えっ? イジメ? 葛井くん達はアベル様を虐めていたの!?」
アリスが大きな目をさらに大きく見開き、驚いている。
……そうだ、アリスはアヴェルがイジメられていた事、知らないんだった。
学校の奴らはみんな、アリスがいない時しかアヴェルを虐めなかったから。
その事をアヴェルは言わなかったし。まぁ男のちっぽけなプライドだよな。だけどそれで自殺したら何してるんだって感じだが。
「えっ! あっやっ!?」
葛井達も自分達の失言に戸惑う。
「ヘェ~……アベル様を? 虐めて?」
アリスが氷のように冷え切った目で、葛井達を睨む。
「すすっすまねえ!」
「すみません!」
「もうしません!」
アリスに嫌われたくない葛井達が、一斉に土下座する。
おいおい……何やってんだ。ここは校門だぞ? みんなの注目が半端ない。
なんだなんだ? と人が立ち止まり集まりだした。
「おいっ葛井わかったから! 土下座をやめろ! 目立ってしょうがない」
「えっじゃあ助けて……」
「それはまた後で要相談だ。じゃあな!」
こんな注目される場所にずっといられるか!
俺は猛ダッシュでその場を走り去った。
「あっ! アベル様!? ちょっと待って!?」
「如月! 頼んだからな?」
この後。もちろん俺は巻き込まれる訳で……