「アリス知ってるのか?」
「うん。顔見知りっていうか……雑誌の撮影でたまに合うくらい?」
サラッと雑誌の撮影とか……さすがだな。俺には縁遠い世界だ。
「雑誌の撮影でねぇ……さすがアリス様で」
「あっ。なんかトゲがあるなぁ?」
アリスが小さな口をプクッと膨らませる。
「そんなつもりねえよ。凄えなって思ってるよ」
「アベル様だって痩せたら絶対モデルに向いてるよ! 背も高いし足だって長いし……かっこいいし」
「いや……痩せたって俺には無理だよ。そんな人前でポーズとか取れねえしさ」
「大丈夫だよ! 痩せたら一回一緒にお仕事しよ? お金も良いし……着た服とかも貰えるしお得なんだよ? ね?」
アリスが服の袖を引っ張り、上目使いでお願いしてくる。ぐぬぬ……可愛いじゃねーか。
「分かったから! 痩せたらな?」
「本当!? 約束だよ?」
アリスがピョンピョン飛び跳ねて喜んでるが、多分無理だと思う。痩せたからって簡単に誰でもモデルになれるんなら、みんなモデルだよ。
まぁ今はそんな事より、アイツの事が優先だ。
「とりあえずあの男の情報を、教えてくんねーか?」
「……情報って言っても。興味ないからなぁ。正直名前もうろ覚えで……えへへ」
アリスが舌をぺろっと出し微笑む。
それ絶対可愛いの分かってやってるだろ。
「ええと確か……年は同い年の十六歳で、今人気が出て来てる読者モデルって言ってたかな? 名前は尾崎 新」
「へぇ……確かに近くで見ると、クラスの奴らよりは綺麗な顔してるのかもな」
「どこが? なんか胡散臭い顔だよ。アベル様の方が何百倍もカッコイイ♡」
瞳を潤ませたアリスが俺をじっと見る、
「おっおう……それはどうも」
こんな巨漢デブがカッコイイわけねーだろ。
アリスは目が悪いのかも知れねーな。
もう少し近寄ってみるか。
俺は尾崎とやらの声が聞き取れる距離まで近付いた。
偉そうにベンチに座る尾崎の前に葛井たち三人が正座して座っている。
「あれ~? これっぽっち? 二万じゃ大して何も買えねーだろ?」
「でっでも……今用意できるのはこれくらいで……」
「ふうん? まぁいいか?」
尾崎はニヤリと意地悪く笑うと、二万と一緒に葛井の顔を殴った。
「あぐっ……!」
「この金はいらねーわ。お前の汚い汗もついちゃって触りたくねぇ」
「………ぐっ」
いつもなら殴り返しそうなもんだが、葛井は殴られても正座したままだ。
こんな男がそんなに怖いのか?
「明日の放課後までに二十万用意しとけよ? なかったらお前は終わりだ」
尾崎はそう言って、親指を下に向けて首を切る仕草をした。
「じゃあまた明日? あっ逃げようとしても無駄だぜ? 学校に迎えに行くからな」
手をヒラヒラと軽く振ると、尾崎は歩いて行った。
尾崎の気配が公園から消えた後。
俺とアリスは姿を現した。
「うおっ!?」
「急に現れっ!?」
「あわっアリスちゃんまで!?」
いきなり目の前に現れた俺とアリスに戸惑う葛井達。
さてと、奴隷紋を消してやるか。
助けてやる義理は全くないんだが。約束したしな。
「うん。顔見知りっていうか……雑誌の撮影でたまに合うくらい?」
サラッと雑誌の撮影とか……さすがだな。俺には縁遠い世界だ。
「雑誌の撮影でねぇ……さすがアリス様で」
「あっ。なんかトゲがあるなぁ?」
アリスが小さな口をプクッと膨らませる。
「そんなつもりねえよ。凄えなって思ってるよ」
「アベル様だって痩せたら絶対モデルに向いてるよ! 背も高いし足だって長いし……かっこいいし」
「いや……痩せたって俺には無理だよ。そんな人前でポーズとか取れねえしさ」
「大丈夫だよ! 痩せたら一回一緒にお仕事しよ? お金も良いし……着た服とかも貰えるしお得なんだよ? ね?」
アリスが服の袖を引っ張り、上目使いでお願いしてくる。ぐぬぬ……可愛いじゃねーか。
「分かったから! 痩せたらな?」
「本当!? 約束だよ?」
アリスがピョンピョン飛び跳ねて喜んでるが、多分無理だと思う。痩せたからって簡単に誰でもモデルになれるんなら、みんなモデルだよ。
まぁ今はそんな事より、アイツの事が優先だ。
「とりあえずあの男の情報を、教えてくんねーか?」
「……情報って言っても。興味ないからなぁ。正直名前もうろ覚えで……えへへ」
アリスが舌をぺろっと出し微笑む。
それ絶対可愛いの分かってやってるだろ。
「ええと確か……年は同い年の十六歳で、今人気が出て来てる読者モデルって言ってたかな? 名前は尾崎 新」
「へぇ……確かに近くで見ると、クラスの奴らよりは綺麗な顔してるのかもな」
「どこが? なんか胡散臭い顔だよ。アベル様の方が何百倍もカッコイイ♡」
瞳を潤ませたアリスが俺をじっと見る、
「おっおう……それはどうも」
こんな巨漢デブがカッコイイわけねーだろ。
アリスは目が悪いのかも知れねーな。
もう少し近寄ってみるか。
俺は尾崎とやらの声が聞き取れる距離まで近付いた。
偉そうにベンチに座る尾崎の前に葛井たち三人が正座して座っている。
「あれ~? これっぽっち? 二万じゃ大して何も買えねーだろ?」
「でっでも……今用意できるのはこれくらいで……」
「ふうん? まぁいいか?」
尾崎はニヤリと意地悪く笑うと、二万と一緒に葛井の顔を殴った。
「あぐっ……!」
「この金はいらねーわ。お前の汚い汗もついちゃって触りたくねぇ」
「………ぐっ」
いつもなら殴り返しそうなもんだが、葛井は殴られても正座したままだ。
こんな男がそんなに怖いのか?
「明日の放課後までに二十万用意しとけよ? なかったらお前は終わりだ」
尾崎はそう言って、親指を下に向けて首を切る仕草をした。
「じゃあまた明日? あっ逃げようとしても無駄だぜ? 学校に迎えに行くからな」
手をヒラヒラと軽く振ると、尾崎は歩いて行った。
尾崎の気配が公園から消えた後。
俺とアリスは姿を現した。
「うおっ!?」
「急に現れっ!?」
「あわっアリスちゃんまで!?」
いきなり目の前に現れた俺とアリスに戸惑う葛井達。
さてと、奴隷紋を消してやるか。
助けてやる義理は全くないんだが。約束したしな。