まあ、妹と遊ぶのはいいんだけど。それどころじゃねえんだよ、環境は。

　ありえん数の魔物に追われていて、全力で倒しながら逃げている。

　死ぬよ。死ぬよ。無詠唱魔法を使えるからとはいえ、限度があるよ。
　オークやらウルフやらゴブリンやら。種類も多いから対処しにくいんだよ！

　こんなに魔物が多いことはスタンピードと言っても良い上に全ての魔物が通常よりも強くなっているのには気づいていなかった。

　魔力を使いすぎ。過去最高に使ってるんじゃない。初めての魔力切れするかも。まあ、そうしたら死が確定するけど。
　とにかく、ウルフがうざい！他のは距離が離せるけど、こいつは全然離れない。なんなら少し近づいてる気がする。もう、吹っ飛べ〈突風〉魔力をできる限り込めて。

　ウルフは少し踏ん張り、そしてまた走ってきた。

　fuck you!なんで飛ばないんだよ。ワープして逃げれるなた逃げたい。もういい、森が燃えたっていい。後で消火するから火魔法をガンガン使うしかない。炭化か酸欠を狙うしかねえ。
〈灼熱弾〉〈煉獄壁〉〈爆炎斬〉〈豪炎槍〉

　一瞬にして周りは炎に包まれ、多くの雑魚は倒すことが出来ていた。

　熱い。〈水障壁〉を使うけど意味あるかな。もう消したい。いや、水蒸気爆発狙うか。
　よし、じゃあ
〈火焔地〉

　森が少し吹き飛ぶほどの大火力をした爆発が発生した。

　よし、やったk

「ゴハッ。」

　突然後ろから現れたウルフが、背中を引き裂いてきた。

　後ろにいたのか。不味い。流石に不味い。
〈水圧斬〉

　これでウルフは真っ二つに引き裂かれた。

　倒せた、か。流石にもう体力が限界。この傷は俺の魔法じゃ治せなさそうだな。回復しながら逃げればなんとかなるかな。

「あれ。」

　ﾄﾞｻｯ

　倒れ、うっ。視界がぼやけて

「何で、こんなところに。倒れてる人がいr...

　そこで意識は途絶えた。


〜〜〜〜〜


「あ、あの。大丈夫ですか。」

　そう言いながらその女性と少女の間くらいの見た目をしている人は、体を突いたり、叩いたり、揺さぶったりしてきた。

「うにょあ。」

　そうしてしばらくし、目覚めた。

「はわっ。」

　顔を突いていた時に目覚めたため、急いで手を払いのけた。

「えーと。俺は生きてるのか。」

「生きてますよ？」

「そ、そうか。」

　正直言って、もう死んでしまったと思った。流石にあれは無茶をしすぎた気がする。

「あの。あなたの名前はロベルさんですよね。」

「何で知ってるの。寝言でも言ってた！？」

「いいえ。そういうわけではないんですけれども。」

「突然あの場にいて、会ったことがないはずの人の名前を知っていて。帰れるのかなって。でも、あんなに怪我をしていたら流石に助けないとと思って。」

「そうか。それでもありがとう。魔物がたくさんいたはずだけど助けてくれて本当にありがとう。こうなったら、元いた場所にくらいは必ず帰してあげる。」