そんなこんなで、数週間が経ち、だいぶ落ち着いてきた。

「ロベル様、お客様がお見えです。」

「?お客様って誰だ?まあ、とりあえず通して。」

「分かりました。」


〜〜〜〜〜


「ロベルさん。」

 そう、この間の聖職者の子。

「キュリシーがわざわざやってきましたわ。」

 とても態度が大きくなってね。

「どうしたの?キュリシー。」

「どうしたの?じゃないですよ。何ですかあのときは。」

「ん、あ、まあ、現実逃避?」

「何ですかその回答。後、あの速度出せるの異常ですよ。」

「それは知らん。早く帰りたかったし。」

「ひどいですね。まあ、こう見えて私は聖女見習いですよ。昇進したんですよ。国で数人しかいない聖女になるのがほぼ確約ですよ。崇めなさい、そして丁寧に扱いなさい。」

「おお、すごいねー。」

「何ですかその棒読みは。」

「まあ、聖女見習いはすごいけど、こっちは公爵の長男よ。そんなに立場は大きく変わるわけじゃないし、貴族は聖女とか裏で操ってく人もいるだろうからやっぱ上だと思うよ。」

「う〜。何でそんなことをするんですかね。」

「そりゃ、稼ぎたいからだろ。金は多ければ多いほどいいからな。その分力がつく。」

「そうなんですね。お金があったら贅沢くらいしか浮かばないから。」

「まあ、それは一般的だしいいんだけど、貴族は自分以外の階級の人を守る義務があるからな。形はどうであれ。」

「だから兵士が見回っていたりするんですね。」

「そういうことは習わないのか?」

「教会じゃ習いませんよ。貴族は貴族について学ぶと思いますけど、聖職者は神話や聖女、教皇とかについて学びますから。」

「そういうものか。」

「そうですよ。それより、一応は教会からの使者ですからね。この後はロベルのお父様である当主様に今後の対応などについて相談してきます。」

「それ、大丈夫か?」

「大丈夫ですよ。年齢より知能とかが優先ですからね。そもそも、聖女見習いは知能が上じゃないと話にならないので。」

「大変だな。」

「そうですね。やっぱ、責任が強いものですからね。大変ですよ。特に上の立場になればなるほど。」

「ん〜。やっぱ、弟がいれば弟に当主を任せたい。いないけど。」

「そうですね。じゃあ、貴族街道頑張ってください。」

「そんな。やだ。怠惰な生活をしたいよ。」

 そう嘆いているうちにキュリシーは去っていった。


〜〜???視点〜〜

 勇者が出る可能性がある、ね。どうせそういうのは貴族にできるんでしょう。悪徳貴族に生まれ育ったら最悪の勇者になるからそれだけはやめてほしいな。

「???〜、収穫の手伝いをしてくれ〜。」

「わかった!今すぐ行くね。」

 そうして走り出したらバイクと同じくらいの速さで走り始めた。

「へ?何が起きた。」

「???に何があったんだ。」