『ち』の椅子を隠し、SNSで連絡を取り猪俣と合流した。
「このターンはどうするんだ」猪俣が聞いてきた。
「そのことなんだけど……。重大な問題がある」
「問題?問題ないだろ。このターンも椅子を交換して互いに座れるだろ」
「そうはならないんだ」
「どういうこと?」
「消される椅子になっていく法則に気づいてる?」
「いや、全然」
「このターン、消されるのは『ほ』の椅子なんだ」
「わかるのか?」
「実はいろは唄の順番に消されていってるんだよ。……最初が『い』で次が『ろ』。その次が『は』で、さっきが『に』。そして、次は『ほ』が消される」
「おお、すごい!なるほど。よくわかったな」
「まぁ、色々あってな。だから、このターンで俺らの椅子が1脚なくなることになる」
「確かにそれはまずいな。せっかくチームを組んだのに、いきなり朝海が失格することになるじゃないか」猪俣は言った。
「ああ」
「……なら、どうする?」
「もう1人、仲間を増やす」
「えー、仲間を?」猪俣は少し嫌そうに言った。
できれば、仲間は極力増やしたくはない。それは朝海も同じだ。仲間をもう1人増やすということは勝ったときの賞金が3等分になるということだ。朝海には借金が4千万ある。1億円を3等分すれば借金を完済することはできない。しかし、勝つためには仕方がない。今は仲間が必要だ。
朝海と猪俣は仲間を探しに行くと、オロオロしている女性を発見した。すると、その女性から話しかけてきた。
「2人は協力し合ってるんですか?」
「あ、ああ。まぁ」朝海は言った。
「私も仲間にしてもらえませんか?」
こちらも仲間を探しているんだ。願ったり叶ったりだ。
朝海と猪俣は目で会話した。そして、この申し入れに同意することにした。
「わかった。仲間になろう」
「ありがとうございます」
「じゃあ、この3人で共闘するということで」朝海は言った。
「ああ」猪俣は言った。
新しく仲間になった鵜飼陽菜は『を』の椅子しか確保していなかった。これで現状、朝海たちは『ほ』と『ち』と『を』の椅子を保有していることになる。それじゃあ、意味がない。どのみち1人は失格してしまう。なぜ、5ターン目まで生き延びてて1脚しか椅子を保持してないんだ。こんなことなら仲間にするんじゃなかった。かといってこれ以上、仲間を増やすことはできない。賞金の取り分が減る一方だ。
「まだ、時間があるから3人で新しい椅子を探しに行こう」朝海は言った。
「そうね。椅子を探すのもチームのほうが有利だものね」鵜飼陽菜は言った。
「よし、わかった。探しに行こう」猪俣は言った。
3人は椅子を探しに行った。そして、時間一杯使って、朝海が『り』の椅子を。猪俣が『と』の椅子を見つけた。3人で5脚保有していることになった。
「ギリギリでなんとかなったな」朝海はそう言った。
「本当に椅子が見つかってよかった」猪俣は言った。
「じゃあ、俺は『り』の椅子に座るから猪俣君は『ち』の椅子に座ってくれ。鵜飼さんは『と』の椅子に座って」朝海は言った。
「わかった」猪俣と鵜飼は言った。
そして、朝海は『り』の椅子に向かい、猪俣は『ち』の椅子に向かい、鵜飼は『と』の椅子に向かった。
『り』の椅子の傍らで音楽が鳴り止むのを待っていると、朝海のケータイが鳴り、湖口琵道から連絡がきた。
「何か用か?」朝海はぶっきらぼうにこたえた。
「朝海もまだ生き残ってるんだな」
「おかげ様でな」
「チームでも組んだのか?」
「なんでわかったんだ!」
「ハハハ。1人ではこのゲームは難しいだろ」
「……」
「実は俺もチームを組んでてな。これからはチーム戦だな」
「勝つのは俺たちだけどな」朝海は言った。
「威勢はいいようだけど、それは無理だ。なぜなら、俺のチームが勝つからな」
「いいや、勝つのは俺たちだ!」そう言って朝海は通話を切った。
するとまもなくして音楽が止まった。
朝海は『り』の椅子に座った。
《第5ターン終了です》
第5ターンが終わった。
《今回、椅子に座れなかったのは2人です》
そうなることは必至だ。さっきまで座る椅子がなくてひやひやしていたのが嘘のように朝海たちは椅子を占有していた。
《それでは、消える椅子を発表します。消える椅子は……『ほ』です。『ほ』の椅子に座っていた人はいてませんでした》
当然だ。『ほ』の椅子を所持しているのは俺たちだ。俺たちは誰も『ほ』の椅子に座っていない。
《それでは、第6ターンを始めます。第6ターンスタート》
オクラホマミキサーが鳴り、5人7脚で第6ターンが始まった。
第6ターンが始まると2人に湖口琵道から宣戦布告されたことを伝えた。
「今、残ってるのは5人だから湖口のチームが残りの2人で確定。……どちらにしろ、俺たちのほうが圧倒的に有利だ。保持している椅子の数も多い。有利な立場にあるといえる」朝海は言った。
「そうだな。もう勝ったようなもんだな」猪俣は言った。
「油断は禁物よ」鵜飼は言った。
「そうだな。湖口のチームは『ぬ』の椅子と『る』の椅子は確実に所持している。最後まで生き残ってくるだろう」朝海は言った。
「なんで、そんなことわかるんだよ」猪俣は言った。
「まぁ、色々あってな」
「でも、大丈夫よね。結局、最後に残る椅子は『を』なんだから、その椅子を持っている私たちが勝つのよね」
「確かにそうだ!」
「だから、油断はするなよ」朝海はたしなめた。
そして、このターンは朝海が『と』、猪俣が『を』、鵜飼が『り』の椅子に座って、第6ターンが終わった。消える椅子には『へ』が宣言され失格者は出なかった。
第7ターンは朝海が『ち』、猪俣が『り』、鵜飼が『を』の椅子に座った。第7ターンが終了すると消える椅子には『と』が宣言され、朝海たちの所持していた椅子が消されることになった。
そして、5人5脚で第8ターンが始まった。
「このターンはどうするんだ」猪俣が聞いてきた。
「そのことなんだけど……。重大な問題がある」
「問題?問題ないだろ。このターンも椅子を交換して互いに座れるだろ」
「そうはならないんだ」
「どういうこと?」
「消される椅子になっていく法則に気づいてる?」
「いや、全然」
「このターン、消されるのは『ほ』の椅子なんだ」
「わかるのか?」
「実はいろは唄の順番に消されていってるんだよ。……最初が『い』で次が『ろ』。その次が『は』で、さっきが『に』。そして、次は『ほ』が消される」
「おお、すごい!なるほど。よくわかったな」
「まぁ、色々あってな。だから、このターンで俺らの椅子が1脚なくなることになる」
「確かにそれはまずいな。せっかくチームを組んだのに、いきなり朝海が失格することになるじゃないか」猪俣は言った。
「ああ」
「……なら、どうする?」
「もう1人、仲間を増やす」
「えー、仲間を?」猪俣は少し嫌そうに言った。
できれば、仲間は極力増やしたくはない。それは朝海も同じだ。仲間をもう1人増やすということは勝ったときの賞金が3等分になるということだ。朝海には借金が4千万ある。1億円を3等分すれば借金を完済することはできない。しかし、勝つためには仕方がない。今は仲間が必要だ。
朝海と猪俣は仲間を探しに行くと、オロオロしている女性を発見した。すると、その女性から話しかけてきた。
「2人は協力し合ってるんですか?」
「あ、ああ。まぁ」朝海は言った。
「私も仲間にしてもらえませんか?」
こちらも仲間を探しているんだ。願ったり叶ったりだ。
朝海と猪俣は目で会話した。そして、この申し入れに同意することにした。
「わかった。仲間になろう」
「ありがとうございます」
「じゃあ、この3人で共闘するということで」朝海は言った。
「ああ」猪俣は言った。
新しく仲間になった鵜飼陽菜は『を』の椅子しか確保していなかった。これで現状、朝海たちは『ほ』と『ち』と『を』の椅子を保有していることになる。それじゃあ、意味がない。どのみち1人は失格してしまう。なぜ、5ターン目まで生き延びてて1脚しか椅子を保持してないんだ。こんなことなら仲間にするんじゃなかった。かといってこれ以上、仲間を増やすことはできない。賞金の取り分が減る一方だ。
「まだ、時間があるから3人で新しい椅子を探しに行こう」朝海は言った。
「そうね。椅子を探すのもチームのほうが有利だものね」鵜飼陽菜は言った。
「よし、わかった。探しに行こう」猪俣は言った。
3人は椅子を探しに行った。そして、時間一杯使って、朝海が『り』の椅子を。猪俣が『と』の椅子を見つけた。3人で5脚保有していることになった。
「ギリギリでなんとかなったな」朝海はそう言った。
「本当に椅子が見つかってよかった」猪俣は言った。
「じゃあ、俺は『り』の椅子に座るから猪俣君は『ち』の椅子に座ってくれ。鵜飼さんは『と』の椅子に座って」朝海は言った。
「わかった」猪俣と鵜飼は言った。
そして、朝海は『り』の椅子に向かい、猪俣は『ち』の椅子に向かい、鵜飼は『と』の椅子に向かった。
『り』の椅子の傍らで音楽が鳴り止むのを待っていると、朝海のケータイが鳴り、湖口琵道から連絡がきた。
「何か用か?」朝海はぶっきらぼうにこたえた。
「朝海もまだ生き残ってるんだな」
「おかげ様でな」
「チームでも組んだのか?」
「なんでわかったんだ!」
「ハハハ。1人ではこのゲームは難しいだろ」
「……」
「実は俺もチームを組んでてな。これからはチーム戦だな」
「勝つのは俺たちだけどな」朝海は言った。
「威勢はいいようだけど、それは無理だ。なぜなら、俺のチームが勝つからな」
「いいや、勝つのは俺たちだ!」そう言って朝海は通話を切った。
するとまもなくして音楽が止まった。
朝海は『り』の椅子に座った。
《第5ターン終了です》
第5ターンが終わった。
《今回、椅子に座れなかったのは2人です》
そうなることは必至だ。さっきまで座る椅子がなくてひやひやしていたのが嘘のように朝海たちは椅子を占有していた。
《それでは、消える椅子を発表します。消える椅子は……『ほ』です。『ほ』の椅子に座っていた人はいてませんでした》
当然だ。『ほ』の椅子を所持しているのは俺たちだ。俺たちは誰も『ほ』の椅子に座っていない。
《それでは、第6ターンを始めます。第6ターンスタート》
オクラホマミキサーが鳴り、5人7脚で第6ターンが始まった。
第6ターンが始まると2人に湖口琵道から宣戦布告されたことを伝えた。
「今、残ってるのは5人だから湖口のチームが残りの2人で確定。……どちらにしろ、俺たちのほうが圧倒的に有利だ。保持している椅子の数も多い。有利な立場にあるといえる」朝海は言った。
「そうだな。もう勝ったようなもんだな」猪俣は言った。
「油断は禁物よ」鵜飼は言った。
「そうだな。湖口のチームは『ぬ』の椅子と『る』の椅子は確実に所持している。最後まで生き残ってくるだろう」朝海は言った。
「なんで、そんなことわかるんだよ」猪俣は言った。
「まぁ、色々あってな」
「でも、大丈夫よね。結局、最後に残る椅子は『を』なんだから、その椅子を持っている私たちが勝つのよね」
「確かにそうだ!」
「だから、油断はするなよ」朝海はたしなめた。
そして、このターンは朝海が『と』、猪俣が『を』、鵜飼が『り』の椅子に座って、第6ターンが終わった。消える椅子には『へ』が宣言され失格者は出なかった。
第7ターンは朝海が『ち』、猪俣が『り』、鵜飼が『を』の椅子に座った。第7ターンが終了すると消える椅子には『と』が宣言され、朝海たちの所持していた椅子が消されることになった。
そして、5人5脚で第8ターンが始まった。