「はー至れり尽くせりだなぁーかずくんが手配してくれたホテルはいいー。これをタダなんだからねー。」

 東京では共有花嫁としての証明を見せたらその他の施設も買い物もお金を出さなくてもいい分他の人の視線が痛い。

「はー、、お兄ちゃんたちやシャニのお土産どうしよー」
明日のお茶会に備え、寝ることにした。

 翌日のこと。
 会場まで行くとたくさんの女性がいた。
 みんな綺麗で華やかな人ばかりだ。

「私……場違いかな……」

 そそくさと帰ろうとしたとき「中野様」と男性の呼び止める声が聞こえた。

 振り返るとスラリと背の高い紳士がいた。

「初めまして。中野夏都様。私が齋藤久でございます。此度はゆっくりお過ごしください。」
 「よ、よろしくお願いします。」
 「会場までご案内します。お菓子やお茶を用意しています」

 会場のホールまで行くと、中世のヨーロッパを連想するおしゃれな空間だ。
 指定された席に座ると甘い香りが広がる。

 「よくわからないけどしあわせ」

 紅茶を飲みながらケーキを食べていると、他の夫人が夫たちの愚痴をこぼしている現場に出くわしてしまった。

 「気まずい……せっかくのお茶会なのに……」

 夏都がいづらそうに紅茶を飲んでいたら誰かが「ちょっといいかしら」と声を掛けてくる。
 振り返ってみるとスラリと美しいモデルのような女性だった。
 
 「さっき見た時、年も近そうだったから気になったの。よかったらお話しない?」
 「はい。ちょうど隣空いていますのでよかったらどうぞ」

 夏都もちょうど話し相手がほしいといったところだ。

 「わたし、旭小雪。最近彼氏たちの共有花嫁になったの」
 「中野夏都です」

 小雪と名乗る女性は「失礼」と会釈をし夏都の隣に座った。
 そこでいろんな話をした。

 彼女はポリアモリーでバイセクシュアルであること。