朝の献立。
 雑穀ご飯。
 具だくさんの味噌汁。
 焼き魚(鮭・明からもらったものを塩焼きにしたやつ)
 小鉢にひじき、キムチ、納豆の三点盛り。

 口には出さなかったけど口に合ったと思いたい夏都であった。

 ――――――
 4日目。
 宏明はどうしても外せない仕事があるという。

 「家庭教師の仕事なの?」と確認するとぶっきらぼうに「まぁ、そんなところかな」と答えそのまま出掛けてしまった。

 特にやることもなく、リビングの掃除を2周、3周とする。

 『ママー遊んでよー』
 「あらあら、ごめんね。何して遊ぼうか。」
 『うーん、浮かばないから、とりあえず抱っこしてー♡』

 シャニもようやく夏都を独り占めにできると思うと、満足げに【ゴロゴロ】とのどを鳴らした。

 夏都は「甘えんぼちゃん。」とつぶやき赤子を抱くようにシャニを抱きしめるとふわふわの毛並みをほおずりした。
 
 いつの間にか寝てしまっていた。

 「しまった!」と思い起き上がるも、時すでに遅し。
 宏明はすでに戻ってきたからだ。

 夏都はビクビクしながらも「お、おかえりなさい」という。
 宏明はそんな夏都の反応に「何ビビってんの?」と言わんばかりの顔だ。

 「今日は遅いから出前でも取ろうか。なんか食いたいものはあるか?」

 宏明は出前のメニューを片手に携帯電話を開いた。
 夏都はてっきり怒られたり殴られたりすると思って身構えていたが宏明の意外な対応に拍子抜け。