『これ、全部ヒロアキが食うのか?』
 「わりぃかよ。俺の能力は燃費が悪いからな。」

 和貴からは聞いていたが宏明はかなりの大食漢だ。
 何にせよ、一日につき力士の3人分は食べるからだ。
 それなのにジョニーズばりのスリムボディをキープしているから驚きだ。

 当の宏明は口の中に飴玉をコロコロ転がしている。
 ――――――――――
 3日目の朝。
 宏明の朝もこれはまた早いものだ。
 きっと体系キープをするのも早寝早起きだろう。

 「おっ、なつ。もう起きたのか?まだ5時だぞ。」
 
 朝の5時に起きたとは思えないほどの寝起きの良さだ。

 「うん。宏兄ちゃんも早いね。大学の講義でもあるの?」
 「いや。休み。というか、兄貴たちとお前を共有花嫁を取ったこと教授の耳に入って1週間は休めって言われた。」

 『ヒロアキもか。てっきりボスに言われて休みを取ったのかと思った。』
 「シャニ……」
 『なんだよ。』
 「俺がなんでも和貴のいいなりになると思ったらおお間違えだ。」

 夏都はそんなひとりと一匹のやり取りを見てクスリと笑う。

 「二人とも、そろそろ朝食の準備をするから座って待ってね。」

 夏都はそう言うとそのまま台所に消えていった。
 その日の朝食は、和食好きの宏明に考慮したものだ。