「シャニ、これがほしいだろ?」
 『ほしい!』
 「だったらさ、ふたりで過ごした夜のこと泰明には黙っていてほしいんだ。お利口さんの君ならわかるよね?」

 正明はニッコリと笑い、『早くくれ!』と急かすシャニにチュールを食べさせた。

 「正にいちゃんって結構腹黒いな……」

 夏都はあっけに取られた反面、好きな人の意外性を知ることができて嬉しくもあった。