晩御飯に寿司を食べながら他愛のない話をする。

 「正兄ちゃんに聞きたいことがあるんだけど…………」
 「うん?」
 「正兄ちゃんはどうして私を三人の共有花嫁に迎え入れようと思ったの?もっときれいな人はいるはずなのに……」
 「あーその話ね。泰明は勿論だけど、俺や宏明も君のことが気に入ったんだよね。だから共有花嫁として君を迎え入れた。それだけ」

 正明はなかなか本音を言わない男だ。
 それで納得できるわけではない。
 
 
 「正兄ちゃん個人は私のことどう思ってる?」
 「想像に任せるよ。なつちゃんがもう少し大きくなったら教えるね。」

 なんだかあしらわれた気分だ。
 和泉や和貴からも聞いていたけど本当に本音を言わないと思った。
 
 夏都もモヤモヤしたままシャニを抱きしめて眠りに着いた。

 ――――――
 2日目。5月9日の火曜日。
 正明が大学院に行ってる間、部屋中を掃除したあと、シャニに留守番を頼み買い出しに出かける。

 夏都はモヤモヤしながら、6日分の買い物をしながら考え事をしている。

 正明は一体何を考えて、自分を共有花嫁として迎えてくれたのか。
 でも、恩人の一人であることには変わりない。
 悶々(もんもん)とする中、食品を物色する。

 誰かが「なーちゃん」と明るく声をかけてきた。
 声の主を目で辿ってみると、和貴だ。