あの朝以降からの5月8日。
暖かくなってしばらくしてからのことだ。
夏都の片思いの相手の正明とこれから一週間過ごすことになるので心が踊る。
正明からも、タクシー代を受け取っているが歩く方が健康・経済的にもいいので歩くことを選んだ。
坂道も足取りが軽い。
『ママー、いつ目的地につくの?』
「もうすぐだよ。辛抱してね。」
『むぅ。』
夏都の「もうすぐ」が曖昧過ぎてシャニはむくれる。
しばらく歩くと大きなマンションに到着する。
『でけー。』
「うん。大きいね。」
学生の住んでいる賃貸など築何十年のボロアパートを想像したが、セキュリティがしっかりしてな真新しいマンションだ。
夏都はダイアルを正明の住む部屋番号を入力し呼び出しボタンを押す。
スピーカーから『はーい』と声が響く。
「正兄ちゃん、なつです。」
『あぁ、なつちゃん、すぐに開けるね。部屋まで来らそう?』
「うん。わからなかったら携帯に連絡するね」
『わかった。開けるよ』
カチャと音とともに自動ドアが開く。
暖かくなってしばらくしてからのことだ。
夏都の片思いの相手の正明とこれから一週間過ごすことになるので心が踊る。
正明からも、タクシー代を受け取っているが歩く方が健康・経済的にもいいので歩くことを選んだ。
坂道も足取りが軽い。
『ママー、いつ目的地につくの?』
「もうすぐだよ。辛抱してね。」
『むぅ。』
夏都の「もうすぐ」が曖昧過ぎてシャニはむくれる。
しばらく歩くと大きなマンションに到着する。
『でけー。』
「うん。大きいね。」
学生の住んでいる賃貸など築何十年のボロアパートを想像したが、セキュリティがしっかりしてな真新しいマンションだ。
夏都はダイアルを正明の住む部屋番号を入力し呼び出しボタンを押す。
スピーカーから『はーい』と声が響く。
「正兄ちゃん、なつです。」
『あぁ、なつちゃん、すぐに開けるね。部屋まで来らそう?』
「うん。わからなかったら携帯に連絡するね」
『わかった。開けるよ』
カチャと音とともに自動ドアが開く。