「宏明、お行儀悪いぞ!」
 正明は宏明のつまみ食いを咎める。

 「わーたよところで……これから1週間づつ俺ら兄弟と過ごすことになるよな。」

 夏都は「えっ!」って顔になった。

 「若干腑に落ちないけど、最初は長男である兄貴のところに行くけどな。」
 泰明は「面白くない」と言いたげだ。


 「えぇぇー」

 夏都の声がマンション中に響く。
 九州で初めての共有花嫁であることもだけど一週間ずつこの兄とふたりきりだ。
 この三人は嫌いでない。
 むしろ好きな方。ただただ不安なだけ。