「どうしたの?泰兄ちゃん、いつもと様子が違うよ」
「ごめん、お兄ちゃんって呼ばないで。せめて二人きりの時は……」

 泰明は夏都を後ろから強く抱きしめる。

「痛いからいったんはなして?」
「嫌だといったら?」

 拒めないとわかっいてやる泰明にもどかしさを感じる。

「俺に前さ……昔守ってくれた女の子の話したじゃん」

 夏都は「うん」と頷いた。

「その女の子……俺なんだよね。」

 そのカミングアウトに夏都は絶句した。
 泰明はさらに続ける。

「過去の自分に嫉妬してしまいそうだよ。」

 そういうと夏都の胸を強くわしづかみにする。
 夏都の豊かな胸が泰明の指をすべて飲み込んでいく。


「きゃあ……痛い。触るならもっと優しくして。」

 いきなりの恐怖に夏都は涙目になった。
 泰明は夏都の状況を見て我に返った。

 「ごめん」
 
 泰明は夏都を抱きしめる腕を緩めた。
 夏都は涙目になりながらも泰明を見る。

「なんで謝るの?夫たちの一人を不安にさせた私が悪いよね。ごめんね」

 夏都は泰明に抱き着いた。