「まぁ、冗談はさておき……」

 和貴はシャニの方を向くと「どうしたもんか」と言わんばかりの顔になる。

『なんだよ……』

 シャニは和貴の圧に気圧される。

 その瞬間、和貴はシャニの首根っこを掴むと脅しをかける。

「ときおり、シャニくん?お前は花嫁の守り猫である以上、その花嫁の夫たちにそういう態度は取ったらあかんで?」


『あっ……はい』
 
 シャニはあなたには逆らいません。と言わんばかりの表情だ。

「あとなぁ……さっきの宏明くんのへの態度もあかんで?」

『はい。』

 シャニは和貴の圧に震えながら従う。

 シャニの対応に和貴は「ええ子やな」と満足げにほほ笑んだ。

 『ごめんなさい。もう逆らいません……』

 シャニは完全に萎縮ている。

「もう説教は終わったから今後は態度に気を付けるとええで」

 さっきまでの怖い顔からいつものニコニコ顔に戻った。

「シャニくん、ママのところにおいで」
 
 夏都は両腕を広げると迷わずシャニは飛び込む。
 ゴロゴロ喉を鳴らしている。