とは言ったものの……
「マナ…やっぱりやめにしないか?」
「なんでよ」
何故って…モンスターが怖いからという理由もあるにはあるが
「だって…見えなんだよ!?マナ1回目を瞑って歩いてみてよ、想像以上に怖いよ!?」
「どうやって今まで生活してきたのよ…」
「…家は無害じゃん」
そう、家は何も攻撃され、危険になることはないのだ。でも、ダンジョンだと1つの行動だけで命を落とすことがある。
……つまり、目が見えない僕は…うん終了だ。
「はぁ、だから私が守ってあげるから安心しなさいよ」
「…分かってるけど…仕方がない、ずっとじいさんの弓を持ちながら行くか」
「どうやって行くつもりだったのよ」
マナは長いため息をした後、僕に弓を渡してくれた。
「ありがとう、じゃあ行こっか」
「えぇ、そうね」
マナが先に歩き出し、僕は彼女の後ろに続く形で歩いた。入るのは中級ダンジョン、僕たちの足音が響く中、慎重にダンジョン内へ入っていった。
「いやー、心配して損したな、まだ1回も敵にあっていないぞ」
そろそろ、ダンジョン後半部分に入りかける所なのだが、僕達はまだ1度も戦闘が起こっていない。
「フラグみたいなこと言わないでよ、まぁでも出てこないと特訓にならないからね?」
「分かっている…よ」
「なに、その間は」
…気のせいか?いやでも今確実に動いた様な
「百メートルぐらい先にある曲がり角?みたいな所に何かいる気がする」
「さすが、その魔道具は頼りになるわね。じゃあサクッと仕留めてしまいましょ」
「…マナ、提案なんだけど、ここから僕が狙ってみていい?」
遠くから敵を倒し、味方の援護をする。それが弓使いだ、だからこれ程遠い状態で当てれなければ強くはなれない、そう思ったのだ。
「いいけど…遠くないかしら?」
「特訓するためにはこれくらいが丁度いいと思う」
僕の真剣さが伝わったのか、マナは「分かったわよ」と、了承してくれた。
「ありがとう」
僕はじいさんの弓に矢をつがえ、弓を引こうとした。だが思ってもよらないことが起きた
「…!?お、重っ!」
とてもじゃないが僕の腕力では引ききれなかった。僕が普段使っている弓の重さは20キロほどだが…これは2倍ほどあるように感じた。
「いやいやいや、無理だって。これは流石に引けないって、重すぎるよ!」
「…数秒前のあなたに聞かせてあげたいわね、はぁ仕方ない…」
そう言うと、マナは何かの詠唱を唱えた後僕に向かって魔法を使った
「〈腕力増加〉(インビジブル)!」
「…!フィジカルアップか、ありがとう」
「魔法使いとしてこれくらいはね」
今思ったが、魔法使いと弓使いなんてパーティー構成アンバランス過ぎないか?
ともあれこれなら引けそうだ、僕は一点に狙いをつけゆっくりと深呼吸していく
「でも、大丈夫なの?曲がり角があるから当てられないと…」
マナが最後まで言いきる前に僕は弓を離してしまった。
「えっ!? あ、そうだった!」
僕は、生命体らしき方向にそのまま射ってしまったのでやらかしてしまった、そう思っていたのだが…その瞬間奥にいるモンスターの生体反応が消えたのだ
「…え? 倒した?」
「ど…どういうこと…」
一体何があったのか、マナに聞くと
「あなたの打った矢が壁をすり抜けたのよ…」
「へぇ………ん!?」
そんな…まさかね?チート能力みたいなのがある訳ないじゃん、タダでさえ見えるだけでもチートなのに…
「と…とりあえず敵の所まで行って…見ようか?」
「……そうね」
歩いて1分は経っただろうか、僕たちの前には先程までは生きていただろうモンスターが倒れていた。
「これ…本当に僕が…?」
今だに倒したなんて実感が持てなかったし、矢が壁をすり抜けるを信じるなんてもってのほかだ、もしかしたら僕が思っている以上にアルティメットスキルは最強なのかもしれない。
「なんか…とんでもない魔道具を持っている気がする」
「それは私のセリフよ、私がいるから安心しなさいって言ったの恥ずかしくなってきたじゃない」
……それ僕のせいじゃなくない?
「というか、1つ確認なんだけどモンスターが僕たちに気づく範囲ってどれくらいなの?」
「…確か、モンスターが人の視線を感じた時じゃなかったかしら」
…ちょっと待てよ? 目が見えない僕にとって視線は無い、という事は気づかれないで倒す事ができる…?
「……うん、このアルティメットスキル…いや、この魔道具はヤバいな」
僕は今更になってこんな結論に至った。
僕達がダンジョンから出て家に帰っている途中、マナが少し上の空になっている事に気づいた。
「えぇと、マナ? どうしたの?」
「……っ、なんでダンジョンのモンスターをあなたが片付けちゃうのよ!」
いきなり声を荒らげたと思ったら、いきなり意味のわからないことを言い出した。実際、僕が強くなるためにダンジョンに行った訳で…もしかしてマナは僕にいい所を見せようとしたのだろうか?
「…それはごめんだけど、マナのフィジカルアップは助かってるよ? あれがなければ弓が引けないわけだし」
「でも…時間が経てばあなたはあの弓を引けるようになる、そうなったら私はいる意味がないじゃない…」
「そんなことない」
僕は言葉を考える前に自然と口に出していた
「マナは…いや、マナとリーダーは僕のためにこうして生きられるきっかけを作ってくれて、そして助けてもくれた。」
「でも、それは今だけじゃない!私がいなくてもあなたは…」
僕はマナが最後の言葉を言い切る前に途中で遮った。
「僕は、マナと一緒にいると安心するんだ。それに今までずっと俺たちパーティー組んでただろ? しかも、僕が初心者ダンジョンで蹲ってた時、マナは僕を捨てようと思っていなかったはずだ。今の僕は昔のマナと同じ事をしているんだ、それを否定するのか!?」
僕はずっと初心者ダンジョンで留まっていた。今では少し懐かしくなっていたが、昔の僕は少し違うが今のマナと同じだった。言い方を悪くすると役立たずだった。だからこそ、昔の恩返しで一緒に行こうと言っている…まぁそれが本音という訳ではないが
………本当の理由は今は言えない
「……っ、でもそんなの分から…」
「それに、今はそんな事関係ない。僕はマナと一緒に…いやマナとだからこそ一緒にダンジョン攻略をしたいと思っている」
僕はいつも以上に真面目な声で真剣に今思っている事を伝えた
その思いが伝わったのか、マナは小さく頷いてくれた。
「じゃあ、また明日…?」
「うん、また明日」
翌日の朝、マナは家に来なかった
「マナ…やっぱりやめにしないか?」
「なんでよ」
何故って…モンスターが怖いからという理由もあるにはあるが
「だって…見えなんだよ!?マナ1回目を瞑って歩いてみてよ、想像以上に怖いよ!?」
「どうやって今まで生活してきたのよ…」
「…家は無害じゃん」
そう、家は何も攻撃され、危険になることはないのだ。でも、ダンジョンだと1つの行動だけで命を落とすことがある。
……つまり、目が見えない僕は…うん終了だ。
「はぁ、だから私が守ってあげるから安心しなさいよ」
「…分かってるけど…仕方がない、ずっとじいさんの弓を持ちながら行くか」
「どうやって行くつもりだったのよ」
マナは長いため息をした後、僕に弓を渡してくれた。
「ありがとう、じゃあ行こっか」
「えぇ、そうね」
マナが先に歩き出し、僕は彼女の後ろに続く形で歩いた。入るのは中級ダンジョン、僕たちの足音が響く中、慎重にダンジョン内へ入っていった。
「いやー、心配して損したな、まだ1回も敵にあっていないぞ」
そろそろ、ダンジョン後半部分に入りかける所なのだが、僕達はまだ1度も戦闘が起こっていない。
「フラグみたいなこと言わないでよ、まぁでも出てこないと特訓にならないからね?」
「分かっている…よ」
「なに、その間は」
…気のせいか?いやでも今確実に動いた様な
「百メートルぐらい先にある曲がり角?みたいな所に何かいる気がする」
「さすが、その魔道具は頼りになるわね。じゃあサクッと仕留めてしまいましょ」
「…マナ、提案なんだけど、ここから僕が狙ってみていい?」
遠くから敵を倒し、味方の援護をする。それが弓使いだ、だからこれ程遠い状態で当てれなければ強くはなれない、そう思ったのだ。
「いいけど…遠くないかしら?」
「特訓するためにはこれくらいが丁度いいと思う」
僕の真剣さが伝わったのか、マナは「分かったわよ」と、了承してくれた。
「ありがとう」
僕はじいさんの弓に矢をつがえ、弓を引こうとした。だが思ってもよらないことが起きた
「…!?お、重っ!」
とてもじゃないが僕の腕力では引ききれなかった。僕が普段使っている弓の重さは20キロほどだが…これは2倍ほどあるように感じた。
「いやいやいや、無理だって。これは流石に引けないって、重すぎるよ!」
「…数秒前のあなたに聞かせてあげたいわね、はぁ仕方ない…」
そう言うと、マナは何かの詠唱を唱えた後僕に向かって魔法を使った
「〈腕力増加〉(インビジブル)!」
「…!フィジカルアップか、ありがとう」
「魔法使いとしてこれくらいはね」
今思ったが、魔法使いと弓使いなんてパーティー構成アンバランス過ぎないか?
ともあれこれなら引けそうだ、僕は一点に狙いをつけゆっくりと深呼吸していく
「でも、大丈夫なの?曲がり角があるから当てられないと…」
マナが最後まで言いきる前に僕は弓を離してしまった。
「えっ!? あ、そうだった!」
僕は、生命体らしき方向にそのまま射ってしまったのでやらかしてしまった、そう思っていたのだが…その瞬間奥にいるモンスターの生体反応が消えたのだ
「…え? 倒した?」
「ど…どういうこと…」
一体何があったのか、マナに聞くと
「あなたの打った矢が壁をすり抜けたのよ…」
「へぇ………ん!?」
そんな…まさかね?チート能力みたいなのがある訳ないじゃん、タダでさえ見えるだけでもチートなのに…
「と…とりあえず敵の所まで行って…見ようか?」
「……そうね」
歩いて1分は経っただろうか、僕たちの前には先程までは生きていただろうモンスターが倒れていた。
「これ…本当に僕が…?」
今だに倒したなんて実感が持てなかったし、矢が壁をすり抜けるを信じるなんてもってのほかだ、もしかしたら僕が思っている以上にアルティメットスキルは最強なのかもしれない。
「なんか…とんでもない魔道具を持っている気がする」
「それは私のセリフよ、私がいるから安心しなさいって言ったの恥ずかしくなってきたじゃない」
……それ僕のせいじゃなくない?
「というか、1つ確認なんだけどモンスターが僕たちに気づく範囲ってどれくらいなの?」
「…確か、モンスターが人の視線を感じた時じゃなかったかしら」
…ちょっと待てよ? 目が見えない僕にとって視線は無い、という事は気づかれないで倒す事ができる…?
「……うん、このアルティメットスキル…いや、この魔道具はヤバいな」
僕は今更になってこんな結論に至った。
僕達がダンジョンから出て家に帰っている途中、マナが少し上の空になっている事に気づいた。
「えぇと、マナ? どうしたの?」
「……っ、なんでダンジョンのモンスターをあなたが片付けちゃうのよ!」
いきなり声を荒らげたと思ったら、いきなり意味のわからないことを言い出した。実際、僕が強くなるためにダンジョンに行った訳で…もしかしてマナは僕にいい所を見せようとしたのだろうか?
「…それはごめんだけど、マナのフィジカルアップは助かってるよ? あれがなければ弓が引けないわけだし」
「でも…時間が経てばあなたはあの弓を引けるようになる、そうなったら私はいる意味がないじゃない…」
「そんなことない」
僕は言葉を考える前に自然と口に出していた
「マナは…いや、マナとリーダーは僕のためにこうして生きられるきっかけを作ってくれて、そして助けてもくれた。」
「でも、それは今だけじゃない!私がいなくてもあなたは…」
僕はマナが最後の言葉を言い切る前に途中で遮った。
「僕は、マナと一緒にいると安心するんだ。それに今までずっと俺たちパーティー組んでただろ? しかも、僕が初心者ダンジョンで蹲ってた時、マナは僕を捨てようと思っていなかったはずだ。今の僕は昔のマナと同じ事をしているんだ、それを否定するのか!?」
僕はずっと初心者ダンジョンで留まっていた。今では少し懐かしくなっていたが、昔の僕は少し違うが今のマナと同じだった。言い方を悪くすると役立たずだった。だからこそ、昔の恩返しで一緒に行こうと言っている…まぁそれが本音という訳ではないが
………本当の理由は今は言えない
「……っ、でもそんなの分から…」
「それに、今はそんな事関係ない。僕はマナと一緒に…いやマナとだからこそ一緒にダンジョン攻略をしたいと思っている」
僕はいつも以上に真面目な声で真剣に今思っている事を伝えた
その思いが伝わったのか、マナは小さく頷いてくれた。
「じゃあ、また明日…?」
「うん、また明日」
翌日の朝、マナは家に来なかった