【そろそろ着きます】
昨日は、私がメッセの返事をするよりも先に、柊さんがココに到着した。今日は負けまいと、必死になって指を動かす。
【待っています】
あ、しまった。「ありがとうございます」をつけた方が良かったかな?
「素っ気ない文章になっちゃったかも。あ、でも……。メッセでやりとりをする事も、もうなくなるもんね」
こんな悩みが生まれるのも、残り僅かだと気づく。なぜなら、一週間続く荷物は、今日を入れて残り二日。つまり――
柊さんと会うのは、明日で最後となる。
「そっか。最後なんだ……」
呟いた時、玄関の方でジャリっと靴音がした。見ると、相変わらず到着の早い柊さんが、いつもと同じ段ボールを手にしていた。
「今日もありがとうございます」
「いえ。俺も中身が気になりますから」
「そうですよね。なら、早速」
「はい」
柊さんが、手に力を入れて段ボールを開けた。そして素早く、中からひらがなブロックを取り出す。そして二人の目に写ったのは、
なんと「げ」のひらがなだった。
濁音のブロックが存在する事に驚きながら、今までのひらがなの後ろに「げ」を置く。
出来た文字は――たすけてあげ。
これを見て、柊さんは「あぁ」と笑った。
「明日のひらがな、もう分かりました」
「え!?」
どうして?どの部分で?
全くわかってない私に、柊さんは順を追って説明してくれる。
「昨日見つけた六文字のひらがな――いわゆる音羽さんの名前を先頭につければ、すぐに分かりますよ」
「え〜っと……」
私はブロックを綺麗に並べ、届いた全てのひらがなを読み上げる。
「音羽ちゃん、助けてあげ――
あぁ!」
そして、ピンと来る。
「明日のひらがなは“る”ですね?」
昨日は、私がメッセの返事をするよりも先に、柊さんがココに到着した。今日は負けまいと、必死になって指を動かす。
【待っています】
あ、しまった。「ありがとうございます」をつけた方が良かったかな?
「素っ気ない文章になっちゃったかも。あ、でも……。メッセでやりとりをする事も、もうなくなるもんね」
こんな悩みが生まれるのも、残り僅かだと気づく。なぜなら、一週間続く荷物は、今日を入れて残り二日。つまり――
柊さんと会うのは、明日で最後となる。
「そっか。最後なんだ……」
呟いた時、玄関の方でジャリっと靴音がした。見ると、相変わらず到着の早い柊さんが、いつもと同じ段ボールを手にしていた。
「今日もありがとうございます」
「いえ。俺も中身が気になりますから」
「そうですよね。なら、早速」
「はい」
柊さんが、手に力を入れて段ボールを開けた。そして素早く、中からひらがなブロックを取り出す。そして二人の目に写ったのは、
なんと「げ」のひらがなだった。
濁音のブロックが存在する事に驚きながら、今までのひらがなの後ろに「げ」を置く。
出来た文字は――たすけてあげ。
これを見て、柊さんは「あぁ」と笑った。
「明日のひらがな、もう分かりました」
「え!?」
どうして?どの部分で?
全くわかってない私に、柊さんは順を追って説明してくれる。
「昨日見つけた六文字のひらがな――いわゆる音羽さんの名前を先頭につければ、すぐに分かりますよ」
「え〜っと……」
私はブロックを綺麗に並べ、届いた全てのひらがなを読み上げる。
「音羽ちゃん、助けてあげ――
あぁ!」
そして、ピンと来る。
「明日のひらがなは“る”ですね?」