…そう言えば、マニキュアはまだ持っていなかったな。
両親に言われて常に短く切りそろえられている自分の爪を見ながら、わたしは思った。
この色、すごくキレイだな。
よし、盗んじゃおう。
自分の周りに店員や他の客がいないこと、防犯カメラからは見えないことを全て確認すると、カバンで隠すようにして手に持ったマニキュアをブレザーのポケットの中に入れた。
それから何事もなかったかのような顔をして店内を回ると、何食わぬ顔をして店を後にしたのだった。
「さて、もう帰るとするか」
後少しで9時になるし、メイクも落とさないといけないから、もう家に帰ることにするかな。
まるでシンデレラみたいだなと思いながらショッピングモールを出たら、
「おい」
声をかけられたので振り返ると、そこにいたのはクラスメイトの大滝くんだった。
彼も一軍の陽キャ人間だ。
やれやれ…せっかく楽しかったのに、こいつのせいで台無しだ。
関わると面倒なだけだし、無視しよう。
そう思って彼の前から立ち去ろうとしたら、
「おい、待てよ!」
と、大滝くんに通せんぼされた。
「何?
わたし、急いでいるんですけど」
わたしが聞いたら、
「お前…さっき、マニキュアを盗んだだろ?」
と、大滝くんが聞き返してきた。
両親に言われて常に短く切りそろえられている自分の爪を見ながら、わたしは思った。
この色、すごくキレイだな。
よし、盗んじゃおう。
自分の周りに店員や他の客がいないこと、防犯カメラからは見えないことを全て確認すると、カバンで隠すようにして手に持ったマニキュアをブレザーのポケットの中に入れた。
それから何事もなかったかのような顔をして店内を回ると、何食わぬ顔をして店を後にしたのだった。
「さて、もう帰るとするか」
後少しで9時になるし、メイクも落とさないといけないから、もう家に帰ることにするかな。
まるでシンデレラみたいだなと思いながらショッピングモールを出たら、
「おい」
声をかけられたので振り返ると、そこにいたのはクラスメイトの大滝くんだった。
彼も一軍の陽キャ人間だ。
やれやれ…せっかく楽しかったのに、こいつのせいで台無しだ。
関わると面倒なだけだし、無視しよう。
そう思って彼の前から立ち去ろうとしたら、
「おい、待てよ!」
と、大滝くんに通せんぼされた。
「何?
わたし、急いでいるんですけど」
わたしが聞いたら、
「お前…さっき、マニキュアを盗んだだろ?」
と、大滝くんが聞き返してきた。