翌朝、わたしはいつものように学校の支度を済ませると1階に降りた。

リビングに顔を出すと、
「…もう行ってくるよ」

「…待って、私も行くわ」

父と母はわたしがきたとたんに椅子から立ちあがると、逃げるようにリビングを後にしたのだった。

玄関のドアが閉まる音が聞こえた。

それまで奴隷のように何でも言うことを聞いていたわたしが突然反抗したので、どうすればいいのかわからないと言う様子なのだろう。

わたしの朝食は用意されていたけれど…それを食べる気になれなくて、わたしは生ゴミ入れに朝食を捨てた。

冷蔵庫から牛乳を取り出して、それをコップに注いで飲んだ。

「反抗してみるもんだな…」

この様子だと口うるさく言われることもないし、怒鳴られることもない。

両親はわたしと関わりたくない様子だし、わたしも両親と関わりたくないと思ってる。

「学校が終わったら遊びに行くか」

今日は予備校がある日じゃないけど、別にいいか。

牛乳を飲んだコップをササッと洗って水切りカゴの中に入れると、玄関へと足を向かわせた。

ローファーを履くと、
「行ってきまーす」

わたしはドアを開けて、外に出た。

戸締まりをすると、学校へと向かったのだった。