「予備校はもちろんのこと、今まで習ってきた習い事だってそうよ!

習字、バレエ、英会話、水泳、体操教室、ピアノ、学習塾ーーわたしはやりたいとも言っていなければ入りたいとも言ってないのに、全部あんたたちの勝手な行動で習わされたしやらされた!

あんたたちの勝手な判断と行動のせいで、わたしの人生はめちゃくちゃよ!」

「ちょっと、勝手って何よ!」

「そうだぞ、私たちはお前の可能性を少しでも広めて将来のことを考えたうえで…」

「それで?」

わたしはジロリと、目の前にいる両親を見つめた。

「あんたたちはわたしの気持ちを考えたことがあるの?

わたしの話を聞こうと思ったことがあったの?

わたしを所有物みたいに扱って、少しでもわたしが逆らえば怒鳴って、ひどい時は暴力を奮ったうえに食事を取りあげた!」

「暴力って…」

「わたしが暴力だと言ったら暴力なのよ!」

バンとテーブルのうえをたたいたのと同時に立ちあがると、
「あんたたちみたいなのを世間ではなんて言うか知ってる!?

“毒親”って言うのよ!

あんたたちがわたしにやっていることは子育てでも教育でもない、虐待よ!」

言い終えた後でフンと鼻息を吐くと、自室へと足を向かわせた。